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番外編 文化祭 3日目 ②


私は、グラウンドとは反対方向を目指していた。

あの、女顔のもやしを探す為に。

アイツの事だろうからきっとユキリンを誘えていないに違いない。

ほんまにヘタレなんやから。

言うとくけど、アイツの為じゃない。

ユキリンには、どうしても彼氏役が必要だ。

ユキリンに彼氏が出来たと知れば、ストーカー行為も少しはマシになるんじゃないかと思っている。


「やっと見つけた。

どんだけ探さすねん。」


私は苛々しながらモヤシに話しかける。


「おい。」


「うわっ、めっちゃビックリした!

また、女子が来たんかと思った!」


コイツは開幕早々失礼過ぎるやろ。


「私は女子ちゃうんか。」


「すいません。

立派な女性でした!」


コントやりにきたんちゃうねん。


「どうでも良いけど、下駄箱でユキリンが待ってる。

早よ行ってきて。」


「え、ユキが?

なんで?」


要領悪いなぁ。


「つべこべ言わんとは早よ行く!

ほんでキャンプファイヤーに誘え。」


「な、なんなん!?

え!?」


私は無言で教室から引きずり出し、廊下に放っぽり出した。

アキトはポカンとしていたが、私の無言の圧力に負け廊下を走り出した。

きっとあの2人は上手くいくやろ、知らんけど。

そんな事を思いながら私は本命を探しだした。





居った。

これは一種の賭けやった。

彼女はきっと学校という場所に縛られているのでは無いか、そんな推測で私は誰も居ない教室中を探し回った。


「初めまして。」


私は彼女に声を掛けた。

彼女は驚いたように振り向いた。

彼女は女の私でも目を奪われる程綺麗だった。

長い黒髪にアーモンド型の瞳、薄い唇に鼻筋の通った鼻。

私は、言うことも忘れて見惚れてしまった。


「どなた?」


彼女はハスキーな声で告げる。


「私は、ユキの友達のアカリです。

ユキに危険が迫っています。

貴女も気づいている筈。

貴女は美術の先生の松木について何か知っていますか?」


私は、この人なら何か松木の情報を知っているかも知れないと考えていた。

きっと、彼女は日々学校で過ごし、生徒の知り得る事の出来ない先生の情報を得ているだろうと思った。


「知ってるで。

ただ、松木について話す前に私の過去について話してもいいかな?」


過去?

どういう事や?

この人は松木と何か関係がある人なん?


「大丈夫です。

聞かせて下さい。」


窓の外では、轟々とキャンプファイヤーの炎が燃えている。

その周りには、友達同士で談笑したりお互いに愛を囁きあっているカップルもいる。

私はそんな外の雑音を消すかのように、彼女の言う言葉に耳を傾けた。

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