第76話 復讐の始まり
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ボンジリは、見た目はちっちゃくて太っているコックだ。
あの城ではデザートを担当していた様だが、デザート以外も普通に作れる。
コック達に賄い飯を作ったりしていた様で、それが好評だったらしい。
これは是非、これからの私達の食卓を潤わせて欲しいもんだ。
そして、シシャモは線の細いまだ幼さを残す女性だ。
幼さを残すと言っても、私よりかは歳上らしい、詳しい年齢を聞いたら後悔する気がしたので、聞いていない。
もちろん後悔するのは私だ。
私もヴァンパイアになりたい、血を吸わせたらなるのかしら?聞いてみたが、そんな話しは無いらしい。
まぁ、あるのなら種族問題なんて発生してないのだから、それはそうだ。
そして、シシャモは諜報担当らしい。
私達の動向も、シシャモが担当していたらしいのだが、全然気付かなかった。
かなり優秀なのだろう。
私達が浮かれてた説もあるが…。
その三人は私達が住む街、ヴォークルールに向かって来てもらっている。
アイパンバの街からだと、距離がかなりあるので、到着するのはかなり先になるだろう。
そして、私達三人(一人は除くが)は久しぶりにヴォークルールに帰って来た。
セセリに乗って来れば、直ぐに到着出来る。
移動が早いのは助かる。
出発してから大した日数は経っていないが、濃厚な日を過ごして居たので、もう数ヶ月ぶりに帰ってくる様な気分だ。
久しぶりに到着して門番に挨拶をすれば、直ぐに警備隊詰所へと話しが通る。
警備隊は、私のファンクラブ達の巣窟だ。
だから、ファリンにも私が帰って来た事は伝わっただろう。
だからこそ、ファリンに直ぐにでも挨拶に行かなければ怒られてしまいそうなのだが、私は今リヤカーを引いている。
ジャングルに遠征して素材を持って来なければ、おかしいと思ったので、リヤカーにギルドに売るようの素材を載せている。
その為に、先にギルドに行く必要がある。
モンスターの死体を持って、街をウロチョロはしたくない。
ギルドに到着すると、中には大量の冒険者が居た。
何でこんな大量の人が居るんだろうと思ったが、そうだったセセリの所為で、現在ギルドは警戒態勢だ。
そんな中に、大量のモンスターの死体を持って入って来れば、フラストレーションが溜まった冒険者達に睨まれる。
そうなると当然、絡まれそうだったが、モンスターの素材を見て皆が距離を取る。
ジャングルのモンスターは、高ランクモンスターばっかりだ。
そんな死体を持っていれば、相手の力量も想像出来る。
そんな相手に声をかけて来るのは、このギルドではこいつらだけだろう。
「ジャンヌひさしぶりね。もしかしてジャングルに行って居たの?」
「ロンリコさんひさしぶりですね。はい、ジャングルまで遠征に行ってました。ロンリコさん達ブリアンは、まだこの街に居たのですね?」
「あぁ、ジャンヌがジャングルに行っていたのなら知らないのも無理は無いわね。あっ、買い取り所に向かって良いわよ。そこで話しでもしましょうよ、私今暇なのよ。」
そうして、買い取り所に素材を全て渡して解体をお願いする。
アイパンバの街と同じ様に札を渡され、二日後に来てくれと言われた。
この辺りのモンスターなら直ぐに買取金額を出せるのだが、ジャングルのモンスターは、ギルド職員も解体などはした事が無い。
そして、有用な素材も調べないと分からないので、お金を受け取るには、その分時間が掛かる。
私は用を済ませたので、待って居たロンリコと話しをする。
「お待たせしました、それで何があったのですか?」
「良いのよ、どうせもうずっと待っているのだから。それでね北の森で、ドラゴンの戦闘跡が見つかったの、そこからギルドでは警戒態勢で、冒険者達も街の外に出られずに、ギルド内で待機しているのよ」
「それはかなり大変そうですね。冒険者のみなさんもかなりイライラして居る様に見えますし」
「大変なんてもんじゃないわよ、もう毎日取っ組み合いの喧嘩ばっかり。その仲裁をする為に私達もギルドで待機よ、モンスター相手にしてた方がマシだわ」
「冒険者はギルドで待機なんですか?」
「そう言うわけじゃないんだけどね、みんなやる事も無いし、一応特別に滞在費も出して貰えるから、ギルドで飲み食いしてるって感じね」
「それで、みなさんギルド居るんですね。待機期間はどのぐらいになりそうなんですか?」
「うーん、それがぜんぜん分かってないの。それに私達が戦闘跡を発見したんだけど、あの戦闘跡はとてつもなかったの。ドラゴンが何かと戦ってたんだろうけど、その相手が誰かも分からないし、死体も転がって居なかったから、まだ正体不明の何かも近くに居るかもしれないの」
はい、すいませんその正体不明の何かです。
「じゃあ、ドラゴンもその何かも、今どこに居るか分からないって事ですか?」
「えぇそうね。それが分からないから、しばらくは待機してる事になるでしょうね、下手にモンスターを刺激した所為で、ドラゴンや何かが街を襲いに来たらこの街は終わりよ。だから、まだ数ヶ月はこのままでしょうね。」
「そうなんですか…、情報感謝します。それじゃあ、それまでは冒険者稼業はお休みになりそうですね。ちょうど良い機会なので、私は学校に通おうと思います。」
「あら貴女、軍学校に通っているの?」
「えぇ、少し修行の為に冒険者稼業をやっていましたが、単位も取らないと留年してしまうので、そろそろ学校には戻ろうと思っていました」
「そう、それじゃあしっかりと勉強して来ないとね。でもそうね、軍学校に通っているなら気をつけてね。前にも話したけど、オーガ達がきな臭いの。あれだけ、あちこちの村を襲っていたのに、急にそれがパタっと止んだわ。私には、嵐の前の静けの様にしか感じられないわ」
「オーガ達ですか…、でもそれってドラゴンとその何かが戦った所為で、警戒しているとかではないんですか?」
「そう考えて居る人が殆どね。でもオーガ達がこの国で暴れた所為で、ドラゴンがこの国で暴れるのなら、オーガ達に取ってはむしろ歓迎すべき事じゃないかしら?ドラゴンが暴れたら逃げ出せば良いだけなのだから」
「それは…確かにそうかも知れませんね。ロンリコさんは、今回のオーガの行動には何か裏があると感じてるんですか?」
「そうね、不可解には感じてるし、何よりも女の勘って言うのが働いてるわ」
「女の勘ですか…しかも、それがロンリコさんの勘なら怖いですね」
「そうよ!?だから気をつけなさいね、軍学校の中にもね、あそこは貴族連中の溜まり場だから、冒険者達よりもずる賢くて陰湿な奴らが多いわよ」
「はい、それは私も知っていますし、実際に体験しました。だからこそ冒険者をして力を付けて来ましたので、もう勝手は許しません」
そう言った私の言葉には、少し殺気がこもっていた、それは私の中のジャンヌの記憶が私にそうさせた。
これからは復讐の時間だ、ステータスは十分に盛れただろう、だがそれだけでは勝てないかも知れない。
貴族連中は心理戦のプロ、私の敵もきっとその中に居る、必ず探し出してジャンヌの復讐を果たす。
「怖い空気を出すわね、私みたいに冒険者をずっとやって来た人間には、学校なんて行こうとは思わないけど、貴女には貴女の考えがあって、行ってるのでしょ?前にも言ったけど、もし私達に出来る事があったら言ってね?格安で請け負うわよ」
「すいません、少し感情が出てしまいました。ありがとうございます。もしお願いする事があれば考えます。今日は色々な情報をありがとうございます。しばらくは冒険者業をしないかも知れませんが、またよろしくお願いします」
「えぇ、貴女と出会ったのはどこか、運命の様に感じるのよね。またどこかで会う気がするわ、その時はよろしくね」
そうして、ギルドでのやり取りも終わり、私はファリンに会いに行く。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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