第75話 新たな仲間
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トメイトとピコンが、何か話しがあると言って別の部屋に行ってしまったので、私はイケジジと晩酌をしている。
イケジジは、見た目だけ変わっただけのダメオジの姿に感動していた様だ。
若りし頃の、ダメオジを思い出したのか、私は初めて見たのだが、感情的になってお酒を飲んでいる。
いつもの姿とは違う、イケジジは少し可愛いと思ってしまう。
「あの時のトメイト様を、思い出させてくれてありがとうございます。最近のトメイト様は、どこか思い詰めて居ました。自分を見失って居た、と言っても良いかも知れません、ジャンヌ様には助けられました」
「いえ、私は十分な報酬を貰いましたし、あの程度の事は、大した事では無いです。それにこんな美味しいお酒と、素敵なおじ様と飲めるのは貴重な機会です」
「そう言ってもらえるのは光栄です。それにしても、ジャンヌ様がお持ちした素材には驚きました。あのジャングルに長年君臨して居た、ボス達の素材だなんて目を疑いましたよ」
「私もあいつらの相手は、もうしたく無いです。私もかなり手痛い思いをしましたので」
「いえいえ、手痛い思いだけで済んでしまっているのが素晴らしいです、私達ヴァンパイアでも、あの者達には手を焼いて居ましたので」
「戦った事があるのですか?」
「えぇ、それは何度も。ただ、私達にはあの者達を相手にするメリットはあまり無かったので、死人が出ない様に、牽制程度の戦いしかしていませんでした」
「私もそうしたかったのですが、あまりにも突然襲われてしまったので、でもゴメさんなら、きっと本気になれば倒せていましたよ」
「ふふふ、そうして綺麗な女性に褒めて貰えるのは、中々ありませんので、素直に受け止めさせていただきます」
そんな会話をしながらも、楽しい時間を過ごす事が出来た。
イケジジの大人の雰囲気を魚に飲む酒も、落ち着いて飲めて楽しい。
だが、その宴も扉を開く音ともに終わりを迎えた様だ。
「ジャンヌ様、どうか私を旅のお供に連れて行って頂きたい」
「え?旅のお供に?この領地はどうするの?誰がこの街を見るの?」
「それは俺が見る。父さんには領主の座を降りてもらい、俺が継ぐ事になった。だから、どうか父さんをよろしく頼みたい」
別室に行く前と今では、コピンの顔付きが違う気がする。
別室で一体何があったのか分からないが、この数分の間に大きく成長した様に見える。
「私は、長く家族と一緒に居たので、世界の事を人間社会の事をあまり知らない。それに、ジャンヌ様に恩返しをしたい、少しだけでも夢を見させて貰えた、あの時の事を思い出させてくれた。私はこの顔の老いと共に、大切な記憶を忘れていた様なのだ。私の力をジャンヌ様のために使いたい、どうか旅をお供させて欲しい」
「うーん、まぁ仲間が増えて困る事は無いかしら、色々と無理を言うかも知れないわよ?」
「それは全く問題無い。どうか私をこき使って欲しい」
「分かったわ、これからよろしくね」
「僕もよろしくなのね!」
「ジャンヌ様、セセリ様これからよろしくお願いします。それでは、ジャンヌ様に名前を付けて頂きたいです。私の名前は息子に譲りましたので、それに私もセセリ様と同じ様に、闇の契約を結びたいと思います。この魂を貴女に捧げたい。」
「あぁ、主従関係を結ぶやつよね。名前付けるのって苦手なのよね、うーん、ケチャップ、ナポリタン、なんかイマイチよねー、セセリに似せようかしら、ツクネ!うんツクネにするわ!」
その瞬間に、セセリの時に感じたパスが繋がった気がした。
そして、ツクネの感情が少し感じられた。
ツクネが、元の名前であるトメイトを息子に譲ったのは、私に名前を付けられたいだけでは無かった。
それは、他国に舐められ無い様にする為そうだ。
トメイトの名前は、他国の重鎮達には知られている。
遥か昔から生き続けているヴァンパイアとして、そしてその強さも伝説として語られているらしい。
その為に、他国からしたら食料の多い国を攻めるよりも、友好を結ぶ事の方が得だと判断されて居たのだ。
だが、それもトメイトの存在があってこそ、リーダーが変わったなら、攻め落とせると考える人間も現れる、だからこそ名前を世襲にして、そのままにした。
名前さえ変えなければ、トメイトの顔を知っている人間は少ない、昔はもっと知ってる人間も多かったらしいが、それも時と共に減った。
トメイトは長く生き続けて来た為に、自分がこうやって引退するなんて思って居なかったし、いちいち人間の当主が代替わりに挨拶に来られるのが、鬱陶しかったので、あまり応じなかったのだ。
「そう言えば貴方、昼は動けないのよね?どうするの?」
「影魔法でジャンヌ様の影に入れますので、そこで待機させて貰おうかと」
「あぁ、貴方もセセリみたいに出来るのね。それなら良かったわ」
そうして、私達に新たに仲間が出来た。
私とセセリは先に宿屋に戻り、早朝の太陽が出る前に、ツクネを迎えに行く予定だ。
家族とはしばらく会えなくなるのだから、今夜ぐらいはゆっくり家族と過ごして欲しい。
急に決まった話しなので、お別れを言いたい人も居るだろう。
そうして、私達は宿屋に戻って眠りに着いてから、また城に向かった。
城まではセセリに乗って行く、今回は馬バージョンだ、ヴァンパイアにバレたとはいえ、私達を知らない町人や観光客もまだ居る。
ドラゴンの姿で、街の上を飛んでいたら騒ぎになるかも知れないからだ。
そうして、城の前に行くとみんなに見送られているツクネが居た。
そして、ツクネは私を見つけると駆け寄って来た、
「ジャンヌ様、お迎えありがとうございます。それで何ですが、お願いを聞いて頂いても良いですか?」
「まぁ、私が聞ける範囲なら良いわよ?」
「実はどうしても、私に着いて来たいと言うものが三人ほど居まして、その者達を一緒に連れて行って良いのか、伺いたかったのです」
「三人?うーん、世話出来る保証は無いわよ?」
「それは大丈夫です!この者達は、ギルドに登録もされて居るので、自分達の生活費は、自分達で稼がせます」
「そう、それならやって貰いたい事もあるから良いわよ、街まではどうする?セセリに載せるには多いかしら」
「はい、どんな事だろうと、この者達になんなりとお申し付け下さい。街までもこの者達には歩かせて行かせますので、問題はありません。ただ、また名前をお付けして貰いたく思います」
「えーまた名前かぁ、うーんネギマ、ボンジリ、シシャモで宜しく!」
もう、私が良く行っていた、居酒屋のメニューで名付けは統一してやる。
今回来てもらう三人は、比較的にヴァンパイアの血が薄いメンバーらしい。
その為に、戦闘能力や特殊能力もあまり無いので、影の中に入ると言った芸当も出来ない。
だが、それはヴァンパイアからしたらとは言える。
普通の人間と比べると力も強いし、寿命も長い、その為に生きた年月分、経験値も多く取得しているので、高レベルである。
さらに、血が薄い分、昼間も活動が可能だった。
だからこそ、ツクネの身の回りの世話をする為に、ついて行きたいらしい。
ネギマは眼鏡を掛けたヒョロ長い研究者タイプだ、ツクネとは日々一緒に研究をして居たらしい。
なんと、この街にも遺跡と同じ様なバリアがあり、敵意を感じて発動するらしかった。
ただ、アンドローサルクスへの対応が出来ないので、アンドローサルクスにも対応出来る様に、日々研究している。
「私は研究者です、主にアンドローサルクスに付いて研究していました。そして、名前を付けて貰いありがとうございます。これからはネギマとして、ジャンヌ様に精一杯仕えさせて頂きます」
「あいつなら私が倒したわよ、多分…」
多分と付けたのは、死体を確認してないからだ。
その時の状況を説明したら、みんなが驚いた顔をしていたが、状況が飲み込めたら安堵の表情をしている。
まぁ、違うエリアからもアンドローサルクスは来るかも知れないので、研究は続けていて損はしないだろう。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。




