第72話 呼び出し
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昨日の私もだいぶ酔っ払って居たらしい、二日酔いならぬ、三日酔いだ。
今日は昨日よりもお酒が残っている様で、頭痛が少ししている。
今日はセセリも起きている、昨日はお酒を飲まなかったのだから、当然だろう。
さて、頭痛の所為で何も考えたくは無いが、そうも言ってられないので、とりあえずこれからの事を考えようと思う。
この街も名残惜しいのだが、このまま居るとずっと堕落し続けてしまいそうだ。
だから休暇はここまでにして、ギルドに行き買い取り金を頂いたら、この街を去ろうと思った。
この場所にだって、セセリに乗ればまた直ぐに来れるのだから、それに忘れてはいけないのは、私はリンクルにラフレシアの素材を渡さないといけない。
渡して終わりでは無く、渡してからが始まりなのだから、そろそろ街に戻っても良いだろう。
ジャングルに行って帰って来るにしては、少し早い気もするが、まぁそこは何とか誤魔化そう。
私がジャングルに行っているのを知ってる人物も限られているはずだ。
そう思い、私はギルドへと向かう事にした、途中でセセリから屋台に行こうと、何度も言われて居るが、それは帰りにまた行けば良いだろう、と言うかちょっとお酒の頭痛で食欲が無い。
ただ、そんな辛い三日酔いでは無いので、ギルドでの用事が済めばお腹も空いて来そうだ。
ギルドに入り、買い取りカウンターに行く、
「冒険者のジャンヌです、札をお持ちしました。素材の解体は終わってますか?」
「あぁちょうど良い所に来たね、もう解体も終わって金額の計算も終わっているよ。これがその代金だ珍しい素材が結構あったからね、少し色を付けて置いたよ。」
そう言って、カウンターの上に置かれた金額はかなり多そうだ。
見た事も無い硬貨まである。
「あの、これって、一体いくらぐらいになりましたか?」
「あぁ金貨120枚分になるよ。初めて見るかな?その硬貨が白金貨で金貨100枚分、そしてその硬貨はミスリル硬貨で金貨10枚分になるんだ、両替が必要かい?」
「なるほど、分かりました。ミスリル硬貨を1枚だけ、金貨10枚に替えてもらって良いですか?」
「了解だよ。それじゃあ、これを金貨10枚に替えよう。」
そう言って奥に行き、戻って来ると金貨10枚を手渡された。
正直、白金貨とかミスリル硬貨とか、持ってても使いづらそうなので、金貨に替えて置いた。
ただ持ち運び安さもあるので、一枚ずつは持って置いても良いだろう。
そして、これでようやくミスリルの剣も買える、今の薙刀も中々使いやすいのだが、西洋風の女性に薙刀?ちょっとイメージ的には合わない気もする。
それに、やはり魔力を通して攻撃力が上がるミスリルの剣は重要だ、私の火力不足を補うのにもってこいだろう。
さて、これでこの街ともさらばだ、最後に屋台で食べ歩きしつつ、ストックとして美味しい物を何個か買ったら、朝には出て行こう。
そうして、屋台で食事と買い物を済ませて宿屋に戻る。
朝寝て夜起きたのだから、寝れないかもと思ったが、食事をして満たされたのと、お酒で眠りが浅かったのか、すんなりと寝る事が出来た。
朝起きて窓から街の様子を覗く、朝の誰も居ないこの静かな街も、また良い物だと今となっては思えた。
そう思って、出掛ける支度をして部屋を出る。
お金の精算は、昨日帰ってから済ませて置いた。
明日の朝出ると言ったら、チェックアウトは何時でも良いから、先に精算してくれと言われたのだ。
鍵はカウンターに置いておけば良いそうで、明るい時間に声を掛けるのだけは、止めて欲しいと言われた。
どれだけ朝が苦手なんだと思ったが、まぁそれがこの街の特性だ、仕方ない事だろう。
特に誰にも挨拶する事も無く、街を出る事に少し後ろ髪を引かれたが、まぁそれも旅の醍醐味かも知れない、イケジジぐらいには挨拶して帰っても良いかもしれないと思ったが、イケジジもこの時間は寝ているだろう、そう思って宿の外に出た。
宿の外には何とイケジジが立って居た。
だが、イケジジの様子がおかしい、もしかして寿命だろうか、もう歳なのだろうから無理はしないで欲しい。
「どうしましたか?体調が優れないのですか?」
「いえ…。すいません…。宿屋の…店主には伝えてます…。どうか後一日街に…留まって…下さい。」
「え?それはどう言う…。」
私が呼び止めようとしている間に、イケジジはその場を立ち去ってしまった。
しかもその場に消える様にして。
「あれは影真似なのね、遠くからの情報伝達で使われる、闇の魔法の一種なのね。」
「え?じゃあイケジジはこの場には居なかったの?」
「イケジジってゴメの事なのね?まぁそうなのね、遠くに居ても本人の様に振る舞える術なのね。」
「凄いわね、本物にしか見えなかったわ。私の幻術魔法顔負けね。」
「ご主人様の幻術魔法の方が、僕は凄いと思うのね。それでどうするのね?また夜まで待つのね?」
「正直、かなり薄気味悪いお願いだったわよね。理由も何も告げずに、言いたい事だけ言って立ち去るとか。」
「でも、何だか切羽詰まった感じもしたのね、それに苦しそうだったから、伝えるのがあれが限界だった可能性があるのね。」
「そうねー、あのイケジジには世話になった部分もある訳だし、もう一晩ぐらい滞在して見ましょうか、宿屋の店主にも話しは通してるみたいだし、タダなんでしょ?それなのに帰るのも勿体無いわ。」
「あれだけ沢山の金貨を手に入れたのに、なんだかせこいのね。」
「お金はねー、あったとしても勿体無いって思う事があるのよ、それは金額じゃないのよ。」
そう言って、私達は再度宿屋に戻る事にした。
鍵はカウンターに置きっぱなしだったので、その鍵を取って部屋に戻る。
まさかこんな風に戻るとは思って居なかったが、仕方ない。
ただ、もう睡眠は十分に取ったので、私もセセリも各々好きな事をして過ごす事にした。
そう思って居たけども、朝食に昨日の屋台ご飯を食べたら、眠たくなって来たので、ベッドに入りゴロゴロとして居たら、昼寝してしまった。
時間はあっという間に過ぎて、夜へとなってしまった。
夜になるとイケジジが扉を叩く、目で確認をしていたので、直ぐに扉を開く。
「ジャンヌ様ありがとうございます。もう一度、城へと御足労願います。トメイト様がお待ちして居ます。もちろん食事も出来るように手配済みです、そちらの御仁も一緒に来て下さい。」
「分かりました、セセリは良く食べる人間なので、食事は大量に用意して置いて下さい。」
「では、その様に伝えて置きます。」
そう言うと、一人の従者にイケジジが命令をして早馬で城へと駆けて行った。
そして、私とセセリは馬車に乗り、城へと向かった。
「それで、一体全体何があったのですか?」
「それは、トメイト様より直々にお話しをされます。ただ、ジャンヌ様に危害を加える様な真似は絶対にしません。どうか、今は私を信じて着いてきて貰いたいです。」
「そうですか、分かりました。ここは信じさせて貰います。」
その様な会話を馬車で話しながらも、城に到着するのを待つ事にした。
そんな時に、セセリは念願の城飯なのねー、とか言ってウキウキとして居る。
弁当ならちゃんと食べさせたのだから、念願と付けるのはおかしいだろうと思う。
あれ?ちゃんと弁当あげたわよね?ちょっとその辺の記憶が曖昧かも、帰ってから直ぐに寝たとは思うのだけど。
それゆえに私が弁当を食べた記憶は無いし、セセリが満足する様に弁当は何個かあったし、弁当の入った容器は殻だった。
その為に、朝起きた時には弁当を食べたんだなって思っていたが、セセリが少し不機嫌だった気もする。
あれだけの弁当を独り占めしたのに、弁当では飽きたら無かったんだろう。
確かに城で出されて直ぐ食べる方が、美味しいと思う。
それなら覚悟しておけよセセリ、下がトロけるぞ。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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