第67話 次の街へ
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朝になり、私が目を覚ますとセセリが顔を覗かせて居た。
「もう、そんな心配しなくても大丈夫よ?だから少し離れなさい。」
セセリが私を心配してくれてだと言うのは分かるが、キスするぐらいの距離まで近づいて、顔をジロジロ見られたら私も少し焦ってしまう。
「元気そうで安心したのね、元気になったならご飯を作って欲しいのね!もうずっと飲まず食わずで看病してたから、お腹がペコペコなのね!」
「病み上がりの人間に随分な物言いね、でも良いわよ、今回はセセリも活躍してくれたし、気を失っている間に世話もしてくれたしね、それに私もお腹が空いてる見たい、今日は一日宴会と行きましょう!」
「病み上がりなのに、もうお酒を飲むつもりなのね?まぁ良いのね、僕はお腹が満たされたら満足なのね。」
「まぁ待ってなさい、私がご馳走を作ってあげるから、と言ってもこんな場所じゃ出来る事は限られてるけどね。」
そう言って、私はセセリの蔵から肉を取り出す。
この肉は刺身で食べる予定だ。
倒した時に加工済みだったので、セセリの蔵に入れていた物を今、取り出したのだ。
この肉には、本当は違う調味料が必要だと思う。
だが、まだそれはこの世界では見た事が無いので、今回は仕方ないので、またソードフィッシュの剣から加工した、塩を振りかけて食べる事にする。
そうして出したのが、ユニコーンの馬刺しだ。
ユニコーンの肉は、前世の馬とは違い白身の肉だった。
まぁ、それは部位による話しだとは思うが、馬刺しと言えば、赤身と言うのが私のイメージだ。
だからこそ、ユニコーンを切った時に白身だったので、馬肉では無いのかもしれないと思ったのだが
、まぁ肉は肉だ。
刺身で食べるとなると、寄生虫などの心配もあるが、ユニコーンだぞ?神聖な生き物と言われたんだぞ?寄生虫なんて居たら、それは違うだろうと思って食卓に並べる事にした。
本当は、刺身醤油にニンニクと生姜を混ぜ、ネギを振りかけて食べたかったのだ。
だが、それはこの世界では望み過ぎなのは、私も分かっている。
その欲求は、万能調味料だと言える塩を振りかけて満足する。
ユニコーンの肉は、淡白であっさりした味でそれが塩味と合わさって美味しかった。
ただ、この味だとセセリ満足しないだろう。
今後は調味料のレパートリーも増やしたい、塩味ばかりでは飽きてしまう。
いくら素材である肉を変えた所で、限界もあるだろう、帰り道にちょっと、ぶらぶらと違う街を見るのも良いかもしれない。
「なかなか、味わい深い味なのねー!」
「あら?あなたじゃあ、味が薄く感じるんじゃ無い?」
「ちゃんと味も感じられるのね!でも、もっと味が濃いともっと美味しく感じるのね!」
やっぱり物足りないのだろう、昨日の激戦もあって今日はまだ身体も怠い。
今日一日ゆっくり休んだら、明日からは帰りがてら、街で調味料探しでもしようと決めた。
朝起きたら気分良好、身体の疲れもすでに取れていた。
若いって最高!まぁステータスの恩恵もあるだろうが、生死を彷徨う様な怪我を、ポーションと休息だけで直ぐに回復してしまうなんて、異世界生活も便利な物だ。
ポーションなんかを前の世界に持って行けば、プロスポーツ選手にいくらで売れるのだろうか?
怪我に悩まされて、苦労している人達も沢山いるし、それが直ぐに治ってしまうなら、ポーション一つに何億って金が動きそうだ。
朝は簡単に魚を焼いて食べる、すっかり静かになったジャングルを見て、この前の戦いを思い出す。
ジャングルに住むモンスターは、この前の戦いでほとんど倒してしまった。
突然始まった総力戦だったが、得た物も多い。
ラフレシアの素材はもちろん、群れのボス素材などの、高額になりそうな素材はもちろん、その他の有象無象の素材も、大量にセセリの倉の中に入っている。
あの時、ボス猿と戦っている間に、セセリには私の戦いを見ながらも、素材回収をしてくれていた。
それをしていなかったら、クラスター弾によって全ての死体は、破壊されて居ただろう。
あの時に、倒したモンスター全てを回収出来た訳では無い。
あのクラスター弾によって、破壊された死体も大量にあった。
だけど、それでも必要な物は回収出来たのは良かったと思う。
そして、あそこにあった遺跡だが、見るも無惨な状態で破壊尽くされている。
今、私は目を飛ばして確認しているのだが、この光景を見るだけで、凄まじい戦いだったのは分かる。
結局、なんの遺跡だったのかは分からないが、数日間お世話になったので、残しておきたかった気持ちもある。
まぁ、あの時の私にはそんな余裕なんて無く。
ただ、ボス猿との戦いに必死だった。
それにしても、異世界に来てからまだ日も浅いと言うのに、あれ程の強い相手達と戦うのは、少々飛ばし過ぎなのではと、居るのか分からない運命の神に頭の中で抗議しておく。
さて、名残惜しい気持ちもあるが、ジャングルでの生活もこれでお終いだ。
私は、セセリの背に乗って近くにある街を探しに飛び立った。
空から確認すると、ジャングルはやはり広大な土地だったのだと実感する。
その大きな木々が、さらに見ている者に威圧感を感じさせるだろう。
こんな辺境の場所には人は寄りつかないし、モンスターも強かったので、近くに街を作る様な事も無さそうだ。
だから、私はたまには目的も無い気ままな旅をするのも良いかと、セセリの好きに移動させる。
私達の街に戻るのはまだまだ先でも良い、ジャングルに行くと伝えているので、そんなに早く帰還出来る方が色々と怪しまれそうだ、寄り道して帰るぐらいがちょうど良いのだ。
行きとは違い、セセリは余り高く飛び上がる事はしない、行きでは私がいろいろとやらかしているので、寒くないようにしてくれている。
「このぐらいの高度で飛べば、風も気持ち良いわね。」
「もう焚き火はこりごりなのね。」
そう言ってセセリは、私に睨みを利かせて居る。
私がまた何かしないか、すっかり疑ってしまっている様だ。
しばらく空を飛んでいると、城のある街を見つけた。
城があると言う事は、それなりに品揃えの多い街だろうと、そこに行く事にした。
街から少し離れた場所に降り立ち、セセリは私が人間の姿に変化させた。
セセリには、形を変える訓練をさせていたので、ようやく人間風の形にまで、なれる様になれた。
これもあの戦闘で、セセリが成長した証だろう。
人間風と言ったのは、見た目は完全にモンスターだったからだ。
シルエットだけを見たら、尻尾を除けば人間に見えるだろう。
だが、その見た目は黒く、口の中の歯はワニの様にトゲトゲしている。
頭はツルッパゲでデコが広く、目もワニの様な目をしている。
うーん、リザードマンをまだ見た事ないが、こういう感じだろうか?
そんな見た目だが、形は人間に一応近づいたのと、手はほぼ人間と変わりないので、それなら姿を幻術で弄れば、人間の姿になれる。
幻術魔法で作り出された人間は、冒険者パーティーのブリアンから、バルカンを参考に作り出した。
体格などを考えると合っているだろう。
そうして、私達は街へと向かった。
門の所では、門番が立って居たのだが、私達を見るも、特に気にせずに素通りさせようとした。
これで何も見せずに入って、不法侵入だとか言われたら嫌なので、門番にギルドカードを提示する。
目の前にギルドカードを持って行くと、一応目線は動き見ているのだが、特に興味は示さずに、直ぐに目線を戻して虚な目をしている。
昨日は夜更かしでもしたのかと、怠惰な門番を睨みつけ、私達は街に入る事にした。
これで、不法侵入なんて言われたら、こちらも出るとこ出てやろうと思う。
そうして門を通り過ぎて、街の中に入ったのだが、街の中には誰も居なかった。
こんな昼間に、街の中に人が居ないなんて事はあるのだろうか?歩いている人を見かけないので、建物の中には居るのだろうか?門番が居た以上は、人は住んでるはずだと思うのだが。
そして、ふと気になって後ろを振り返る。
だが、門番は変わらずに怠そうな態度で立っていた。
一瞬モンスターが私を騙そうとしているのかもと思ったが、それは無いようで安心した。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。
章は短めです。




