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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
ジャングル編

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第66話 戦いの後に

 毎日21:10より投稿します。


 もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。

 よろしくお願いします。

 ボス猿は私に睨みを効かせる、手のひらから放たれる銃弾は、私の幻を攻撃するが幻は本物の私であるかの様に振る舞い、薙刀で銃弾を斬り落とす。

 そこに、つかさずボス猿に対して薙刀を振るう。

 だが、その薙刀はボス猿の手に寄って振り払われて、またショットガンの様な攻撃を喰らわせ、その場で私は風穴を空けて倒れる。

 だがボス猿に油断は無い、突然後方から現れた私の薙刀をまた手で払い攻撃をする、その攻撃もまた私に当たり、その場で倒れる。

 だが、ボス猿はそれでも油断しない、ボス猿もそんな簡単に、私が姿を現すとは思って居ない様だった。


 だから、私は攻撃方法を変えてみる。

 木を隠すなら木の中に、私を隠すなら私の中に、ボス猿の周りに千を超えるだろう私を出した。

 数を出した分、私も幻術を操作するのは難しいので精度は落ちる。

 あらかじめ組んだ、行動プログラムになぞって攻撃させるだけだ。

 だが、ボス猿もこの数には対処が出来ない、どれを攻撃して、どの攻撃を防げば良いか分からない。

 どれに対応しても失敗したら無防備になってしまう、だからこそボス猿の取れる行動は一つしか無かった。

 

 その場から、渾身の力を振り絞りまた上空へと飛び立つ、その勢いは重力を全身に受けて傷付いた身体を蝕む。

 上空に向かって飛んでいる間は攻撃出来ない、そしてボス猿は上空へと到達した。

 そこからはもう落下するだけだ、重力により行動不能だったが、ここまで来たら重力と共に下に落ちるだけになった。


 ボス猿は上空から地上に向けて、全砲塔開放し全弾発射をした。

 その攻撃は、当たり一面を覆い尽くす。

 放たれた砲弾は、途中で爆発するとその中からさらに銃弾が出て来て、爆発の勢いでさらに弾速が上がり、当たり一帯に向かって放たれる。

 この戦場全てを更地にでもするかの様な攻撃は、建物だろうと木や生き物も全てを破壊する。

 この環境では蟻の子一匹残らないだろう。

 そこに存在する者が居たらだが。


 ようやく重力から開放された私は、ミスリルのナイフに魔力を込める。

 この戦場での戦闘が始まってから、幻術魔法を使いまくっていた。

 幻術魔法がいくら消費の少ない魔法だとは言え、限度はある。

 だからこそ、ここに来るまでの工程で魔力は底をつきかけていた。

 私は最初から上空へと飛び立つ事に賭けていた。

 必ず上空からまた攻撃を仕掛けるはずだと思い、背中にしがみついて離れない様に必死だった。

 ボス猿には、私が触れても気付かない様に幻術魔法を駆使している。

 だが、上空に向かってジャンプする時に感じる重力が、あれ程だと思っていなかった。

 重力から開放された今は、もうこれが最後だと思い、身体をめぐる魔力を全てミスリルナイフに込める。

 ミスリルナイフは、その特性ゆえに魔力を込めれば切れ味が増す、私はそのナイフをゆっくりとボス猿の首元に当て、一気に切り落とした。

 私の極限まで集中した幻術魔法は、ボス猿が攻撃された事すら気付かせなかった。

 

 ボス猿は今なにを思っているのだろうか、私が放った攻撃は、痛みすら感じさせないものだった。

 その為に、首を切られたボス猿の視界は突然変化しただろう。

 自分が一体今何故、空を見上げているのか、普通だったらそう感じるはずだ。

 だが、ボス猿の表情を見るに、私に首を切り落とされたのを理解している様だった。

 視界が変わったその一瞬で、私の行動を理解して自分の負けを悟ったのだ。

 それ程に、私達はお互いを理解し合えていた。

 私は最後に、本物の姿を見せた。

 

 それは、加工されたジャンヌの姿では無い。

 そして、加工前のジャンヌの姿でも無い、前世の私の姿を見せたのだった。

 私も何故そうしたのかは分からない、だがこの戦いはお互いを理解し、死力を尽くした戦いだった。

 それ程の私の理解者に、私の全てを見て欲しいそう思ったからかもしれない。

 でもやはり、自分の感情を読み解こうとしても何か違う様な気がした。

 きっと、それだけこの戦いは、私とっても重要な戦いになっていたのだろう。

 頭だけになったボス猿は、私の本当の姿を見て、それでもその姿を理解したかの様に見つめていた。

 重力により落下してる最中、私とボス猿はお互いを見つめ合った。

 互いに得た最も理解し合えるライバルとして、その姿を目に焼き付ける。

 どこでボス猿が死んだかは分からない、見つめ合う中で、ボス猿はその生涯を閉じたのだった。


 私はボス猿を最後まで見つめ続けるが、やがてその目を見て死んだのだろうと理解すると、どこか虚しい気持ちになった。

 だが、それは仕方ない事はだったのだと気持ちを切り替える。

 現在の私は落下の最中だ、この場面では感傷に浸っていたままでは、地面にぶつかりお陀仏となってしまう。

 だからこそ私は、自分のパートナーを探した。

 そのパートナーは、私の戦いをずっと見ていた。

 そして、そのパートナーも私を理解する者の一人だった。

 ボス猿が空に向かってジャンプすると同時に、私の意図を理解して飛び立った。

 私がボス猿の首を落としたタイミングで、私に向かって近づいて来る。

 そして、私が地面に着く前に救助してくれたのだった。


「助かったはセセリ、ありがとう。」


「ご主人様は余裕そうに振る舞ってたくせに、見ているこっちは、ハラハラする様な戦いだったのね!これはポーションなのね、早く飲むのね!」


 セセリに中級ポーションを貰い、私は直ぐに飲み干した。

 中級ポーションは、私の身体の傷を癒してくれるが、それでも相当深い傷だった為か、全開になる程には回復していない。

 私は戦闘の安堵と疲労から、そのままセセリの背中で気絶してしまった。


 目を覚まし身体を起こす、私は自分の身体を確認する。

 身体はまだ怠いが、ポーションのお陰で傷だけは塞がっていた。

 辺りを見渡すと、セセリが丸まって寝ていた。

 私はセセリが起きない様に起きて外に出た、セセリが私を休ませてくれた場所は、最初に拠点にしようとして掘った大木の中だった。

 外に出れば辺りは暗くなっていて、空を見れば星々が輝いていた。

 その中で月を発見した。

 今夜は満月で、それは美しく見える、その満月を見るだけで、私の心は癒されて行く気がした。

 何故こう思うのか分からない、ただ満月を見つめていると、ふと思ってしまったのだ。

 今日は良い一日だったんだなと。


 ぼーと空を見つめて過ごして居たが、肌寒く感じたので部屋に戻る、するとセセリは起きたらしく私に声を掛けて来る。


「ご主人様?もう大丈夫なのね?」

 

「もう大丈夫よ、心配してくれてありがとうね、私はどのぐらい寝てたの?」


「今日でちょうど三日目になるのね、ずっと目を覚まさなかったから、流石に心配したのね。」


「その間ずっと世話をしてくれて居たの?ありがとうね、今回は流石に私も無理をした自覚はあるわ。」


「ご主人様が無事に起き上がってくれたなら、僕はそれで良いのね、具合はどうなのね?」


「まだ頭がぼーとするわよ、身体もなんだか重たいわ、でもそれでも気分は良い気がするわね。」


「あれだけのダメージを受けたのだから、仕方ないのね、まだ本調子じゃないなら、まだ寝てた方が良いのね。」


「そうね…、そうするわ。セセリもずっと看病してくれて居たのでしょう?あなたも寝て頂戴。私は少し寝過ぎたようね、今直ぐには寝れないから、もうしばらく起きてから寝る事にするわ。」


「ご主人様がそう言うのなら、お言葉に甘えるのね。ご主人様が生きて居てくれて、本当に良かったのね、ご主人様が約束してくれた様に、まだ食べた事のない食べ物を、まだまだ食べたいのね、だから僕を残して死なない様に…むにゃむにゃむにゃ。」


 セセリもだいぶ疲れて居たのだろう、最後の方は上手く聞き取れなかったが、言いたい事は伝わって来た。

 セセリがここまで心配してくれて、絆が生まれているのは嬉しい気持ちになる。

 私は、今回の戦いを思い出しては、物思いに老けていた。

 それを繰り返した居たら、やがて瞼が閉じて眠りにつくのだった。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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