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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
ジャングル編

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第65話 ライバル

 毎日21:10より投稿します。


 もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。

 よろしくお願いします。

 私の運が良かったのは、ボス猿が放った攻撃の爆心地に居なかった事だろう。

 そこに居るかどうかは運だった、もしそこに私が居たのなら、私は今息をする事は出来なかっただろう。

 爆心地には、おびただしい量の弾丸の跡が地面にある。

 そして爆心地から離れるに連れて、弾丸の跡は少なくなり、地上から空を見ていた感じでも、弾幕は爆心地から離れるに連れて薄くなっていた。

 それでも、その攻撃は熾烈を極め、爆心地から離れていたとは言え、死の恐怖を感じた。


 完全に予想外の攻撃に、準備をしていたとは言え、想像以上に広範囲の攻撃だったので、避ける事は出来ずに、それでも急所だけは守ろうとした結果、手足に穴を開ける結果となった。

 空いた穴からは血が吹き出し、このままでは先に失血で死んでしまいそうだ。

 私は自分の身体を誤魔化した。

 身体が傷付いていないのだと、健康で何にも問題ない状況だと、自分自身に言い聞かせて騙した。

 そうする事により、身体からそれ以上の血が流れる事は無くなり、穴の空いた手足も動くようになった。

 ただこれは、誤魔化しているだけ、実際は身体に無理をさせている状態なので、そう長くは保たない。


「ふう、だいぶ死にかけてるわね、さてどうしましょうか。」

 

 自分の今の状態を楽観視出来ない、あの攻撃を次も受けたら、確実に死んでしまうだろう。

 その為には、攻撃をさせないか相手からさらに距離を取るか、相手から距離を取っても、遠距離攻撃の無い私では相手を倒す事が出来ない。

 だが、相手の攻撃を防ごうと攻撃をしても、防げなかった場合には、今度は爆心地であの攻撃を受ける事になってしまう。


 それでも、私は行くしかないだろう、攻撃するしか相手を倒す方法は無いのだから。

 その為に私は走った、現在ボス猿は上空高くに飛んだ為に、自由落下している状態だ。

 地面に着地して、また飛び上がる前にボス猿に接近する必要がある。

 そんな私を見て、セセリは心配してくれている様だった。

 流石にセセリに見てなさいと言った手前、助けを借りるのは興が醒める。

 本当は、今直ぐにでもセセリの蔵からポーションを取り出して、飲ませて貰いたいが、それをグッと堪えてボス猿の元に向かう。


 自由落下中のボス猿と目が合う、ボス猿は私に気付くと、両方の手のひらをこちらに向け、手のひらに付いている穴から、弾丸を飛ばして来た。

 普通の弾丸だ、クラスター弾では無い。

 たが、目の前で分裂する可能性も考慮して、薙刀で弾丸の先端を掠めて飛ぶ方向をずらす。

 

 前の世界では、流石にこんな事は出来なかったが、今の世界になり、レベルもめきめきと上がっているのだろう。

 ステータスの恩恵で、飛んでくる弾丸に武器を当てるなんて事も、簡単に出来てしまう。

 そして、レベルもテンポ良く上がっているせいか、常に身体の調子が良いかの様に錯覚するほどに、動けたりも出来る。

 

 私は、毎日の様に強くなっていると実感している。

 だからボス猿にも勝てる、そう信じてボス猿の元まで走る。

 昨日までだったら、この距離を落ちて来るまでに辿り着くなんて出来なかっただろう。

 だが、今ならもう間に合ってしまうのだ、それが分かっているからか、ボス猿は私に向かってさらに弾丸を撃つ。

 先程の攻撃も、今の攻撃もクラスター弾では無い。

 今クラスター弾を撃たれれば、私も流石に避けるのは難しい、それはボス猿にも分かるはずだ。

 

 だが、それを撃ってこないのは弾が尽きたからか?いや、そんな甘くは無いだろう。

 ただ、今は撃てないそう思って置けば良い。

 さっきは殆ど時間も掛からずに二回、クラスター弾を撃って来た。

 ボス猿はきっと、体内でクラスター弾を作っているはず。

 その作成に時間が掛かっていると、読むのが妥当か?それならボス猿は、必ずまた上空に飛んでクラスター弾を撃つはずだ。

 それはもうさせない、何としてもボス猿が降りて来た所で仕留める必要がある。


 ボス猿が撃って来る弾丸は、すでに見切っているので、何度撃たれようとも、薙刀で対応出来る。

 だが、走りながら薙刀を振るえば、その分走るスピードが落ちてしまうので、ボス猿もそれを狙っているのだろう。

 だが、私もそれが分かっているので、実際は幻術魔法で作り出した私が、弾丸を弾いている様に見せて居るだけだ。

 もうすでに幻術魔法を使っている事は、ばれているので出し惜しみはしない。

 ボス猿が私の囮に引っかかっている間に、落下地点目指して走る。

 やがて私は、落下地点に着くとボス猿も地面に着地する寸前だった。

 それを見た私は、薙刀をボス猿目掛けて振るう。

 あの高さから落下したのだから、硬直は免れないはずだ。

 そして、私の薙刀は見事にボス猿に直撃した。

 頭を切り落とそうとしたが、そこまでは届かずに腕を斬り落とすのみになってしまった。


 そして返す手で、もう一つの腕も斬り落とす。

 ボス猿の左側二本の腕は、これで斬り落とす事が出来た。

 だが、次の瞬間だった、私の身体に黒い弾丸の様な物が降り注いで来た。

 予想外の攻撃に、私は立つ事も出来ずにその場に崩れながら、弾丸を受け止め続ける。

 黒い弾丸は、私の身体に穴を空ける程の攻撃力は無かったが、打撲する程度には痛い攻撃だ。

 それを何百、何千と身体に受ければダメージは大きい。

 攻撃を喰らい続けた私は、そのまま寝ていたい気持ちを奮い立たせて、起き上がろうとする。

 だが身体が動かなかった。


 これはもう終わったと思った、ここで負けて私は死んでしまうのか、そんな気持ちになって心が折れそうになっている時だった。

 ボス猿を見るとボス猿も倒れていた。

 あの黒い弾丸をボス猿も受けていた様だった。

 あれは、ボス猿がやった攻撃では無いのか?否、ボス猿も余裕が無かったのだろう。

 あの黒い弾丸が何かは分からないが、恐らく上空にいる時にばら撒いのだろう。

 それを落下スピードによるダメージで、私を攻撃したのだ。

 私がボス猿に見えないように消えて、必ず着地点で攻撃して来るだろうと予測を立てて、だから自分もダメージを受ける覚悟でやったのだ。


 その攻撃でダメージを受けようとも、私を仕留めるチャンスだと思って、正に肉を切って骨を立つ様な攻撃だった。

 そして、その攻撃は自分と私を比べて防御力の差も考えているだろう。

 防具がやっぱり必要だなと思いながらも、私はもう無くなってしまった力を湧き立たせる。

 ボス猿の攻撃は見事だった、だからこそ私も負けていられない気持ちになった。

 身体中に走る痛みが私を弱くした、それなら痛みなんて感じる必要は無いだろう。

 アドレナリンを全開にして、身体の痛みを紛らわせる。

 手に力を入れて身体を起こす、足に力を入れて立ち上がる、ふと身体に載っていた黒い弾丸が落ちた。

 私はそれを地面に落ちる前に、手で取った。

 黒い弾丸は、見た目の大きさにしては重たくそして硬かった。

 これが私の身体を襲ったのだから、それは痛いはずだ。

 そして、それはボスにも同じ事が言える。


 ボス猿も、私と同じ様に力を振り絞って身体を起こしている。

 もう私もボス猿も会話する力も無い、そんな力があれば、目の前の敵の為に使いたかった。

 だが、私もボス猿も目を見れば、言いたい事が分かる。

 戦闘を通して、相手の事を考え続けたのだ。

 それも命を手に持った状態でだ。

 死闘をした結果は、相手の事を良く知る事になる。

 お互いがお互いを真に理解し合うと言う、家族や親友、恋人とはまた違った、ライバルと言う理解者を得たのだ。


 私の幻術魔法を相手は理解している、それでも私は幻術魔法を使う。

 それしか勝機を見出せないのもあるが、分かっていても幻術魔法を破るのは難しいからだ。

 私がどこかに居る予想は立てる事は出来るだろう、だがそれは先程の様にしかボス猿は対応出来ていない。

 結局ボス猿は、私に対して無差別に攻撃するしか無いのだ。

 だから相手は、私が攻撃して来る時を待つしか無い。

 私はその一撃を、必殺として倒す様に神経を研ぎ澄ませていく。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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