第64話 クラスター弾
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ワルキューレ達の攻撃を蟻女は防ぎに防ぐ、そして蟻女が怖いのは、その攻撃を利用した反動で更に強い攻撃を放ってくる事だ。
正に倍返しで攻撃が返ってくる。
だがここまで来たら隠す必要は無くなってくる、現在の敵はたったの二体だ。
今までは、幻術魔法を隠す為に蟻女の攻撃を避けて対応していたが、ワルキューレ達はあくまでも幻術魔法で作られた存在だ。
どんな攻撃をされようとも、その攻撃は幻術に効くわけが無い、ここに来て全てをさらけ出す様に攻撃を仕掛ける。
蟻女は自分の防御性能に絶対的な自信を持っている、だからこそ、攻撃を喰らっても大丈夫だと、自分へのダメージを与える可能性のある攻撃だけを捌いていたのだが、幻術魔法で作り出した存在は防御性能なども必要無い。
むしろそれに当てはめるのなら、最強の防御性能を保有していると言えるだろう。
蟻女が防御無視の攻撃をして来た所で、ワルキューレ達も防御無視の攻撃を繰り出す。
ワルキューレ達の攻撃は、蟻女に当てる事が出来る。
だが、蟻女の攻撃がワルキューレ達に届く事は無い。
その絶対的な利点を利用して、蟻女の攻撃を武器で受け止める様な真似はもうしない。
そのまま攻撃が身体に来ようが、無視をして攻撃した隙を逃さずに攻撃を繰り出す。
蟻女はワルキューレ達に攻撃したのに、その攻撃をした両手の鎌は、ワルキューレ達の身体を通過してしまう。
当たると思って放った一撃だ、必ず衝撃が来ると思って身構えていたのだが、その攻撃がなんの抵抗もせずに通過してしまったのだ、蟻女はそのまま体勢を崩してしまう。
そこの隙を逃さずに攻撃を繰り出す。
アインスとゼックスが繰り出す斬撃が蟻女の甲殻を傷付ける、その斬撃は蟻女の甲殻の至る所に傷を付けていく。
そこにドライとズィーベンも叩き込む様に攻撃を叩き込む。
そして、その攻撃は遂に蟻女に有効的な攻撃となってダメージを与える。
蟻女はいつもの様にその弾力性のある甲殻で受け止めたが、アインスとゼックスによって傷付けられた甲殻は、そのダメージを吸収しきれなかった。
その所為で、傷付けられた部分が血を吹き出して、蟻女はその痛みからか悲鳴の様な叫び声をあげている。
そこに、すかさずフィーアが繰り出した無数の矢が蟻女を襲った。
だが、フィーアの放った矢はやはり、蟻女に当たる前に消滅してしまう。
これはもう仕方ないのだろう、物事には得て不得手と言う物がある。
フィーアと蟻女の相性は最悪だったのだ。
ただそれだけの事、だからこそフィーアはダメージを与える事を捨てた。
フィーアは、その矢を使って消滅しない絶妙な距離を測っていたのだ。
再度フィーアは矢を放つ、その矢は消滅する事は無い距離を飛び続け、蟻女の視界を奪う事に成功する。
フィーアは自分の出来る事はやった、後は残りのワルキューレ達に総攻撃をして貰うだけだ。
ドライは土の聖槌デメテルを使い、蟻女の羽根に土を纏わせる、土は魔法で作られた物では無い。
地面にある土を操作しているので、現実に存在している物だから魔法無効化の影響は受けない。
蟻女は羽根を封じられて、地面へと落下するしかなくなった。
ズィーベンは蟻女の内面へと音波を送る、内面に侵入した音波は蟻女の身体を内から振動で震わせる。
その攻撃は、先程から傷付いている傷を更にえぐりダメージを与える。
そして、その攻撃が止む事は無い、傷の付いた蟻女は音波を送り続けられて、その止まない攻撃が止むまで、ダメージを与えられ続けるのだった。
アインスは、その火の聖剣ヘバイトスを使い、蟻女に攻撃をする。
熱によって赤くなった刀身は、甲殻の外から内からとダメージを与え続けられた、蟻女の腕や足を切断する。
蟻女は、手の方にだけ鎌の様な状態になっている。
上腕の方までは鎌にはなっていない。
その為に、その腕部分を狙い、鎌ごと地に落としてしまったのだ。
そして、鎌の無い無防備な状態を逃す事は無かった。
鎌を落とされた事により、攻撃も防御も出来なくなってしまったのだった。
ゼックスは三ボスが出て来てからは、ずっと有効な攻撃を繰り出す事は出来なかった。
ビリ虎と戦っている時も、倒すなどは出来る事も無く、ただただ時間稼ぎの為に、ずっとビリ虎の攻撃を防ぐ為に動いていた。
その持っている雷の魔双剣プルソンにより、倒せないと分かっている敵相手に、ずっとみんなを守るために防衛に徹してくれていたのだった。
それが今報われる。
ゼックスは蟻女に対して連撃を繰り返す、その手に持つプルソンの雷の能力は、蟻女が掻き消してしまうので、その斬撃能力だけで蟻女にダメージを与えていく。
ゼックスの攻撃は止まらない、両手を使い次々と蟻女にダメージを与えて行く、そして蟻女はやがてそのダメージを感じなくなり、死にいくのだった。
「あれだけ居た仲間達は、全て死んでしまったわよ?すでに後悔しているんじゃない?」
「まさかこんな事になるとはな、お前は一体何者なのだ?突然この私達が住んでいるジャングルを荒らし、そこに住む者達を根絶やしにした、そんな事が許されるのか!?」
「だから言ったじゃない、私は直ぐにこのジャングルを出るつもりだった、それをあなた達が藪蛇を突いたのよ?悪いのは私達にちょっかいをかけたあなた!私の居ないジャングルで王者を気取っていれば良かったのよ!」
「ふー、今となってはそれも後の祭りだな、これだけの同胞がやられたんだ、仇は打たせて貰うぞ!」
そう言ってボス猿は、私にショットガンタイプの砲撃を行ってくる。
そして打ちながらも、私との距離を徐々に離して行く。
私はそれを躱しながらボス猿に近づいて行く、ワルキューレ達やセセリと離れたいのだろうか?そんな事をせずとも、ボス猿とは私一人で戦うつもりだ。
ボス猿は砲撃を繰り返しながらも、戦場を移動する、そして辿り着いたのは騎乗部隊と戦っていた場所だった。
「最後は同胞と同じ場所で死にたいのかしら?望み通りに、ここをあなたの墓場にしてあげる。」
「そんな軽口を叩けるのも今だけだ!」
そう言うとボス猿はなんと、近くに転がって居たゴリアスの死体を掴むと、口に運び食べ出した。
嫌な予感がした私は、その行動を阻止しようと動き出す。
だが、ボス猿はその行為を止める事は無く、砲撃で牽制しつつ、近くの仲間の死体を次々と口に運んでいた。
すると、ボス猿の身体に変化が現れ始めた。
ボス猿の肩にある砲塔は増え、背中から二本の腕が生え出し、腕や手のひらにも、砲塔の様な穴が出来始めた。
「さぁ、ここからの攻撃密度はさらに増すぞ!?お前に耐えられるかな?」
そう言うと、ボス猿に付いているありとあらゆる砲塔から空気砲が発射された。
それは先程までの、ショットガンとは比較にならない程の弾の量で、さらに弾丸ぐらいだった大きさだった物は、砲弾ぐらいの大きさになっていた。
そして、その砲弾は私に到達する前に爆発すると、中から大量の弾丸が私に向かって、さらに広範囲に展開されて襲ってくる。
それは、クラスター弾を思わせるような攻撃だった。
そして、その弾は私を通過する。
何があるか分からなかったので、戦闘の途中から幻術魔法で相対させて居たのが功を奏した。
だが、ボス猿は砲撃後に間髪入れずに上空へと飛び上がった。
ボス猿の脚力でジャンプすれば、それはかなり高い位置まで飛ぶ事が出来る。
「流石にこれだけの戦闘を見れば、お前の能力も予想が立つぞ!幻を作り出す様なそんな能力だろ?お前が今どこにいるかは知らないが、何処かには居るんだろう?ならこの攻撃を避けられるなら避けて見ろ!」
そう言うとボス猿は、先程の攻撃を地面に向かって放った。
砲弾は先程と同じ様に、途中で爆発するとその勢いで、無数の弾丸が地面へと撃ち込まれる。
その範囲は、戦場全てを覆い尽くす程に広範囲の攻撃となり、その範囲の中に私も居た。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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