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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
ジャングル編

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第60話 鱗粉

 毎日21:10より投稿します。


 もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。

 よろしくお願いします。

 マーダーマウスは、その身体の大きさから、セセリが大剣を振り回しても、上手く当てる事が難しく避けてしまう。

 これは、マーダーマウスが避けるのが上手いのもあるが、セセリの放つ攻撃が大味で、まだまだ、動く小さい的を絞れる程の技量には、到達してないからだった。

 だがそれでも、大剣を振り回せば当たる個体は居る。

 それは大剣の大きさと、セセリの力から放たれる剣速が並外れているからだ。

 このモンスター達の中では、ポイズントードの攻撃が効くメンバーが居ないので、キリングアントとマーダーマウスが本当の敵と言えるだろう。

 ポイズントードは、セセリの攻撃に勝手に切り伏せられて行く。

 時折り、毒で出来た水球を飛ばして来るが、それがセセリに効く事は無かった。

 もちろん、その攻撃が幻術であるワルキューレに効く事も無いので、ポイズントードはただの数合わせの状態になっている。

 これが私が相手だと、毒による攻撃は脅威で、少しでも毒が皮膚などに付着したら、そこから体内に侵入した毒に侵されてしまう。

 その為に、ポイズントードは本来脅威なのだが、今回は相手が悪かったと思ってもらうしか無いだろう。

 キリングアントは、その鎌でセセリの攻撃をガードしたが、その鎌ごと切り伏せられてしまった。

 それを見てからは、無理に近づこうとはせずに射程外から様子を見ている。


 なので、セセリに近づくモンスターはマーダーマウスだけだった。

 マーダーマウスは、セセリに近づいてはセセリに噛み付く。

 その攻撃力は思っていた以上だった様だ。


「んにゃぁあ!?めっちゃチクってしたのね!?」


 セセリにダメージを与えてる程だ、マーダーと名前に付くのは伊達ではなく、あの威力の噛み付きが出来るモンスターが、そこら中を走り回っている。

 とにかく数が多く、辺り一体に大量に居るだけで無く、穴からもまだまだ出て来ている。

 これだけの大量のモンスターから噛み付かれてしまえば、人間なんて一瞬で肉も残らずに食い尽くされてしまいそうだ。

 そんな大量のネズミが、セセリに纏わりついて噛み付きで攻撃を行っている。

 それをチクってするだけで済んでるのだから十分だろう。


 セセリ達は健闘をしているが、穴から出て来るマーダーマウスは倒す量よりも多い、やがてセセリはネズミが身体中に張り付かれてしまう。

 それでも、セセリは攻撃する手を緩めない、顔にまで張り付いたネズミによって、敵がどこに居るかはもう見えないだろう。

 だが、あの大剣にそんな事は関係ない、攻撃さえすれば、これだけのモンスターに埋め尽くすされて居るのだから当たる。

 モンスターが永遠に出現する訳では無い。

 それが分かっているのか、セセリも痛いと文句を言いながらも、大剣を振り回して敵を倒して行くのだ。


 アインスが持つ火の聖剣ヘバイトスにより、マーダーマウスは焼かれている。

 ヘバイトスを振るうたびに火がネズミを襲い、身体を焦がして燃え尽きてしまう。

 だが、その火がラフレシアに燃え移る事は許されない。

 その為に、アインスはラフレシアが居ないエリアでの戦いになってしまう。

 アインスは空を飛びながら、そのエリアを探すが、上手い具合にラフレシアが等間隔で存在している。

 攻撃する場所が無い事により、ヘバイトスを使えば辺り一体を焼き尽くせるのに、使えない事を勿体無く感じる。

 だが、その時ふと気付いた、キリングアントが空けた穴からは、現在マーダーマウスしか出て来て居ない。

 あの穴の中だけでも燃やし尽くせば、マーダーマウスがこれ以上増える事は無いだろう。

 だが、その穴の周りにはキリングアントがその穴を守る様に居た。

 アインスは、今度はキリングアントをターゲットにして攻撃を仕掛ける。

 キリングアントはその甲殻ゆえか、ヘバイトスに寄って燃やされる事は無かった。

 それが今は有り難かった。

 ラフレシアに燃え移る心配が無いので、ヘバイトスに火を纏わせて次々と切り伏せて行く。

 キリングアントの甲殻は燃えないとは言え、火が効かない訳では無い。

 アインスが放つ斬撃とヘバイトスに纏わりつく火に寄って、キリングアントの甲殻はスルリと斬れていく。

 だが、それでも一体一体と戦っていれば数も多いので、全滅までにはだいぶ時間が掛かってしまう。

 それでも、今はこれしか手が無いので、アインスは目の前の敵を確実に屠って行くのだった。


 フィーアは、ラフレシアを相手に攻めあぐねて居た。

 素材を回収する為には、出来るだけ傷付けずに倒したかった。

 だからこそ、風の聖弓イーリスによって作り出された、風の矢で攻撃をしているのだが、ラフレシアの放つ鱗粉がそれを防ぐ。

 鱗粉は粒子とは言え、その一つ一つが硬いらしく、当たるたびに攻撃方向が変わってラフレシアに直撃する前に落ちてしまう。

 鱗粉がどの様な効果があるかは分からない、吸い込んでしまえば麻痺を起こすかも知れないし、毒に侵されるかも知れない。

 だが、フィーアが幻術である以上は効かないのだ。

 ただ、この鱗粉が決して良いものでは無いと言う事は分かる。

 セセリは良いにしろ、私はこの鱗粉を吸いたくない。

 その為にフィーアには、私に鱗粉が飛んで来ない様に風で操作させている。

 そして、その鱗粉は相手モンスターに届く。

 モンスター達はそれを吸っているが、特に気にした様子は無く体調の変化は感じられなかった。

 自分を守る為の防御幕に使っているのだろうと思い、そのまま鱗粉を風で操作しながら弓で矢を射る。

 だが、それでも次々と出されている鱗粉に阻まれて矢はやはり届かなかった。

 フィーアにはここで焦っても仕方ないと思い、鱗粉を私に届かない様にだけ気をつけて、風の矢は他のモンスターに向かって放つ。

 ラフレシアは直接的な攻撃をせずに鱗粉だけ出しているので、今は牽制だけして後でゆっくりと倒せば良いと思ったのだ。

 

 マーダーマウスの防御力は低い、フィーアの放つ風の矢によって次々と倒されている。

 フィーアは、セセリとアインスの周りの敵を優先的に倒す為に風の矢を放った。

 それにより、マーダーマウスとキリングアントの数を減らす事に成功している。

 だが、その時だった。

 何か違和感を感じてラフレシアの近くで死んで居たマーダーマウスを見た。


 マーダーマウスの身体から花が咲き、それが急激に大きくなり、ラフレシアの小っちゃいバージョンが誕生していた。

 それが、そこら中の死体から同じ様な現象が起きてしまっている。

 せっかくマーダーマウスを倒しても、また新しいモンスターがそこから生まれて来るなんて夢みたいだった。

 考えられるのは先程の鱗粉だ、鱗粉はモンスターが生きている間に体内に入り込み、その体内を苗床にしてしまい、自分の子供とも言えるモンスターを誕生させている。

 この鱗粉はきっと死体だろうが関係無いだろう。

 ただ、体内から生え出しているのを見る限りは、生きている内に入った方が成長は早そうだった。

 そして、これは例え人間が鱗粉を吸っても同じ事が起きそうだ。

 ラフレシアがこんな方法で誕生して居たなんて、ギルドの情報でも無かった。

 フィーアには即座に風で鱗粉を操作してもらう、これで問題は無いだろう。


 ラフレシアはその鱗粉で死体となった生物を苗床として、栄養を吸収して新たなラフレシアを生み出す。

 ラフレシアが恐ろしいのはこれだけでは無い、ラフレシアは穴を通って来たので分かる通り、歩いて移動する事が出来る。

 そして、その歩く方法は花の下にある根を手足の様に動かして歩く。

 その根は、歩くだけでは無く敵を攻撃する為にも使われる。

 その攻撃は鞭を振るうかの様にして行われて、敵を捕まえる事も出来る。

 もし捕まったら最後、咲いた花の中心にある口に噛み砕かれて、胃の中に入ってしまうだろう。

 そして、その鞭の様に使う根は見ただけでは何本あるかは分からない。

 沢山の根が、右往左往して攻撃を仕掛けて来るのだ。

 そんな攻撃をミニラフレシアも行っている。

 その光景は恐ろしい物になってしまった。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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