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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
ジャングル編

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第59話 蟻女

 毎日21:10より投稿します。


 もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。

 よろしくお願いします。

 クイーンキリングアントは、ゼックスから放たれた攻撃をそのまま受ける事になる。

 だが、クイーンキリングアントはその攻撃を全く意に介いす事は無く、目の前のドライへと意識を集中している。

 クイーンキリングアントがゼックスから受けた攻撃を意に介さなかったのは、その特性ゆえだろう。

 放たれた攻撃は、クイーンキリングアントの身体に直撃する前に消滅してしまったのだ。

 あの感じからすると、魔法無効化の様な能力を持っているのでは無いかと思う。

 そしてこの…、渾名を他に付けたので、こいつにも付けてあげよう。

 渾名を蟻女とし、こいつの甲殻はだいぶ硬そうな気がしている。

 まぁ、これは私の勘でしかないのだが、それもあって土の聖槌デメテルを持つドライに対処させているのだ。

 槌での攻撃なら、あの硬そうな甲殻にも攻撃は通るだろうと思ったのだ。

 そして、その考えは正しいと思う、甲殻が硬いかはまだ分からないが、魔法攻撃が効かないのであれば、火の聖剣や風の聖弓、音の魔笛では、通用しない可能性が高い。

 土の聖槌デメテルであれば、物理的なダメージを与えられる土を操作しての攻撃と、武器その物の攻撃力で蟻女にダメージを与えられそうだ。


 蟻女は、その羽根で空を飛ぶと上空からドライに向かって酸を吐き出した。

 ドライは当然避けるが、地面が煙を出しながら溶け出している。

 あの酸に人間が当たれば、溶け出してしまうだろう。

 だが、ドライにそれが当たる事は無い。

 未だに、ワルキューレが幻術で出来ているのがバレていないので、当たっても問題は無いが、その幻術がバレると、どこに攻撃が向くか分からない。

 その為にドライも酸を避ける必要があるが、蟻女が飛べる様にドライも空を飛ぶ事が出来る。

 蟻女が再び酸を放つと同時に空を飛び、上空からデメテルを蟻女の頭に目掛けて振り下ろす。

 ドライが放った一撃は蟻女の頭に直撃した。

 だが、蟻女の甲殻はとても硬そうだったのだが、ドライの放った一撃で、それは誤りだったと教えて貰えた。

 ドライの一撃は蟻女に当たると、蟻女の頭は簡単に凹んでしまったのだが、その凹みは浅かった。

 そして蟻女の首は縮み、体も縮み、脚までも縮んだ。

 それはバネを思わせる様に行われて、ドライの一撃を全て吸収してしまう。

 その吸収された力は足元まで伝わると、それが反発する様にして、縮んでしまった身体全体が伸び出し、今度は槌を弾き飛ばしながらも、ドライ目掛けて凄まじいスピードで突撃する。

 蟻女もキリングアントの様な鎌を持っている。

 その鎌を持って、ドライに通り過ぎ様に切り裂く。

 ドライはその攻撃を受けて、本来なら致命傷だろう。

 だが、その攻撃は幻術に当たる訳も無く、手応えの無いまま蟻女は、直角に空へと飛んで行ってしまう。

 幻術で騙すなら攻撃を受けた際に、手応えと共に血飛沫を出して騙して居たのだが、今回は見て居ても対応が出来ないぐらいの、スピードでの攻撃だった為に、幻術での対応は間に合わなかった。

 だが、蟻女の知能はそこまで高く無かった様だ、攻撃に手応えが無かったので、当たらなかったのだろうと、一時は首を傾げていたが直ぐに仕切り直して、また酸を吐く攻撃へとシフトする。

 先程みたいに攻撃後の反撃を考えると、下手に攻撃しては幻術がバレてしまうので、反撃は出来ない。

 そのまま蟻女の攻撃を避けて、このまま戦いは進展も無いまま進んで行く。


 私はワルキューレと自分の分身を出して、三ボスの相手をしている。

 とりあえず今直ぐ倒すのは諦めて、敵が私達に向ける余裕を無くす為に分身に相手させているのだ。

 そして本物の私とセセリ、残りのワルキューレ達は、現在穴から出て来たモンスター達の相手をしている。

 正直、余裕そうにボス猿と会話をしていたが、実際はそんな余裕は無かった。

 一対一の戦いならもっと集中して幻術を使えるのだが、今回の敵の数は自分の許容範囲を超えている。

 実際に敵を相手に幻術魔法を使う為には、とてつもなく集中力が必要で、その集中力は敵の数が多ければ多い程に必要になる。

 その為に敵の数を減らす必要があり、穴から出て来たモンスターに重点を当てて討伐をしている。

 と言っても、私は三ボス相手にも幻術魔法で牽制をして居るので、倒すのはセセリとワルキューレ達にほとんど任せてしまっている状況だ。

 

 敵はそれ以外にも居る、ジャングルタイガーとゴリアスによる騎乗部隊だ。

 この部隊を相手するのは正直めんどくさいし、先程戦ったのだから、そのしつこいおかわりには、胃もたれしそうだ。

 それでも、無視する訳にはいかない存在である事に変わりは無い。

 その為に私は、この部隊にズィーベンを当てた。

 ズィーベンが持つ音の魔笛ベレトを使えば、その音は敵の騎乗部隊まで届く、広範囲でマッハのスピードを持つ音を避ける事など不可能と言えるだろう。

 だが、その攻撃が届いても騎乗部隊にダメージを与える事が出来ない。

 魔笛ベレトの攻撃を広範囲にしてしまったからだ。

 もし、ダメージを与えたいのなら範囲を萎めて、音のエネルギーを一体相手にぶつけて、初めてダメージを与える事が出来るのだ。


 だが、今回は広範囲に攻撃をして、敵を止めなければならない。

 一体一体相手をしている暇は無い、その為にこの攻撃には私も参加している。

 私が攻撃に参加すれば、より深い演奏を行える。

 私はここが正念場だと思い、焼き切れそうな脳の神経を全力で稼働させて幻術魔法を駆使する。

 そしてこの戦場にオーケストラを作る。


 さぁコンサートの開始だ、多種多様な楽器が演奏を始める、弦楽器が、木管楽器が、金管楽器が打楽器がそれぞれが旋律を奏で、それが一つに纏まり巨大な音となり騎乗部隊を襲う。

 騎乗部隊は、初めて感じる音楽と言う文化にカルチャーショックを受けている。

 圧倒的な音の暴力が、自分達の感情がどこに存在しているのか分からなくなり混乱する。

 音と感情が溶け合う様にして一つとなり、それが高揚感と共にやがて足を止めて、空に向かって吠え出した。

 

 ズィーベンはその中で、魔笛ベレトをコンサートの音に混じらせて奏でる。

 ベレトから奏でられた音は広範囲に広がり、音に酔いしれ無防備となった騎乗部隊を襲う。

 騎乗部隊の脳は音により揺さぶられ、目や鼻から血が流れ落ちる。

 だが騎乗部隊はそれに気づく事は無かった、音楽に身を任せて高揚感の中、ゆっくりと死へと近づいて行く、自分達が攻撃を受けている事を忘れるぐらいに狂ってしまったのだった。


 騎乗部隊は、私とズィーベンによりこのまま行けば全滅させる事が出来るだろう。

 残りは穴から出て来たモンスター達の相手だ。

 現在三ボスは私の幻とドライ、ゼックスにより戦闘中だ。

 これは倒すのが目的では無く時間稼ぎをする為にしている事だ。

 その為に、その時間稼ぎ中に他のモンスターを倒す必要がある。


 穴から出没したのはキリングアント、ポイズントードと、マーダーマウス、そしてラフレシアだ。

 そこに、セセリ、アインス、フィーアが挑む。

 キリングアントやポイズントードとマーダーマウスはセセリ、アインスが戦い。

 ラフレシアはフィーアに相手してもらう、フィーアの武器は広範囲に攻撃出来るので、ラフレシアに固定するのは勿体無いのだが、セセリとアインスがラフレシアを攻撃すれば、素材が回収出来ない恐れがあったので、やむを得ず消去法でフィーアに相手してもらう形になった。

 

 セセリはその大剣で敵を薙ぎ払って行く、この戦闘が始まってから、扱い方がどんどん上手くなっている気がする。

 元々力があるので大剣に振り回される事なく、しっかりと地に足を付けて攻撃をすれば、あの巨大な大剣を振り回すだけで、必殺の一撃になってしまう。


 マーダーマウスは、モンスターの中では小さい部類に入る。

 前世で見たネズミよりは大きいが、ウサギぐらいの大きさだろうか?前世でウサギ程の大きさのネズミが現れたら発狂物だが、モンスターと考えたら小さく感じるのだから不思議だ。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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