第58話 ボス猿とビリ虎
毎日21:10より投稿します。
もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。
よろしくお願いします。
今、私達は相当なモンスターに囲まれている。
キリングアントが作った穴から出て来た、ポイズントードにマーダーマウス、そして今回の目的モンスターであるラフレシア。
そのモンスター達が、私達の後方から今も穴の中から続々と登場している。
前方からも、ジャングルタイガーとゴリアスの部隊が追加で登場し、今度は騎乗状態の部隊だけが追加で来たようだ。
ここまで攻め込まれている以上は、数の少ない私達を壁から狙えば、仲間達を巻き込む可能性が高いので騎乗部隊だけで来たのだろうが、ボスが登場したのだからこれが最後の部隊だと思う。
そして今、私はそのボスモンスター相手に向かっている。
前方には、それぞれの群れのボスモンスターと言える様な存在である…?。
「あっそうだ!その横に居るモンスターの名前って何?」
私は足を止めてキャプテンゴリアスに尋ねた。
「こんな状況で、足を止めてまで聞く事なのか?まぁ良い、ジャングルタイガーのボスがライトニングタイガーで、キリングアントのボスがクイーンキリングアントだ!」
聞いたら教えてくれたが、クイーンは良いとしてもライトニングは名前からでも特性がヒントになるのだが、良いのだろうか?まぁ、聞いたことを教えてくれるのはありがたいので突っ込まないけど。
「教えてくれてありがとうね!物語に登場人物の名前がわからないと盛り上がらないでしょ?さぁ開幕よ!」
そう言って私は、再度キャプテンゴリアスに向かって走って行く。
キャプテンゴリアスは、律儀に私に応えてくれるらしく、私との一騎打ちを開始してくれた。
これだけモンスターが居るのだから、一騎打ちなんて律儀に応えなくても、踏ん反り返って指示だけ出してれば良いと思うのだが、そこは群れのボスとしての威厳もあるのかもしれない。
それならもう名前はボス猿で良いだろう。
私が近づくと、ボス猿はその大きな体格から掲げていた両手を、思いっきり力を込めて地面へと叩き込んだ。
私はその攻撃を寸前で避けてはいたのだが、ボス猿が放った一撃は大地を揺らし、周囲の地面が隆起し始めた。
そのおかげで、私が立っている地面まで揺れてしまいバランスを崩してしまった。
そして、そんな私のスキを逃す訳も無く、ボス猿はゴリアスと同じ様に、肩口から私に向かって砲撃を行う。
いや、これはもう砲撃と呼んで良い物では無いだろう。
ボス猿から繰り出された攻撃は、まるで機関銃の様な連射型の攻撃だった。
空気による弾により、不可視の攻撃となったそれは、私の居た場所を蜂の巣にしている。
地面に空いた穴を見る限りは、一発、一発の威力も相当な物だと思われる。
だが、流石のボス猿も機関銃の様な攻撃は衝撃が凄いらしく、方向切り替えはスムーズにいかない様だった。
その為に、私は上下左右に攻撃を避けて避けて避けまくっている。
「おい!攻撃を避けているだけで良いのか?そっちからも、かかって来たらどうだ!」
ボス猿が私を挑発して来たが、私はそれを無視する。
あんな攻撃に真っ向から挑んでも蜂の巣になるのがオチだろう、ここは様子を見ながら、避ける事に専念する事にしたのだ。
だが、ボス猿はそれを許してはくれなかった。
私に機関銃タイプでの攻撃が有効では無いと分かると発射方法を変えて、今度はショットガンの様な攻撃をして来た。
機関銃タイプでの攻撃は、常に発射し続けていた為に、衝撃も常に受けていたので、私を捕える事が難しかったのだが、今度のショットガンタイプでの攻撃は、衝撃こそ凄い物の単発でのショットで、広範囲を攻撃出来る為に、私を捕えやすくなり、照準も機関銃タイプより安定して撃つことが出来る。
また、広範囲の攻撃は私の全身に直撃する事が可能なので、殺傷能力も高い。
はっきり言って、今の形状でこれ以上避けるのは無理があると思ったので、私は背中から翼を生やして空を飛んだ。
「お前は何者だ!?なぜ人間が空を飛べる!?」
「あら?最近のニンゲンは空だって飛べるのよ?人間も進化してるの。」
私はボス猿に軽口を叩き、見破られない様にした。
「そんな馬鹿な!?空を飛べる様になっただと、そんな話しは聞いた事が無い!だが、私達がジャングルで競い合っている内に進化したと言うのか、進化するのは私達モンスターの特権では無いのか!!」
そう言ってボス猿は怒り出した。
それは自身の知性ゆえに、人間が脅威だと認識していた所に、翼が生えて空も飛べる様になってしまったと言う理不尽さに、自分達が生き残る為に何をすれば良いのか?人間という脅威にどう立ち向かえば良いのか?それは、群れのリーダーだからこそ考えて行動しないといけないのだろう。
群れの命を握っているのは、自分なのだからそんな、どうしようもない焦燥感からボス猿は怒るしか無かったのだ。
だが、考えても仕方ないのだから、今は目の前に集中して、怒りをコントロールしてジャンヌに挑むのだった。
ライトニングタイガーの相手は、ゼックスがしている。
ワルキューレ達も壁の上のゴリアスを退治したので、今は私達の所に戻って戦闘に参加しているのだ。
ゼックスをライトニングタイガーに当てたのは、ゼックスが雷の魔双剣プルソンを持っているからだ。
ライトニングタイガーと言う名前から、相手は雷系の攻撃をして来る事は想像でき、その攻撃が広範囲に放たれる可能性は高いと思っている。
その為に、同じ属性を当て、広範囲攻撃を防ぐ事が出来るだろうと思っての事だ。
その予想通りにライトニングタイガーは、雷をその長い牙に集めて咆哮と共に、雷の波動の様なものを口から吐き出した。
その攻撃は直線の軌道を描き、ゼックスに向かって行く。
差し詰め電光線と呼ぶべきものは、ゼックスの持つ魔双剣プルソンにより防がれた。
プルソンは、その雷の波動を収束して吸収してしまう。
そして、プルソンが吸収しきれなかった電気が、剣の回りをバチバチと音を立てながら、その力の方向を探している様だった。
ゼックスは、その方向をライトニングタイガーに向けて解き放った。
その解き放った一撃は、ライトニングタイガーに直撃するも、ライトニングタイガーはその攻撃を自身に纏わせてしまう。
纏わせた状態のライトニングタイガーから、電気が目に見える様に身体に電気が走っている。
あの電気に触れたら相当ビリビリとしてしまうだろう。
その瞬間に私は、ビリ虎と渾名を付けて、戦いを見守っている。
ビリ虎は、その電気を纏わせたままにゼックスに攻撃を仕掛ける。
体当たりの様にして攻撃をして来るが、その纏わせた電気により、身体に触れるよりも前に感電してしまいそうだ。
試しにゼックスによって、ビリ虎を誘導してセセリの横を通り過ぎさせた。
「んわぁ!?今痺れたのね?」
「どう?痛かった?」
「んー?痺れたけど痛くは無かったのね。」
セセリを痺れさせたと考えると、人間が当たれば相当な痛みと共に感電してしまうのだろう。
セセリに当てさせても、その攻撃の凄さがいまいち分からないのだが、あの感じは人間が受けてはいけないダメージだと予想した。
そして直接、身体が接触してなくての攻撃だ。
直接、あの状態のビリ虎に体当たりを喰らえばどうなるのか分からない。
調べる為にもう一度、セセリに直接当てる様、誘導させるべきだろうか?いや、掠ってもダメなのだから、絶対に当たってはダメだと思って行動するべきだろう。
ゼックスは、ビリ虎の攻撃を避けに避ける。
空を飛んでるゼックスに、体当たりしようと言うのが難しいのだ。
やがて、身体に纏っていた電気は放電してしまったのか、元の状態に戻ってしまった。
ビリ虎はその為に再度、電光線を放って来た。
それをまた同じ様に、プルソンでその攻撃を防いだ。
今度はその力の方向を、ビリ虎に向ける様な事はしない。
相手を強化する意味は無いのだから当然だろう、ゼックスはその電光線の方向を、クイーンキリングアントに向かって解き放ったのだった。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。




