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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
ジャングル編

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第45話 甘い木の実

 毎日21:10より投稿します。


 もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。

 よろしくお願いします。

 ゼックスは雷の魔双剣プルソンを持って、ジャングルタイガーと対峙する。

 プルソンはショートソード程の長さで、60センチ程だろうか、その剣には雷が見えるぐらいに纏わりつき、バチバチと音を出している。

 そんな剣を両手に持って構えて居る為に、ジャングルタイガーも簡単には近づく事が出来ない。

 剣の長さは短いとは言え、その分、軽い為に剣速は速くなり、その剣から迸る雷に触れれば感電してしまい、身体の動きが痛みと麻痺で阻害されてしまうのは予想出来る。

 その為に、ジャングルタイガーはゼックスの動きを伺う、ゼックスはそれを知っても関係無いと言わんばかりに、ジャングルタイガーに向かって走り出す。

 ゼックスはジャングルタイガーに向かって、まずは右手を振りかぶって斬りかかる。

 ジャングルタイガーはそれを上半身を下げるだけで避けて見せるが、続いて繰り出すゼックスの左手での攻撃に後方へと避ける。

 だが、ゼックスの攻撃は止まらない、ジャングルタイガーが何度避けようとも、怒涛の攻撃が繰り出される。

 剣が短いが為に、かろうじて避ける事は出来ているが、その攻撃スピードが早過ぎる為に、ジャングルタイガーは攻撃に繰り出す事は出来ずに、防戦一方になってしまう。

 そしてワルキューレであるゼックスには疲れなどは無い、ジャングルタイガーが疲れるまで、避ける事が出来なくなるまで、ひたすらに攻撃を繰り返すだけだ、やがてジャングルタイガーが避け切る事が出来なくなると、プルソンがジャングルタイガーの身体を掠ってしまう。

 掠った瞬間にジャングルタイガーの身体を、全身に電流が走り痺れて動けなくなってしまう。

 だが、それを見ても関係無くゼックスは攻撃を繰り返す、電流に寄って身体が反応して動いているのか、ジャングルタイガーが痛みにより悶えてしまい身体が動いているのか、ゼックスの攻撃が当たるたびに、ジャングルタイガーの身体はそれに反応して動いている。

 そして、斬り続けられたジャングルタイガーはやがて、身体の神経全てが焼け切れてしまった為か、ピクリとも動かなくなってしまい死んでしまった。

 ゼックスはそれを見てようやく攻撃を止めるのだった。

 

 ズィーベンは音の魔笛ベレトを口に付け吹き込む。

 ベレトから流れた音は、ジャングルタイガーに物凄いスピードで向かって行く。

 ベレトの攻撃は音速で届き、しかもそれが広範囲に放たれる、ジャングルタイガーはそれを避ける事は困難であるはずだった。

 だが、ジャングルタイガーが取った選択は避ける事では無かった、ジャングルタイガーはその場で前足に力を入れると、大きな口を開ける。


「があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 ジャングルタイガーはその場で咆哮を上げ、ベレトの音を音で掻き消してしまった。

 そして、ズィーベンとの距離を一瞬で埋める程のスピードで跳躍し、空中で勢いのままに両手を振り上げて、ズィーベンに襲い掛かった。

 だがズィーベンの持つ魔笛ベレトは、ただの楽器では無い、1メートル程の長さのある笛で、笛であるが為に、空気を通す穴も空いている。

 見た目からしても脆そうではあるのだが、武器である以上はその硬度も硬く、打撃武器としても十分な効果を発揮する。

 そして、ズィーベンはジャングルタイガーの攻撃を捌く為に、ベレトを振るう、何度も何度もジャングルタイガーの攻撃を、ベレトを振りいなしている。

 そして、ジャングルタイガーは徐々にその攻撃は精彩さが欠けてしまい、やがてその場で動きを止めてしまった。

 ズィーベンがベレトを吹き鳴らせば、ジャングルタイガーの脳は破壊されて、そのまま息を引き取ってしまう。

 ズィーベンの持つベレトは、振るうだけでも音はなる、攻撃を繰り返していたジャングルタイガーには、その音を防ぐ手段は無く、敢えなくやられてしまったのだ。


 ワルキューレ5体による戦闘は、ジャングルタイガー達を圧倒する形で終わらせる事が出来た。

 このジャングルでは、この虎以外にも沢山の種類のモンスターが生息しているらしい。

 今の戦闘で、他のモンスターも寄ってくるかもしれないので、その場を後にして、ジャングルの奥へと向かう。

 今回の目的であるラフレシアは、ジャングルの奥地に生息していると言う話なので、まだまだ先は長いだろう。

 夜になれば夜行性のモンスターも活動し始める為に、まずは拠点となる場所を探す事にした。


 しばらく歩いていると大量の雨が降り始めた、木々のおかげで土砂降りに晒される事は無いのだが、大きな葉っぱに溜まった水が時折り、重力に負けて落ちて来る為に、上への警戒も怠ってはいられなかった。

 足元の土も水に濡れてしまって、ぬかるんでいるので歩きづらくなってしまい、疲労も溜まって行く一方だった。

 探索に嫌気がさしてきた所で、目の前には一際大きな樹木が立ち塞がった。

 このジャングルの木は大きいのだが、それでもこの木の大きさを見たら小さく感じてしまう事だろう。

 高さがどれほどあるのかは見えないが、幹の太さだけでも50メートル程はある、これ程大きな木なら倒れる心配もないだろうと、セセリに命令して幹に穴を掘ってもらう。

 人が住むには十分過ぎる程の穴を掘ってもらった所で、ここを拠点にする為に動く。

 ドライに土を操作してもらい、簡易的な椅子と机を用意してもらい、窯も作ってもらう。

 今回は、ノインが居ないので調理は全て私が行わなければならない、オーク肉をセセリの蔵から出してもらい焼いて食べる事にする。

 今日は疲れたので簡単に済ませるつもりだ、そしてこのジャングルに入ってから、大量の目を飛ばして見つけていた木の実をセセリの蔵から出してもらう。


 幻術魔法の目を通しても暗いジャングルの中を探索するのは困難だったので、それならいっそ上空からと探して見たところ、木の実を発見する事が出来たのだ。

 それをセセリに飛んで行ってもらい、取ってもらったのを今、取り出して貰ったのだが、思ったよりも大きな木の実でビックリしている。

 形としてはラグビーボールの様な楕円形で、縦に長くなっている。

 長い部分は私が余裕で入るぐらいには大きく、2メートルぐらいはありそうだ。

 その木の実の先端を切り、中を見てみると甘い香りのする液体が大量に入っていた。

 それをセセリに毒味させる。


「めちゃくちゃ甘くて美味しいのね!ご主人様も飲んでも大丈夫そうなのね!」


 そう言うので、私も飲んでみる事にした、一応こう言った果実があるとは聞いていたので、セセリに飲ませたのは最終確認みたいな物だ。

 私はコップを取り出して、木の実の中の液体を掬って飲んでみた。

 飲む前からも感じていたが、濃厚な甘い匂いとトロトロとした液体で、濃厚なミルクに砂糖をたっぷりと入れた様な味わいだった。

 この木の実いっぱいにこれがあると思うと、流石に飲み干す事などは出来ないが、セセリなら難なく飲めきれそうなので、私は自分の分だけを確保してあとはセセリにあげる事にした。

 セセリはこの液体がかなり気に入ったらしく、大はしゃぎで喜んでいた。

 そう言えば甘味は街では見た事が無かったので、あまり甘い物がこの世界には流通していないのだろう、セセリもあまり甘い物を食べる機会が無かったのかもしれない、私も甘味を食べるのは久々ではあったので、結構嬉しい。

 そして、それ程喜んでくれるのなら何個か見つけてセセリに取って貰い、持って帰るのが良いだろうと思った。


 そう考えているのは一瞬だったはずなのだが、木の実の中にはもう液体は入っていなかった。

 セセリが一瞬で飲み干してしまった様だった。

 名残り惜しそうに木の実の中を覗いている。

 これからまだオークの肉も食べるのだが、あれだけ甘い物を飲んで、胃もたれとか大丈夫だろうか?まぁ、ドラゴンならそんなものとは無縁ではありそうだが、甘い物を食べた後はしょっぱい物を食べたくなる、オーク肉は塩胡椒で焼いて食べるとしよう。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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