第42話 メスゴブリンの姿
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「そんなに美味い物が本当に食べられるのね?」
「えぇ食べられるわよ、でも今の形じゃあ無理、人間の街に行くなら人間の形にしなきゃ、見た目は私がいくらでも変えられるけど、形が違えばどうしても違和感は出るわ。」
「でも、形を変えたら僕は自分を保てなくなるんだな。」
「だから、あなたの限界をあなたが決めないで、姿形なんてあなたが勝手に決めた物よ、あなたがあなたを確立出来るならきっと出来るわ、そうね、急に全身をやろうとしても難しいから手からやって見なさい。」
「本当に出来るのね?手、手だけなら確かに変えても直ぐに戻せるかもしれないのね、練習してみるのね。」
「うん、あなたが頑張るなら私も応援するわ、じゃあちょうど良い練習方法があるわ、あなたは、とにかく力の使い方やコントロールが雑なのよね、戦闘経験、これは同格の相手とのね、そう言った経験が少ないから私相手にも負ける事になったのよ。」
「ご主人様に負けたのはご主人様だからなのね、でも練習方法があるなら知りたいのね!」
「そうね、ご飯を食べ終わってゆっくりしたら教えるから、今はそれをしっかりと噛んで食べなさい。」
そう言って、私はセセリを特訓する方向へと導いたのだった。
ご飯も食べ、後片付けも終わったので、次は都合の良い場所を探したら、そこがセセリの修行場所になる。
山岳地帯は岩の様な地質で、土も硬い、木などもほとんど生えてない。
草などは硬い土のヒビ割れから顔を覗かせる様に生えているが、その程度だ。
そして目の前には壁の様に立ち塞がる山がある。
セセリにはそこに洞窟の様な穴を掘って貰うつもりなのだ。
「今からこの場所に穴を掘りなさい、人が過ごせる様な部屋を何個か用意して貰えば良いわ。」
「そんなもの作ってどうするのね?もしかしてここに住むのね?」
「私達が住む訳じゃないわ、ちょっとした実験施設として使いたいだけよ。」
「実験施設?ご主人様に言われたら作ってみるのね、でもそんなたいそうな物、僕には作れないのね。」
「良いのよ、そんなたいそうな物じゃなくて、まぁあなたの修行の為にやるのだから、練習だと思って頑張りなさい。そうね、手の形はこれが良いわね。」
そう言って私は、目の前にスコップの幻を出してみせた。
「うーん出来るかなぁ?うん、出来たのね、これで穴を掘って行けば良いのね?」
「ほらやってみれば出来るでしょ?あなたは強過ぎたから自分の可能性を狭めてただけよ、それでしばらくは力のコントロールを学びなさい。」
「うん分かったのね!ご主人様はこれからどうするのね?」
「私はそこに住む奴を捕まえてくるわ。」
そうして私はセセリにこの場を任せて、ゴブリンを探しに出掛けた。
ゴブリンが出現するエリアに行き、ゴブリンたちを吟味する。
今、私が探しているのはメスゴブリンなのだが、違いがあまり分からない。
一応、ゴブリンも腰に布を巻いているので見た目で判断する所が分からない、その布を捲れば判断出来そうだが、なんだか痴漢をする様な気持ちになって嫌だった。
そう考えた時に、ふと気づいた、今まで見たゴブリンは腰に布だけを巻いているが、メスゴブリンなら胸にも布を巻いているかも知れないと考えたのだ。
ただ、そう言った羞恥心みたいな物を持ってるかは疑問ではある。
もし無いなら胸の膨らみがある事を祈ろう。
人間も狩りは男がやり、女は家を守って居たのでもしかしたら人型のゴブリンも、女は巣穴に居るかもと思って巣穴を探す事にした。
過去に行った巣穴では、メスゴブリンの存在を見る事は無かった。
他種族と交配出来る為に、オスの方が圧倒的に多く産まれると言うのは聞いた事がある、その為に、メスゴブリンが居ない様な群れも、あったりするそうだ。
それでも一応は産まれて来るようなので、探せば何処かには居るはずだ。
メスゴブリン探しの為に、巣穴探しを続けていると、オークの死体を運んでいるゴブリン達を見つけた。
恐らくこいつらは、このまま巣穴に持って帰るつもりだろうと思い、つけて行く事にした。
ゴブリン達は思ってた通りに巣穴まで案内をしてくれた、私はそのまま姿を消して巣穴の中に侵入する。
巣穴の奥の方に行くと、メスゴブリンの姿を確認する事が出来た。
メスゴブリンと判断出来たのは胸が膨らんでいたからと言うのと、メスゴブリンの方が健康的な身体をしていたからだ。
羞恥心はやはり無かったらしい。
メスゴブリンは二体居て、現在料理をしていた。
先程、持って来ていたオークの死体も、解体してさっそく調理している。
オスゴブリン達は、メスゴブリンにオークを手渡した後は、そのまま何処かに行ってしまったので私は早速、ワルキューレのゼックスが持つ、雷の魔双剣プルソンを使い、メスゴブリンを気絶させた。
そして万が一の為に手足の腱も切り、メスゴブリンの姿を幻術で隠して連れて帰った。
セセリの元に着くと、予定していたよりも穴を掘り進めていたらしく、だいぶ、大きな穴が出来上がっていたので中に入る。
中ではワルキューレのアハトが、光の魔大剣パイモンを使って、洞穴を照らしてくれている。
奥に行くと、セセリがちょうど疲れた顔をして休んでいる所だった。
流石のドラゴンでも急ピッチでの穴掘りは大変だったらしい。
「どう?修行は順調だったかしら?」
「僕はもう疲れたのね、でも手は自由に変化出来る様になったのね、これもご主人様のおかげなのね。」
そう言って、手をスコップから剣に盾と自由に変化させている。
だいぶコツを掴んでいる様なので、これなら身体全体の変化もその内、出来る様になるだろう。
「良いのよ、頑張ったのはあなたなんだから、私は何もしてないわ。」
「違うのね、たぶんご主人様のしもべになった時に、僕はご主人様の力を引き継いでいるのね、だからこんな簡単に出来る様になったのね、前までの僕なら出来なかったのね。」
「私の力?私にそんな大層な力ないわよ?」
私がドラゴンに力を与える様な、能力なんて物は無い。
「ご主人様の思考や性格に引っ張られて、イマジネーション力が上がってるのね。」
「あぁそう言う、それなら確かに私の力とも言えるわね。」
でもそれって、セセリに私の技術まで吸収させてしまっていると言う事か、セセリが味方のままで助かった、今、戦ったらもう勝てる気がしない。
「裏切らないでね?」
「裏切るなんて、とんでもないのね!あの時のご主人様と違って、ワルキューレ達に武器も与えられたら、僕じゃあもう太刀打ち出来ないのね。」
そんな事はないだろう、広範囲の攻撃を喰らったら即死してしまう。
「まぁそうだと良いわね、これからも負けない様にお互い努力しましょう?あなたがいた方が、危機感出て緊張感を持って過ごせるわ。」
「うー、僕はもうご主人様と戦うのはごめんなのね。」
セセリにはだいぶトラウマを作ってしまったらしく、私に対して苦手意識が強いらしい。
だが、セセリには私が、セセリとまともに戦えるぐらい強くなったら、練習相手になって貰うつもりだ。
今のままだとセセリ相手では、事故で死ぬ可能性が高いのでやらないが。
セセリの作った洞窟には、奥に広間を作ってもらっている。
そこに連れて来たゴブリンを置く、ゴブリンの手足の腱を切っているので、身動きなどは出来ないが死んでもらっても困るので、餌の用意とまた清潔さを維持したりする必要がある。
餌はオークは勿体無いので、コボルトでも用意するとして、部屋の清潔さを保つには水洗いかな?そうすると排水溝が必要だろう。
セセリに小さくなってもらい、排水溝を作って貰う様に指示を出して私は、コボルトを狩りに行く事にした。
コボルトを、今回狩るのに役立って貰うのはワルキューレのズィーベンだ。
ズィーベンには、音の魔笛ベレトを使って敵を倒して貰う。
ベレトは魔笛と名付けた通りに笛の形をしていて、音を出して攻撃をする。
ベレトから出す音は、音波となり相手の脳に侵入をして脳を破壊してしまう。
脳を破壊されたコボルトは、目から耳から鼻から血が吹き出してしまい、ピクリとも動かない。
初見でこの攻撃を受けたら、余程回避するのは難しいだろう。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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