第41話 プログラムは地道に
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「僕たちは一体全体、何を見せられていたんだな?」
「あのパーティーはいつもあんな感じよ、それでも人間の中では上位ランクだし、油断出来ない魔法もあるわ、まぁあなたが負ける訳は無いし、今のところ敵対する気も無いからね、単純にあのコントを楽しめば良いのよ。」
「人間は不思議なんだな、仲間を殺そうとするなんて狂気的なんだな、しかもそれを楽しめと言うご主人様も凄いんだな。」
「まぁ、過激なギャグが嫌いな人も居るけど、私は嫌いじゃないわ、むしろ好きよ。さぁ山岳地帯に着いたわね。」
北の森からセセリの背中に乗り、山岳地帯までモニターでブリアンの状況を見ながら移動をしていた。
前世なら、ながら運転にもなるかもしれないがここは、異世界なのだ、そんな法律が無いし、これだけの見通しの良さで事故もそうそう起きないし、それにセセリがそこはちゃんと避けてくれるだろう。
自動運転さまさまである。
今日、山岳地帯に来た第一目的はまずは、オーク討伐を行う事だ、セセリのお陰でオークを討伐しても蔵に仕舞えるので、荷物を考えなくて良いので楽だ。
私はワルキューレを化現させて討伐を行わせている。
現在ワルキューレは九体居る。
今までは、私を含めて九体のワルキューレだったが、化現させる数を一体増やした。
理由としては意思を持つ武器が九個あったからで、私は普通の武器を装備出来るので、意思を持つ武器は、幻術で作り出したワルキューレに装備させた方が効率が良いと思ったからだ。
そして、ワルキューレで討伐をしているのにも理由がある。
私はワルキューレを化現させると、どうしてもその操作に意識が持っていかれて自分の意識が散漫としてしまい、動きに精彩さを欠いてしまう。
その為に、私が操作してなくてもワルキューレ達を動かせる様にしようと思ったのだ。
幻術魔法で自動で行動しろなんて命令は出来ない、出来るのは条件付きの命令を下す事だ。
例えば、オークを認知し、倒すべき敵だと判断する、そして武器を操作して攻撃をする。
認知、判断、操作の順にあらかじめ決めて置いた条件に沿って動かせる事が可能なのだ。
だが、その認知、判断、操作には途方も無い命令が必要で、先ほどは、簡単に説明したが、オークを認知する為に、顔や身体などの情報が必要で、どこで、敵だと判断するのかに対しても武器を構えているからとか、攻撃仕掛けて来ているなど相手の状況を判断して、それぞれの状況によって、攻撃方法も違えば、避けたり、防いだりと、判断により操作も変わってくる。
要は、大量のプログラムを組む必要があり、その為には大量の実戦経験が必要でもあった。
前世では、天才プログラマー役としての経験もあったので、それも役に立っている。
あの時は役のリアリティーを出す為に、プログラムを一から覚えて私なりの解釈で、ハッカーレベルまで出来る様には成長していた。
その分野で世に出るつもりは無かったので、論文だけ匿名で書いて提出した事もあったが、それがある分野で欠かせない技術となり、web領域では、世界中でその技術が使われる事となった。
まぁ私が作ったのは初期も初期で、その後に発展させたのは間違いなく私以外の誰かではある。
そう言った前世での知識、経験、技術を使い、今はワルキューレ達に山岳地帯のオーク共を見つけては、討伐を繰り返している状況だった。
正直めちゃくちゃ面倒くさいのだが、これを繰り返していけばいく程、後が楽になるはずだし、ワルキューレも動きが最適化して、強くなっていくのだからやらない手はないだろう。
オーク討伐も順調に終わり、倒したオークはセセリに仕舞ってもらう、ワルキューレ達にも武器での攻撃が可能になった為に、しっかりと傷跡が残る様になった。
今までみたいに幻術で攻撃をすると、どうしても傷跡も無い綺麗な不自然な死体が出来上がっていたので、そのまま回収出来るのは助かる。
オークは解体はせずにそのままギルドに引き取ってもらうつもりだ、肉は幾らかは貰うつもりだが、ここで解体なんてしたら、途方も無い時間を取られてしまうので、解体はギルドにお願いする、その分報酬は少なくなるだろうが、こんなもんは必要経費だと思っている。
そろそろ、太陽の位置から考えてもお昼ぐらいだ、その為に、昼食を取ろうとオーク一体は解体して食べる事にした。
ワルキューレのアインスが持つ、火の聖剣ヘスティアを使って火を出して焚き火をする。
武器の名前は私が勝手に付けた、鑑定魔法なんかを使えば違う名前が付いてるかもしれないが、私には分からないし、名前なんて持ち主である私が付ければ良いだろう。
意思を持つ剣なので、名前を付けた方がきっと良い事もあるかもしれない、付喪神なんかになって強くなるかもしれない、うん、そこまで上手くはいかないだろうけど、ただ名前を付けた方が使いやすいから付けたってだけより、理由があった方がかっこいいでしょ、物語りは雰囲気が必要なのだ。
炊事も本当は、ワルキューレ全員にやらせて経験を積みたいのだが、武器が無いと現実の物には触れないので、一体だけそれが可能な、ノインにお願いする事にした。
ノインが持っている武器は影の魔拳バァル、グローブの形の武器になので、解体ナイフだって持てるのだ。
その為に、これからはノインには炊事全般をやってもらう事になるだろう。
だが、他のワルキューレも黙って見ている訳ではない、持っている武器によって向き不向きがあるだけだ。
その為に、ドライの持つ土の聖剣デメテルを使って簡易的な窯を作り出し、その上に鍋を置いて、ツヴァイの持つ水の聖槍テティスに寄って鍋に水を入れる。
鍋の中には、持って来ていた野菜などを入れて、オークの肉を入れた豚汁を作っていく。
火の調整はフィーアの持つ風の聖弓イーリスに寄って行っている。
セセリの持っていた武器を存分に役立てる事が出来ているので、本当にセセリには助かっている。
まぁ本人には言うつもりは無いが、心の中だけで感謝だ。
恐らく、魔法を使える様な武器なんて相当なレア物だと思っている。
その上意思も感じているので、この武器達を作った人達は、相当な腕前の人間なのだろう。
その人達もまさか、炊事の為に使われているとは思わないかもしれないが、存分に有効活用させてもらってます。
豚汁を作り終えたのでそれを食べる。
頑張ってくれたワルキューレ達にもあげたいのだが、幻術魔法で作られた彼女達はご飯を食べることは出来ない、その為に、セセリと一緒に食べている。
セセリは、今は私よりも小さいぐらいの大きさだが、本来は私よりもずっと大きい。
オークだけでは足りないかもと思ったが、生きる為のエネルギーは、自然エネルギーを摂取すれば問題ないらしいので、食事は正直趣味的な部分もあるらしい。
ダークネスとは全てのエネルギーを吸収してしまう様な属性らしいので、太陽からでも大地や水、木など色々な物のエネルギーを吸収して過ごせる。
ただ無尽蔵に吸収出来てしまうので、普段はどこで満足して良いか分からない時もあるらしい。
贅沢な悩みだろう、だが、味覚もしっかりとあるらしく、味覚で食べ物を味わって食べた方が満腹感があり、食べてエネルギー補給はセセリの中では良くする行為だった。
だからだろうか、セセリは今、物凄い勢いで豚汁を食べ尽くそうとしている。
今まで誰かに作って貰える訳でもなく、セセリに出会った人は直ぐにでも逃げ出す、その為に、基本的に生食が当たり前で、それが当然の食べ物だと思っていた。
私と対峙した時だって、アミノサの肉を生で食べていたのだから、人の手が入った料理など食べる機会が無かったのだろう、初めて豚汁と言う食べ物を食べて感動してしまったのだ。
「美味い!美味いのね!こんな食べ物初めて食べたのね!人間達はこんな食べ物を食べられるなんてずるいのね!」
セセリがあまりにも感動して食べているので、私はおかわりを我慢して、セセリに残りを全て食べて貰う。
「あなたが人間の形になれるなら、もっといろんな物を食べれる可能性が広がるのにね、私も料理は出来るけど、人によって作る食べ物は違うし、地域によってもそうよ、私だけが作った食べ物でもこれだけの感動を味わえるなら、可能性は無限大に広がるわね。」
そう言って私は、セセリの胃袋を掴んでから意識を誘導するのだった。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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