第3話 加工無しでは生きれません
毎日21:10より投稿します。
よろしくお願いします。
余分なことばかり考えて居たが、冷静になってジャンヌを見てみると一枚の写真を物珍しそうにじっと見ているのに気づいた。
「初めて見るかしら?それは写真って言って私が光魔法で作ったのよ、一緒に写ってるのは私の妹なの。」
「これは動かないのですか?」
「これは特殊な紙に焼き付けているだけだから動かせたりはしないわね。」
というと「そうですか」と言いがっかりしたような雰囲気を出している。
写真を動かすだなんて変な事を聞くとは、思ったけど何かあるのだろうか?と思い、質問してみたが特には無いようであった。
それから少し私の話しをしつつもジャンヌが幾分か落ち着いたところを見計らってあの家で一体何があったのかを聞いてみた。
「それが何も分からないのです。二階で目を覚ましてから一階に降りきたら母親があの様な姿になっていました…。私は…たぶん動揺していたんだと思います…とにかく母親を綺麗に戻さないといけないと思って身体を拭いて新しい服を着させてました。そしたら扉をノックする音が聞こえたので扉を開けたらファリンさんが居ました。」
「じゃああなたは犯人を見たりとか、心当たりとかはあったりする??」
「見てないです。心当たりというか…すいません、私は、今日何してたかも覚えていなくて…それどころか最近の記憶が全然無いんです。あの…やっぱりお母さんは死んでしまってたのでしょうか?」
「…残念ながら、貴女には酷かも知れないけどまだいろいろと聞きたい事があるから、もし辛かったりとかしたら教えてね?決して無理はしなくても良いから。」
「分かりました。出来るだけ頑張ります。」
母親が死んだばかりだと言うのに、それを受け入れる様な強い意思を感じる返事だった。
家で会った時には目に光が宿って居なかったが、ここに来るまでにいろいろと自分の中で消化する事が出来るのだろうか、少女の心の強さに私は心が惹かれる様な気がした。
それから私は、ジャンヌにいろいろと質問したが結局は殆ど何も分からなかった。
ジャンヌ自身もだいぶ気が動転してるのと事件のショックからか記憶を失っているようで、ここ最近の記憶が無いようだった。
軍学校には行って居た様だが、その学校での生活などは思い出せ無いらしい。
「これで調書は終わりにします。辛かったと思うけどありがとうね。これからまた事件解決に繋がる様な発見があったりしたらあなたに報告するし、また聞く事もあるかもしれないわ、その時は協力をお願いするわね。」
「分かりました、ありがとうございます。それで、あの…私はこれから一体どうしたら良いでしょうか?」
私はそう言われて少し考えた。
事件があったばかりで、ジャンヌの家には調査の為に警備隊員達が居る。
部屋に戻る事は可能だが、男の警備隊員が彷徨く家でジャンヌを寝かせて居たら万が一があるかも知れない。
もちろんそんな万が一を起こす様な人物がこの警備隊に居ないとは思うが、ジャンヌを見たオスどもの反応がその万が一がありそうだと勘繰ってしまう。
それに、あんな悲惨な事件現場にジャンヌを戻すのも心情的に良くないと思った。
そうなると、詰所で寝泊まりしてもらうかと考えたが、この詰所にも野獣となりそうなオスどもが大量に居る。
こんな場所に居たらあいつら野獣共が変な気を起こしかねない。
野獣となると分かっているのに、ジャンヌをここに放置したらそれはもう私の責任でもあるだろう。
だからこそ、こんな所に少女を置いてく事は私には出来ないと思った。
と言う事は私が出せる答えは一つだった。
今日はジャンヌを私の家に泊める事にしたのだ。
少なくともジャンヌの心が落ち着くまでは、私の家に居ても良いと思う。
それに、私がジャンヌを守らなければそう強く思ったからだ。
そうして私は、キャベジ隊長にジャンヌを私の家に泊まらせる事を報告した。
キャベジ隊長は本当に大丈夫か?もしあの娘が犯人だったらどうするんだ?と言われたりもしたが、私は話してみてジャンヌが犯人では無いって確信があった。
証拠が特にある訳ではないが、そこはもう警備隊員の勘ですとしか言えなかった。
ジャンヌが犯人だなんて全く想像が出来ないのだ。
彼女は絶対に被害者だ。
私はそうして気持ちを隊長にぶつけて半ば強引に説得をして、ジャンヌを家にに連れて帰った。
「ただいまー!」
家に着き挨拶すると、10歳になる妹がお帰りーと遠くから返事をする。
私はジャンヌに遠慮なくあがってねと声を掛けて台所の方に案内をする。
「おねぇちゃん帰って来たなら直ぐに洗濯物出してー、脱ぎっぱなしは絶対ダメだからね!あと、弁当箱も直ぐに水に付けて置いとくように、放置したら直ぐに異臭がするんだからね。」
「あっえーと…この口うるさいのが妹のバファだ。」
「誰が口うるさいですって!って…え??お客さん」
「すいません突然お邪魔をして、初めましてジャンヌと言います。ファリンさんのご好意でしばらくお邪魔させて頂く事になりましたがよろしかったですか?」
「あっはい!どうぞどうぞ、綺麗なお家じゃないですけどゆっくりしていってください。ちょっとおねぇちゃん良い?」
と怖い笑顔をして私は呼ばれ、ジャンヌに聞こえない声で説教をされた。
急に来られてもご飯の用意もしてないし、家も片付けてないと怒られたのだ、ただ、今回の事件を説明したら納得してくれた様でこれからいろいろと準備をしてくれるようだ。
本当に、出来た妹だと思う。
「すいませんあり合わせになるんですけど、こちらを食べてください。」
急遽具材を追加したスープとパンをジャンヌの座る机の前に置いた。
「食べてる間に寝る部屋を用意しておくのでゆっくりしてくださいね。」
「何から何までありがとうございます。」
と言われて、どう致しましてと言って2階に部屋を用意しに行った。
ジャンヌはというとお腹が空いていたのだろう一口食べると勢いよく食べ始めた。
それを見ながら私も、一緒にご飯を食べ始める。 ご飯を食べ終えると、ジャンヌは疲れていたのか、安心したのか少し眠たそうにしている。
今日は早く部屋に連れていって眠らせてあげたほうが良さそうだ。
明日また、今後の話をすれば良いだろう。
◇◆◇◆◇◆◇◆
まさかどう見ても中世ぐらいの世界に写真なんてあるなんて思わなかったから少し動揺してしまった。
ただ動画はやっぱり無いようだけど、光魔法の才能を持ってる人を集めてあの写真を何枚も使えば出来そうな気もするけど、まぁ今はまだこの世界に慣れてから考えれば良いかと考えた。
そして、幻術魔法はやはり凄い魔法だと思った。この魔法の評価が低いなんて信じられない程、有用に感じられる。
そもそも、幻術魔法の才能を得る人自体が歴史的に見ても数人だと言う話しがジャンヌの記憶にはあった。
有用な使い方をまだ確立出来ていなかっただけかも知れない。
そんな私が初めて幻術魔法を使ったのは自分自身にだった。
自分の目をちょっといじったり、顔の輪郭を少し細くしたりとか、あとは胸もちょっと大きくしたり、腰をくびれさせて足も細く見せたりしている。
まぁ前世で散々やってきた写真加工アプリで可愛く見せてたりしていた。
それは女性なら殆どの人がやって来たのでは無いだろうか?
私はそのノウハウを活かして幻術魔法で再現したんだけど。
まさに効果は抜群だった。
警備隊詰所であれだけ男性が私に釘付けになっていたし、ファリンも心なしか私を見て赤くなっていた気がする。
もともとジャンヌは美人と言われる方だけど、ちょっと盛っただけでこの効果だ。
簡単に注目を浴びる事が出来るし、それを快感とする私の様な存在にはもう加工無しでは生きられない気がする。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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