第37話 お蔵入り
毎日21:10より投稿します。
もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。
よろしくお願いします。
「あなたはじゃあ、しばらくは倉庫扱いになりそうね。」
簡単に言ったが、正直この能力だけでも重用出来る。
これから荷物の心配も必要ないし、討伐したモンスターも仕舞い込める。
オークだって簡単に持ち帰れるのだから、久しぶりに豚肉を食べられそうだ。
豚の生姜焼き、生姜?、トンカツ、カツ?、豚の角煮、角煮?、あれ?この世界だと豚肉はどんな料理されるんだろうか?前世で使われていた調味料や食材や調理方法と似たような物があれば良いけど。
思い出したら食べたくなった、とりあえず今日は干してある蛇肉を持って帰ろう。
帰る頃にはバファはもうご飯を作り始めているだろうか?まぁ今日渡して置けば、明日には食卓に並ぶだろう。
「なんかご主人様の僕を見る目が変わった気がするんだな、まぁ悪い感情じゃないし良いんだな、それに物は仕舞えるけど、僕も仕舞えるんだな!」
「ん?セセリを仕舞える?」
「そうなんだな!こうやれば体積が変わるんだな!僕は闇だから、広げたり狭くしたり出来るんだな!」
「それって姿形も変えられるの?」
「うーんそれは出来ないんだな…出来るかも知れないけど、やったら形が保て無くなりそうなんだな。」
「形を保て無い?闇だと言うなら形にこだわる必要無いんじゃないの??」
「だからこそなんだな!魂に基づいて今の形が出来てるんだな!大きさを変えるぐらいなら大丈夫なんだな!でも形まで変えてしまうと、魂を変える事になるんだな!そうすると僕は闇と共に霧散してしまいそうなんだな!」
「じゃあ、こう言うのは良いの?」
「それは大丈夫なんだな!ご主人様の幻術魔法はそう見えているだけなんだな!って躊躇無く死ぬかも知れない実験をしないで欲しいんだな!」
「まぁまぁ、たぶん大丈夫だと思ったからやっただけよ。」
今セセリには、馬になってもらった。
もちろん幻術魔法でだ、
「それで、あなたって馬みたいに走れるの??」
「僕はドラゴンなんだな!馬じゃないんだな!」
「あなたはもう私の家来なの、私の家来なら当然、演技の勉強もしなさい!これからはあなたも、私の物語のキャストの一員になったのだから。」
「分かったんだな、ご主人様の意向にちゃんと従うんだな、じゃあ背中に乗って欲しいんだな。」
「よいしょっと、うーん、ほんとの馬と比べたら乗り心地が全然違うわね。」
「形までは真似出来ないのね!」
「さっき言ってた説明の事ね…まぁ良いわ、その内訓練させて貰うわ。」
「ちゃんと聞いてたのね?僕死んじゃうかも知れないのね。」
「それはあなたが決めた限界でしょ?限界は私が決めるわ。ほら、早く荷物を仕舞いなさい!街に向かうわよ!」
「うぅーほんと、とんでもない人をご主人様にしてしまったんだな。落ちないようにしっかりと捕まってるんだな。」
「はいよーシルバー!」
「僕は黒いんだなー!」
「もうシルバーに変えてるわよ!」
「!?」
街に着く手前でセセリに、仕舞っておいたリヤカーと、買取りして貰う素材を出して貰った。
ギルドで突然出すのは悪目立ち過ぎる為だ。
セセリには私の影の中で潜んで貰っている。
ギルド内にあるリヤカー貸し出し所に行けば、そこで素材の買い取りもして貰え、そのままリヤカーを返却出来る。
この時にリヤカーが破損していた場合や故障していた場合に、別途修理代が取られてしまう。
ここで冒険者とギルドで揉める事も多いそうだ。
やれ最初から壊れていただの、最初から傷が付いていただので、言い合いになるそうだ。
まぁギルドでも毎日点検メンテナンスをやっているかと言われたらそうは見えないので、事実として言っている人も居るだろう。
ただそう言った無用なトラブルを避ける為にも、リヤカーを自分で買えという話しになる。
リヤカーも置いておく場所が無いので、今までは買うつもりは無かったのだが、セセリのお陰で置き場に困る事も無いし、購入は視野に入れても良くなった。
まぁお金を貯めてからと言う話しになるだろうが、お金を貯める為にもリヤカーが欲しい、うーん悩む話しだ。
リヤカーを引いての移動は、今日やって思ったがかなり体力を使う、単独行動だったので余計だろう。
だがセセリが居れば、リヤカーは短時間だけしか使わなくなるので、もっと大きなリヤカーを入手しても良くなる。
そうすればギルドに一気に納品する事が出来る、ただ、モンスターの死体もセセリに頼めば仕舞って置ける。
一度に運ばずに回数を分けて納品出来る事を考えたら、そこまで優先度は高くは無い、面倒くさいのと怪しまれる事を除けばだが。
セセリの影の中を、私は蔵と呼ぶ様にしたのだが、その蔵の中は、時間を遅くする事は可能だが完全に停止する事は出来ないらしい。
その為に、ずっと死体を入れて置くと腐敗してしまうらしい。
どのぐらい時間を遅く出来るのかは、分からないので検証は必要だが、腐敗すれば素材としての価値が下がるか、もしくは買い取り不可になるだろう。
そうしたら死体はお蔵入りのまま、日の目を見る事が無くなる。
大きなリヤカーはその為にどこかで必要なのだ。
ちなみに、蔵と呼ぶ様になったのは、武器以外にも酒も仕舞ってあるらしい。
武器に酒も仕舞えるなら、もうそれは蔵だろうと私のイメージで勝手に名付けた。
そして酒も手に入った。
蔵の中には蛇肉もある。
これはもう飲むしかないだろうと思った。
「それは僕の酒なのね…。」
そんなものは関係ない、セセリの物は私の物、私の物は私の物だ。
セセリの馬役は、思ったよりと言うより馬より早いぐらいのスピードを出してくれたので、予定より早くギルドに到着し、今日の仕事を終える事が出来た。
まだ帰るには少し早いかと思い、買い物に出掛ける事にした。
昨日は鍛冶屋に行ったので、今日はポーションを見に行く。
セセリとの戦いで思ったのだが、広範囲の攻撃をされたら流石に避けられないし、隠れていても関係が無い、高速の流れ弾なんてのも当たりたくはない。
ただ、そう言うどうしようもない状態と言うのはこれからもあるかも知れないので、即死じゃなければ回復する手段は必要だ。
特に蔵が手に入ったのだから、確保しない手は無いだろう。
ポーション屋さんにも、ギルドの受け付け嬢に聞いて場所はバッチリ分かっている。
最近は受け付け嬢を案内所の人の様に扱ってしまっているが、快くいつも教えてくれるので、これからも分からなければ聞こうと思う。
ポーション屋さんに入ると、カウンターにエルフが座っていた。
耳が尖っている、触りたい…耳をハムハムしたい…、おっと、いけないそんな事したら通報されて警備隊に引き取られて、ファリンに怒られてしまう。
それにしても、エルフが綺麗だと言うのは本当だった様だ。
私みたいに加工もしていないのに、あの美しさは反則だ、天然物はずる過ぎる、肌だってぷにぷにしてそうだし、シミも無い…みずみずしい….それに、ハリもあって滑らかだし、その上、透明感まで!?何この人!良い加減なんだか腹が立ってきた。
この世界に来てからお肌のケアなんて全然出来てないのに、羨まし過ぎる!
あぁやる気無くした、ポーション買ってさっさと帰ろう。
ポーション屋では、壊れ物を扱っているので、カウンターの奥にポーションの置いてある物置きがあるらしい、店頭に置くと冒険者が割ったりが多く、トラブル回避の為にそういう造りになったらしいと受け付け嬢に聞いた。
なのでエルフに話しかける、
「すいませんポーションを頂きたいのですが。」
だがエルフはポケーっとして返事が無い。
「すいません!ポー・ショ・ン!を頂きたいです。」
エルフと少し目線があった、しかし返事が無い。
「おーい!聞こえてますかぁ!?」
ようやくエルフから返事が返ってきた。
「あっすいません、ポーションですね?低級から上級まであります。」
低級ポーションは軽い怪我を治して銀貨一枚程度で買える。
中級ポーションなら骨折なども治る程で、値段は金貨一枚となる。
そして上級ポーションまで行くと大怪我も治り、状態異常である、毒や麻痺も治ってしまう。
だが値段はかなり高くなり金貨十枚になる。
命が掛かっているので、これを高いというか、安いというか、分かれる所ではあるのだが…、そしてさらに上には、特級ポーションもあるらしいがそれはここには置いて無いらしい。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。




