第33話 呼んだら違う奴が来た
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アミノサは頭の比率だけが非常に大きな蛇型のモンスターだ。
蛇型のモンスターなので、てっきり獲物は丸呑みにするのかと思っていたが、アミノサはどうやらその大きな頭をしているだけはあって顎もデカい、そのデカい顎を使って獲物を噛み砕く様だ。
その為に主な攻撃方法は噛みつきになる。
だが、アミノサは全身を使って移動を行っている。
その大きな頭を支えられるだけの筋肉を持っている事になるので、噛みつき以外にも体当たりや尻尾を使った攻撃も、重い一撃になるので警戒する必要があるだろう。
と言うのが今アミノサと戦った感想だ。
私はあれからあの辺りに居たスキッドを倒して、リヤカーに剥ぎ取った糸袋を載せて、更に奥へと向かった。
奥へと向かう道中に水の音が聞こえて来たので、その方向へ向かうと川を発見した。
川は比較的に緩やかな流れで、水を利用しやすい箇所となっていたので、ここは解体場として良いのではと思い、そこを仮拠点としてリヤカーを置き、アミノサを探して討伐したのだった。
そして今はアミノサの解体作業をしている。
と言っても大した事をしている訳ではなく、頭を切り落として、胴体を木に吊るしているだけだ。
頭は必要ないので、川に捨てて魚の餌となってもらう事にする。
だが、その時の私はアミノサの生態をよく分かっていなかった。
川に捨てた頭からは当然血が流れている。
その為に川には血の匂いが漂っていた。
アミノサを森の中だけに居るものだと勝手に決めつけてしまったが、なんと水の中から顔を出して突然襲われたのだ。
これには流石に予期していなかったので焦ってしまった。
血の匂いに誘われて、下流の方から泳いでこちらまで来てしまったらしい。
あの頭のデカさがあれば、口を開いて置くだけでも、勝手に口の中に魚が泳いで来そうだ。
頭が異様にデカいのは、魚を捕食しやすい様に進化したとのかも知れない。
それならば、不自然な頭のデカさにも納得すると言うもんだ。
そう考えると、このモンスターは元々は水中が主戦場のモンスターかもしれない。
陸で狩りをする個体は、水から生存競争に負けて水の中から追い出され個体かもしれない。
現在、私の前には8匹のアミノサが川から顔を覗かせて居る。
もちろん、先程襲い掛かってきたアミノサは瞬時に切り伏せたのだが、突然だったので、焦って頭から胴体目掛けて、袈裟斬りで斬ってしまった。
そしてアミノサの胴体もクネクネとしていたので、目の前の切り伏せたアミノサは、胴体がぶっ格好な状態で、八つ裂きにでもされたかの様だった。
そのせいで、この肉は買い取りなども難しくなってしまっただろう。
まぁそれは咄嗟の事だから仕方ない、私は川から顔を覗かせているアミノサを倒す為に、駆け出して行った。
川での戦いは、水の中と言うこともあり、足捌きが難しい、加えて流れの緩やかな川なのだが、それでも水は流れているために、抵抗が激しく感じてしまう。
それなのにアミノサは普段から慣れているのか、スイスイと泳いでいるので、剣を当てるのも一苦労だ。
それに先程感じた推測は、正しかったと言わんばかりに、水の中が生息域のアミノサは獰猛で、私を倒そうと積極的だ。
陸地のアミノサはどうも逃げ腰で戦っていた気がするし、攻撃の仕方も噛みつきに重きを置いていたが、水中のアミノサの方は、臨機応変に全身を上手く使い、尻尾での攻撃をフェイントや牽制に使いつつ、噛みつき攻撃を行ったりその逆のパターンもあったりする。
そして何よりも、水中から出て来たアミノサの方が体長がデカい、これだけでも生物として格上な気がする。
それでも何とか一匹一匹を、確実に葬り去りなんとかアミノサを全て討伐する事が出来た。
突然の戦闘と言う事もあり、だいぶ疲れてしまった。
先程殺し方を失敗したアミノサの肉を、焼いて食べながら少し休憩をしようと思った。
川の周りには枯れ木や枯れ草などが多く落ちていたので、それを集めて火打ち石を使って火をつける。
火が付いたのを確認すると、ナイフでアミノサの皮を剥ぎ中の肉を取り出した。
私はそれを串に刺して火の周りに置いて置く。
焼き上がりまでにはまだ時間が掛かるはずなので、今のうちに先程倒したアミノサ達も、素早く頭を切り落として血抜きの為に木に飾る。
目の前の木にはアミノサの胴体が大量に飾られているので、少し生臭く感じて来た。
私は幻術魔法で、その匂いを無臭であるように感じる様にしておいた。
「そろそろ焼けてるかな?」
焚き火に近づいた私は、串焼きにしていた肉をみて十分焼けているのを確認する。
「もういけそうね、さぁどんな味かしら。」
私は少量の塩を振りかけて、肉を口に入れる。
アミノサの肉は淡白で、癖も無く獣臭などもせずに、鳥のモモ肉のようでかなり美味しい。
ギルド前の屋台で食べたポッポの肉よりも、こちらの方が私好みだ。
噛めば噛む程、旨味が出て来て我慢出来ずにすぐに飲み込んでしまう。
私は焼いた肉を直ぐに食べきってしまい、吊るされている肉を見た。
これだけあるならまだ食べて良いかと、おかわりに更に串に刺して焼いて食べる。
美味いとは聞いていたが、これはかなり食が進む、ふとお酒を飲みたくなったが、流石にお酒を持って来てはいない。
この世界ではジャンヌの歳でも、お酒は飲んで良いらしいので、肉を持って帰ったらファリンと一緒に晩酌をしようと心に決める。
この世界に来てからは、まだお酒を口にしていないので、たまにはゆっくりとするのも良いだろう。
満腹感から少し動き出すのは、まだする気にならなかったので、川に足をつけてゆったりとした時間を過ごす。
十分に休息を取ったところで、最後にこの辺りのモンスターを、一狩りして帰ろうと思った。
食後の運動も重要だろう。
だが、モンスターを探すのは少し面倒に感じたので、コボルトを呼び寄せた時に、音楽を奏でたら周囲のコボルトが集まって来たのを思い出す。
蛇と言えば笛だろうと思い、私は幻術魔法で笛を作り出し、笛を奏で始めた。
別に幻術魔法で直接音楽を奏でる事も出来たが、こういうのは雰囲気が大事なのだ。
芸能とは音楽とも密接な関係がある。
私も音楽に対しては、一定の水準を超えて披露出来るぐらいの腕前はある。
ひさしぶりに本気で演奏でもしてやるかと、誰も聞いていない川辺で笛を奏で始めた。
気分も上々に笛を吹いていたのだが、モンスターは一向に近づいて来ない。
どうやらこの辺りのモンスターは、私が全て倒してしまったか逃げ出してしまったのだろう。
食後の運動に狩りをしたかったが、思いの外に笛を吹いての演奏が楽しかったので、今日はこれで満足している。
モンスターが現れないのなら仕方ないと思い、キリの良いところで笛での演奏を終わらせる事にする。
今日はまだ、吊るしてある肉を、葉っぱで包む作業が残っている。
葉っぱはギルドの受け付け嬢より、聞いていた葉っぱを道すがら採取していた。
この葉っぱで包めば、匂い消しや防腐効果があるらしい。
ギルドでの納品は、これで提出するのが推奨されている。
推奨と言うのは、解体せずに持ち込む事もあるので、解体するならそうして欲しいと言う、ギルドからのお願いみたいなものだ。
もちろんそのまま持ち込んだら、解体費用が引かれた値段が報酬として支払われる。
笛での演奏もそろそろ終わりを迎えようとした、その時に突然空が暗くなり、突風が吹き荒れた。
何事かと思い、上空を見るとそこにはドラゴンがここ目掛けて降り立とうとしている。
どうやら笛の演奏で呼び寄せたモンスターは、アミノサでもスレッドでも無くドラゴンだった様だ。
私はモンスターを呼び寄せる為に、笛を吹いていたので、気配を隠したりはしていなかったが、完全にドラゴンに見つかってしまっている。
本日2度目の油断である。
この森に入ってから最初の頃は警戒していたのだが、何と言うか森に異変を感じるような事は無かった。
普通にモンスターは居たし、五月蝿いパーティーも無事に探索をしていた。
ドラゴンが居るなら、こうもっとモンスターが移動をして、逃げ出すなどの事があるんじゃないかと思い、目撃例が間違っているか、もう何処かに行ってしまったのでは無いかと思っていたのだ。
その油断が今の現状だ、さてこの事態どうしましょう。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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