第28話 ミスリルの武器は夢がありますね
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では、私が何故剣に魔力を通す事が出来ると思ったかと言うと、必要だったから出来る様になったからだ。
もちろん魔力を通すなんて事は今までの人生でやった事は無い。
剣に魔力を通すなんて事も、さっきのドワーフとの会話で初めて知った事である。
私が出来るのは、簡単な話しだと、自在に涙を操れると言った話しだ。
俳優が演技の為に涙を流せるなんてのは、よく聞く話しだと思う。
当然、天才だと言われた私に、それが出来ないわけは無く、どんな状況でも涙は流せた。
そして、私には、涙以外にもある程度操作する事が出来た。
暑くも無いし運動した後でも無いけど、今まさに運動した後の様に汗を出したりも出来たし、真冬で寒いにも関わらず、私は真夏の様に汗をかく事が出来た。
運動能力を上げる為に、血流操作をしたりアドレナリンの分泌を増やしたり、普通の人には不可能に近い事も、私にはそれが出来たのだ。
その為に、魔力の操作も私には出来ると思ったし、実際に今、魔力を通した剣を持っているのだった。
「嬢ちゃん、本当に駆け出しの冒険者か?それともどこかで魔力操作の指導でも受けて来たのか?」
魔力操作の指導をする人もいる様だ。
軍学校も通っていたら、その内そういう授業もあるのかもしれないが今は知らない。
「いえ、魔力を通したのは今日が初めてです。こういうのは得意なんですよ。」
「こういうのが得意だと?それはどう言った…おい!?なんだ突然!?」
「私はこうやって簡単に涙も流せるのですよ?他にも体内のあらゆる機能を私はある程度、自在に操れます。だから、魔力も同じ様に出来ると思ったのですよ。」
「なるほどな、突然泣き出したのかと思って焦っちまったよ。それで剣の調子はどうだ?ここに廃鉄があるから切ってみな。」
ドワーフの店主には私の美貌が通じなかったので、他の事で驚かしてやろうと思って涙を流したら、案の定驚いてくれたようだ。ただ驚いたのは私の操作技術よりも、涙に驚いた様なので、案外優しくて良い人なんだろうと思った。
店主に言われた通りに私は剣で廃鉄を切る為に、切る場所を探ろうと、触れてみる。
すると、切るつもりもまだ無かったのに、簡単に鉄に剣が入っていく。
私はそのまま力も入れる事も無く、空気を切る様に鉄を真っ二つにしてしまった。
「ミスリルの剣はこんなにも切れ味が良いのですか?」
「あぁ?流石に魔力を通さねぇーと無理だけど、魔力を通せばそのぐらいは出来るだろうよ、まぁ魔力を通さなくても充分切れ味は保証出来るんだけどな。」
「なるほど、ちなみにこの剣はいくらぐらいしますか?」
「その剣は売り物じゃねぇよ、ミスリルの武器を造るとなったら特注でしかやってねー!そいつに合わせた武器を造りたいからな。まぁ特注でミスリルの武器が欲しいってんなら金貨100枚は欲しいところだな。」
「金貨100枚ですか…。分かりました、今の私には手も足も出ない武器の様です。それでは、先程のミスリルのナイフはいくらぐらいになりますか?」
「そりゃあ、ミスリルの武器なんてのは冒険者ランクAぐらいでようやく手を出せるかどうかだからな、ミスリルのナイフなら金貨8枚だ。」
「金貨8枚?ずいぶんと値段が下がるのですね?」
「ぼったくってる分けじゃねぇぞ?大した加工をしてないミスリルのナイフならミスリルの素材分ぐらいしか取らねぇ、まぁミスリルの武器造るならそれ相応の素材を一緒に混ぜるからな、混ぜる素材に寄っては武器の特性が変わってくる。素材代と後は技術料だなそれで、金貨100枚以下にするつもりは無いさ。」
「ミスリル以外にも素材が居るのですか?」
「あぁ混ぜる素材によっては武器の特性が全然変わってくる。ミスリルの剣により魔法の威力が増大したり、消費魔力を抑えたり、切れ味や重量いろいろと変わってくるな。」
なるほど、それは素材選びも重要になって来そうだ。
特注で造ると言った事にも納得出来る。
そして、技術料も当然高く取るべきだと思う。
その道の職人が一生懸命努力して培って来た技術は、安売りするべきでは無いと思ったからだ。
「いろいろと教えて下さりありがとうございます、大変参考になりました。それではミスリルのナイフを購入させて下さい。」
「ミスリルのナイフか?嬢ちゃんにはまだ早いんじゃないか?」
「軽くて丈夫そうですし、長持ちしそうな物を最初に買っておけば、その後に買い足したりする必要も無いですから。」
「まぁ俺は売り物が売れるんだから文句は言わねぇけど、返品なんてのは受け付けねぇからな?」
「この店に置いてある物は店主さんが造ったのですよね?それなら店主さんの事を信じさせて貰います。お代はこれでよろしかったですね。」
「そう言う事を言いたかった訳じゃないが、まぁ良い、金貨8枚丁度だ。持って行きな。」
「ありがとうございます。また利用させてもらいますね。」
「あぁお前さんが来るのを、少し楽しみにさせて貰うよ。」
そう言って私は店を後にした。
そして、ついに解体用ナイフを手に入れた。
金貨8枚は安い買い物では無いだろうが、これが一本あれば、あらゆる解体が出来そうなので、いつかは元が取れるはずだ。
それに新しい道具を買うとなんだかテンションが上がる。
それが良い物なら尚更だ。
そして、新しい目標も出来た、金貨100枚、それでミスリルの武器を買う事だ。
ドワーフの店主は特注で造ると言っていた。
この世界に刀があるか分からないが、刀の様な武器も欲しいと思っている。
普通にミスリルの剣でも軽いし切れ味も良いので、使う分には良いのだけれど、やはり私は刀が使いたかった。
何故なら私は世界で一番カッコイイ武器は、刀だと思っているからだ。
時代劇でもそうだし、最近では創作物などでも見かける事の方が多い。
実物を見た事も無い人も多いだろうが、刀は身近な物に感じてしまう。
それは、小さい頃から刀という存在をなんらかの形で情報を得ているからだろう。
そんな刀は日本人なら好きだって言う人は殆どだと思うし、海外からの評価も高い。
一番強い武器は?と聞かれたら見方によって変わるだろうが、一番カッコいい武器は?と聞かれたら刀だと答える人は多いと思っている。
そう言う分けで趣味全開だが、私は刀でモンスターを倒したいのだ。
一応幻術魔法を使えば形だけなら刀に見える様に出来るが、それではあまりにも風情がない。
そこはやはり、ちゃんと刀を造って貰って使いたい。
ただ、本物の刀を造る事は難しいと思っているので、あくまでも形だけでも造って欲しいのだ。
本物の刀なんて製造方法も分からないし、ミスリルで造る時点で違うのも分かっている。
一応、刀の知識もあるので、一連の流れは説明出来るが、刀を造るのは知識よりも経験が大事だと思っている。
素人が下手な知識を伝えて出来上がる物が良いとは思わない、今日入った店にも刀を置いて無かったので、刀の存在は店主は知らないだろう。
だが、ミスリルの扱い方には自信がありそうだった。
それなら職人に形の要望だけだして、後は丸投げした方が良い物を造ってくれそうだ。
まだ見ぬ自分の愛剣に想いを馳せながらも、明日についても考える。
解体用ナイフが手に入ったので、せっかくだしオーク討伐も良さそうだが、あそこの山岳地帯は戦力のバランスが大事な様だし、オークだけを狩るのは良くなさそうだ、冒険者ランクDになったから、オーク以外にも受けられるクエストの数も増えて来た。
一度、噂のドラゴンを確認したい気持ちもあるのだが、ちょっと見に行って、サッと帰ってくるぐらいの気持ちで行ったら良さそうな気がするのだが、駄目だろうか?幻術魔法を使えば気づかれずに無事帰れそうなのだが、まぁ明日は一度朝早くにギルドに行って、クエストボードを確認して見ようと思う。
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
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