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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
冒険者編

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第19話 ドラゴンとオーガと国と

 毎日21:10より投稿します。


 もし読んで頂き、少しでも面白いと思って頂けたなら評価やブックマークして貰えると嬉しいです。

 よろしくお願いします。

 傷を癒してもらい、動けるようになったピリタスがこちらに近づいて来る。


「てことで、嬢ちゃん悪かったな、こいつも悪気があった訳じゃねぇと思うんだけどなぁ、気に入った格好を馬鹿にする奴が多いから気にしてんだよ。」


「いえ私も、失礼な事をしてしまったので…アブサさんすいませんでした。」


「オラも謝ってもらったなら良いんだな、ねぇちゃんもあんまこれからはジロジロみんなよ!」


「だからそうじゃねぇーだろうがアブサ!!」


 ボカ!


「痛ってぇなぁ!ちくしょう、なんで殴るんだよ!」


「おめぇも自分が変な格好してるのを認めろって事だよ!人にジロジロ見られる様な格好しといてジロジロ見るなってイチャモンをつけんなよ!お前も謝れ!それでチャラだ!」


「わかったよ。ちくしょう、ねぇちゃんすまなかったな、オラもこの街に来てから色んな奴からジロジロ見られて気が立ってた見てぇだ。」


 そう言ってアブサは素直に頭を下げてきた。


「やりゃあ出来んじゃねぇか!って事で嬢ちゃん、今回はこれで許して貰えねぇか?」


「いえ、私は全然大丈夫なんで気にしないで下さい。」


「そっかそっか、そりゃ良かった!ん?嬢ちゃんよ〜く見ると殺人的に可愛い顔してんな?どうだ?これから俺と飯なんて?」


 ブスリ。


「痛ってぇー、だからまじ洒落になってねーんだよ!」


「うるさいわね!ことが収まったらすぐにナンパなんてしてんじゃないわよバーカ!あんたなんて血の気を少し抜いた方が良いのよ。」


 そう言って本当に血を抜くロンリコは、恐ろしい女だと思う。


「ごめんなさいね。私達は、Aランクパーティーのブリアンよ、メンバーはあの騒々しい奴らで、さっき貴方に絡んで来たのはアブサ、そして貴女をナンパしてきたのが、リーダーのピリタスで、今そいつを回復してるのがバルカンで私がロンリコよ。よろしくねー。」


「こちらこそよろしくお願いします。私はEランク冒険者のジャンヌと言います。」


「今日は本当にうちのパーティメンバーがごめんなさいね、ジャンヌは見たところソロで活動してるの??」


「えぇ、あまり人気のある才能では無かったので…」


 そう言うとロンリコは、しまったと言う顔を一瞬覗かせたが、Aランクパーティーに所属する様な人間だ、あからさまには出して居なかった。

 私の観察眼を持ってしたら、直ぐに分かってはしまうが。


「そう…私達みたいな、自分で言うのも何だけど…非常識なパーティーでも、冒険者同士のマナーぐらいは分かってるつもりよ、それ以上は深くは詮索しないわ。」


「そう言って貰えると助かります。」


「私達はこの街が拠点って訳では無いけど、ギルドより指名依頼を受けたの、内容はこの辺りにドラゴンが出たと言う話しがあったから、比較的に近くの街に居た私達が徴収されたってわけ、ジャンヌも、もしこの近くで活動するなら気をつけておきなさい。」


「ドラゴンですか…?」


「そう、特に秘匿するような話しじゃないから話したけど、目撃の報告があったの、だからと言って不安になる様な話しじゃないわ、ドラゴンがこの辺りに居着いたなんて話しは、今まで聞いた事ないし、たまたま餌を探しに来たとか、その程度の話しだと思うわ、ただ目撃されたならそう言った事も踏まえて調査が必要って事で、私達が呼ばれたってわけ。」


「そんな事があったんですね…。」


「さっきも言ったけど心配する様な話しじゃないわ、むしろ警戒すべきはドラゴンよりもオーガの方ね。」


「オーガですか?」


「そう、ドラゴンは人間に興味が無いからね、変わり種でも無い限りちょっかいは掛けて来ないわ、でもオーガは今、明確に人類に敵意を向けて滅ぼそうとしてるの、今回のクエストもドラゴンの調査は建前で、オーガの為の戦力を常駐させたかったんだと思うわ。」


「それってこの街にもオーガが襲って来る可能性があるって事ですか?」


「十分にあり得るわね。噂とかで聞いた事ない?今オーガ達によって色んな町や村が滅ぼされているの、この街だっていつオーガに目を付けられるか分からないわ。」


 そう言われてジャンヌの記憶を探ってみる。

 確かに、オーガによってこの国は今、危機に陥っていると言う噂を聞いていた。

 そしてどうやら父親が死んだのもオーガの群れによるものだったらしい。ジャンヌの悲願でもあるようだし、オーガを倒せるように鍛える必要も出てきた。


 オーガは平均でも二メートルは超えてるモンスターで、見た目は筋骨隆々で、まさに、パワータイプなのだが、武器の扱いも上手いらしく、主に剣や大剣などを使っている。

 また、魔法も火魔法を使い、乱戦状態でも味方に当てる事なく、敵だけを狙えるといった魔力操作にも長けている為、本当に闘うために生まれてきたような存在だ。


「オーガは何故そんなに私達の国を狙ってきてるんですか?」


「元々この国はオーガが住んでいたらしくて、そこを人間が奪ったと言ってるらしいわ、でもその前にはオーガが奪っていて、昔からずっと奪い合ってるらしいのよ、だからどちらが先に住んで居たかって言われたら正直分からないのよね。」


 それ程の長い期間奪い合っていれば、確かに分からなくもなるだろうし、例え分かっていても、お互いに譲らないだろうとも思う。

 前の世界でも領土問題って言うのは主義主張では歩み寄れないところがあった。

 だから戦争に発展する事もあったし、ニュースなどでも取り上げられる事が常だった。

 日本人なんて、普段は戦争なんて自分達には関係無いでしょ?って感じで話題にもならないが、自分達の生活に影響があるとわかると、途端に何故戦争が発生しているのか調べたり、勉強したりしだす。

 まぁ日本のニュースが興味がある事しかやらないのもあるからだろうが、視聴率が取れなきゃいけない商売なんだからそれも仕方ない。

 だが、そうやって情報を選り好みして、発信する企業や個人なんかがいたら、途端に噂話しなんかと一緒で信憑性の無いものに変わったりするもんだから、情報がありふれたあの世界では、目の前の情報を鵜呑みにせずに自分で判断出来るかが、重要だったりした。

 そう考えるとこの世界の情報はデマも、もちろんあるだろうが、情報を商売にしない分、信憑性の高いものもあると信じたい。

 ただ、結局は人伝ての情報だから脚色したものも多くあるだろうし、情報として記憶はして左右されない様にしていこうとは思う。


「オーガ達は、この国を奪うつもりなんですか?」


「その様ね、今の国になってからは、小競り合いみたいなのは多かったんだけど、最近になって途端に積極的に侵攻して来てる気がするわ、まぁ王族の方がきな臭いのでそれが原因かも…。」


「王族ですか?」


「えぇ、今この国では、正統な後継者を争って貴族達が二つに分裂しているの、ブルゴーニュ公爵とアルマニャック公爵とで対立している状態で、ブルゴーニュ公爵はヘンリー王子を、アルマニャック公爵はシャルル王子を正統な王だとお互い譲らない状態なの。そして、その対立しているのを好奇と思ったオーガが今攻め込んでるってわけ。」


 私は演技とは人を騙す事だと思っている。

 今から映画を見るとしよう、そこには誰もが知っている有名人が居る、他の作品で見た事もあるだろう、宣伝の為に出ているバラエティーでも見た事もあるだろう、もしかしたら外でたまたま会ってサインをお願いした人も居るかもしれない。

 だが、そんな色んな顔が有って、色んなキャラ付けをされて、それでもその作品の人物として演じてみんなが感情移入出来るようにする。

 それは、ごく自然と違和感も無くその人の思考を騙し、掌握している。

 ロンリコは、Aランクパーティーのメンバーだ、Aランクまで行く人間はまぐれでそこまで到達出来るわけでは無く、信頼や信用を得てそこまで到達している。

 その為、こんな風に簡単に今日初めて出会った人間にペラペラと話すわけがないのだ。

 もし、ロンリコが簡単に気軽に話しをする相手が居るとしたら仲間しか居ないと思う。

 だからジャンヌは仲間の演技をして情報をまんまと聞き出したのだった。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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