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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
街娘編

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第1話 あぁ天は私に二物を与えたのですね

 毎日21:10より投稿します。

 よろしくお願いします。

 目を覚ました時に、抗えない程の苦しみで咽せた。

 落ち着いて違和感のあった首を触ると縄の跡が手でなぞ得られるほどにあった。

 あぁ死ぬ事が出来なかったのかと私は、深い絶望を近くにあった切れた縄を見ながら思った。

 だが、冷静になって周りを見渡すと何かが違う、私は確かに自宅で縄で吊って死のうとしたはずだったのだがここは私の知らない部屋だ。


 外はまだ太陽が出ている時間らしく、部屋の中を見渡せる程度に明るかった。

 とりあえず起き上がり、近くにあった窓に向かって歩き、外を見ると、そこには映画で見たような中世ヨーロッパの街並みが広がっていた。

 ふと、今までの出来事が夢で私は映画の撮影でもしていたのかと都合の良い考えが頭をよぎるが、首の痛みが私を現実に戻す。

 とりあえず、首の痕を確認して見ようと、部屋の中で鏡を探し、古そうな鏡を見つけて、鏡の前に立った。

 そしめ鏡に写る自分の姿を確認してみる、


「これは誰?」


 鏡に写った私は、私では無い誰かだった。

 黒髪だった髪は金髪になっており、ロングだった髪の長さもショートになり、目も緑色で顔立ちはアジアでは無く、欧州に住んでいる人の顔立ちだった。

 見た目は可愛くも欧州の顔立ちのせいか日本人としては大人っぽく見えるが幼さがまだ残っているような気がし、まだ成人も迎えてないのでは無いかと思う。


 そうやって自分の顔を見て分析しながらも凄く冷静な自分に気付いた。

 全く違う自分が目の前に居るのに、それ程違和感を感じないのだ。

 その時だった、その場で、蹲ってしまう程の頭痛が私を襲いそのまま気絶してしまった。

 次に目を覚ました時に、徐々に今の私の記憶が蘇っていく。

 

 この世界は、前の世界ではファンタジーと分類されているような世界で、剣や魔法で脅威となるモンスターと戦っていた。

 そしてこの世界では、全ての人に魔法の才能があり、個々に決められた魔法の才能が出現する。

 前の世界では、いわゆる4大魔法と言われた、火、水、風、土や特殊な魔法としては光や闇などの魔法も存在している。

 これらの魔法の才能があれば当たりと言われているが、そんな中で私が授かった魔法の才能はこの世界で何でも出来て何にも出来ない魔法と揶揄されている、幻術魔法だ。

 幻で何でも見せる事が出来ても、実際には何も意味が無いからこう言われるようになった。


 モンスターと言う脅威が存在する世界で、幻で火を出そうが水を出そうが風を出そうが土を出そうが相手をびっくりさせるだけで、なんのダメージを与える事が出来ない。

 さらに、幻術魔法の上位互換として存在するのが、洗脳魔法と言われている、こちらは対単体として最強の一角だと言われている魔法で、相手を洗脳し、幻術魔法のように幻も見せる事も出来るが、こちらは相手を操る事が出来るからだ。

 だが幻術魔法では、幻は見せれても操る事は出来ない。

 一応、洗脳魔法が単体に対して効果があるのに対して幻術魔法は多人数に見せる事が出来るので有用性はあると思われても良いはずだが、この世界では差別の対象となり、洗脳魔法の下位互換として位置付けしてしまったのだ。

 実質的な殺傷能力の無い魔法では役立たずの烙印を押されても仕方ないのかもしれない。


 だが、そんな役立たずの烙印を押されようとも、今の私がなっている元の少女は、無謀にも軍に所属しようと軍学校に通っているようだ。

 その背景には、農夫の父の元で暮らして居たのだが、そこの村ごとモンスターの襲撃に遭い村は滅んでしまった。

 この世界では良くあるような話しなのだが、この少女の父は、少女にとって、とても尊敬するような父だった。


 父親は、農業を営みながらも、村の中で租税徴収係と自警団団長を行っており、少女は国のために働き、国を守ることに憧れていた。

 そんな中でモンスターにより父親は殺されてしまい、少女は私怨からモンスターに対して強い憤りを持った。

 そんな少女が国のために、軍に所属して、モンスターを討伐しようと考えるのは当たり前の進路だったのかもしれない。

 父親が殺された日に少女は長かった髪を切るとともに誓いを立ていつか必ず父を殺したモンスターに復讐をしようと、剣を手に取った。


 それからの少女は、幻術魔法を上手く使った剣術の練習をして、ゴブリンやコボルト程度の魔物なら倒せる程には成長をし、勉強も苦手ながらも頑張ってやり、見事に軍学校へ入学する事が出来た。

 だが、そこで少女に待ち受けていたものは、学校内での壮絶なイジメであった。

 きっかけは些細な事だったんだろう、少女自身も覚えていない。

 ただ、才能が幻術魔法と知ってからのみんなの反応が変わり冷たくなった、少女を見て嘲笑し、関わりたく無い人達は少女を無視した。


 イジメは日に日にエスカレートし始めた。最初は些細ないたずらのような物だったが、どんどん、陰湿なやり口に変わり、先生まで味方につけて少女は完全に孤立していた。

 だが少女の目的はあくまでモンスターを殺す事、ここでどれだけ孤立しようがいつか自分自身の力でみんなを納得させれば良いとそれを糧にして日々研鑽に励んでいた。


 だが、イジメをする者はそれを面白くは思わなかった。

 彼らは思ったのだ、早々に退学してくれれば良いものを少女に心が折れる様子は無かった事が癇に障ったのだ。

 そうして彼らが取った行動は少女の家族に手を出す事だった。


 ある日、少女が家に帰ると、マスクを被った男が3人で母親に暴行を働いて居たのだ。

 母親は抵抗したのだろう顔に殴られたような痕があったのだが、無理を悟ったのか、涙を流しながらも無抵抗の状態で男たちにやられたい放題やられていた。

 それを見た少女は、無我夢中で母親を助けようと男たちに襲いかかった。

 その際に、1人の男のマスクが取れると、少女は驚愕した、確かに見た事がある顔そこに居たのだ。

 クラスでもカースト上位に居て、少女をよくイジメていた女の彼氏だったのだ。

 少女は激昂した。何故ここまでされなければいけないのか、少女はただ国のために働き、民のためにモンスターを殺そうと頑張っていただけなのに。

 少女は今まで何のために頑張ってきたのかそう思った時には叫ばずにはいられなかった。


「お前たちが!国を守り、民を守る立場になるお前たちが!何故こんな事が出来るんだ!」


 そう叫んだところで少女は後頭部に衝撃を受け、倒れた。薄れゆく意識の中で男達の声が聞こえる。


「くそ、顔を見られちまった、意識を無くさせたまでは良かったけどよ…あぁもうこうなったらこいつら殺すしかねぇか。おい!お前たち母親は暴漢に襲われてそのまま死んだように手で首を絞めて殺せ!こいつは、それを見て絶望して死んだように見せる!」


 そうして意識を失った少女は首を縄にくくりつけられて死んでしまう。

 男たちはそれを見て去って行ったのだが使用した縄が古かったのか男たちが去ったすぐ後に縄は切れてしまった。

 そこからはどうしてか私がこの少女の身体に入ってしまったようだ。

 お互いに首を吊ったからお互いに入れ替わった?そんな事があるのかはわからないが、私は生きて少女の身体で生きているのだから、もしかしたら少女も私の身体で生きているのかもしれない。

 まぁそれは、今となってはどうでも良い。


 今の私はこの幻術魔法と言う才能が、私に取っては1番必要な魔法の才能を手に入れたのだ!

 私の天才的な演技に演出と言う幻術魔法を手に入れた私はまさに鬼に金棒。

 

「あぁ天は私に二物を与えたのですね。」

 

 まだこれからも演技を続けられる。

 また人々に感動を与える事が出来る。 


「さぁ演じましょう!()()()()貴女の想いは私が受け継ぐわ。」

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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