第16話 ようやく肩の荷が降りました
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今日は朝早くから教会に来ている。
葬儀を行うためだが、土葬での葬儀の為、内容は火葬よりも豪華なものとなっている。
参列者にはファリンやキャベジ隊長、警備隊員の人達も多く来てくれた。
全員が来てしまうと警備が手薄になる為、一部の人達を選んで来ているようだ。
ファリンの横にはもう一人バファもいる。
みんなが母の為に来てくれてありがたいと感じて感謝した。
ゴディ神父はが聖書を読み上げ、それも読み終わる。
「…イザベル様の安らかな旅立ちとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。」
ゴディ神父の言葉に続き私達もお祈りを捧げる。
お祈りが済むと棺桶の中で、安らかに眠っている母親を見て、分かれの言葉を良い蓋を閉めた。
蓋を閉め、あらかじめ棺桶サイズに掘っていた土の中にそっと棺桶を運ぶと、その上から土をかけていく。
棺桶は特殊な方法で作られている為、ゾンビなどのモンスターに変化してしまう事は無いからこれで安心する事が出来、棺桶が全て土に埋められるのを見て私はようやく肩の荷が降りた気分になった。
この世界に来てからまだ三日しか経って居ないが、早々に事件に巻き込まれて、ジャンヌの人生を突然演じる事になった。
しかもジャンヌはすでに身寄りも居なくなってしまい、そのジャンヌも母親と共に死んでいるはずだった。
ジャンヌが生きていると知れば、母親を殺した犯人はジャンヌを殺そうとするだろう。
その為に私には味方が必要だった。
ファリンや警備隊員、バファも私の味方となってくれている。
せっかく第二の人生を歩めるのだから、歩み始めて直ぐに帰らぬ人になんてなりたく無いのだ。
その為に、私は強くなる必要があり、冒険者のランクも上げて行こうと思っている。
モンスターをたくさん討伐してレベルを上げてから、軍学校に行く。
そして軍学校に行ったらジャンヌの無念を背負って母親を殺した奴へ復讐するつもりだ。
ジャンヌの記憶の影響で、本当の母親じゃ無くても私もジャンヌの母親を本当の家族の様に感じている。
どんな理由があろうとも、あいつらを許すつもりは無いので、母親を殺した事を心の底から後悔させるつもりだ。
ジャンヌにみんなが様々な言葉で丁寧に挨拶をして、母への別れを済ませてくれている。
全ての人達が退出をして、ファリンが私に声を掛けてくる。
「ジャンヌ、今回の事は本当に、申し訳なく思っているわ。市民を守れなかったのは私達、警備隊員の不甲斐なさでもあるから。」
「いいえ、ファリン。貴女が気を病む必要はないの。悪いのは母を殺したあいつらで貴女…警備隊員が全ての市民守る事なんて出来ないわ。こうやって事件が起きた後に貴女は私を助けてくれた。それだけで十分よ。」
「そう言って貰えると嬉しいわ、ジャンヌ、私達は必ず犯人を探し出す!だから貴女は無茶をしないで?これは犯人を探すのは警備隊の仕事なんだから復讐なんて危ない事は辞めてね?」
「分かってるわ、ファリン。私はそんな無鉄砲な人間じゃないから、自分を守る為に力を付けようと思っているけど、バカな真似はしないわ。」
ファリンは私が冒険者業をやる事を知ってから心配している。
モンスターによるレベル上げを行って復讐を考えているのではないか?
警備隊に勤めているだけあって勘は鋭いようだった。
もしステータスを上げても、幻術魔法では直接的なダメージを与えられ無い為、返り討ちにあってしまうかもしれないと心配してくれているようだ。
だが私は復讐を止めるつもりは無い、ジャンヌの気持ちを体験した私には、止めようなんて感情は出てこない。
だから心配させまいと、ファリンには申し訳ないけど嘘をついたのだ。
「ジャンヌがそう言うなら信じるけど、モンスターと戦うのも危険だから絶対に無理はしては駄目よ?」
「それも分かってるわ、適正ランクのモンスターを倒すだけだから安心して。」
「そう、それなら言え、分かったわこれ以上は過保護ね。私は今日はそのまま仕事に行くけどジャンヌは冒険者業をするの??」
「えぇ、冒険者業をするわ、でも今日は昨日ゴディ神父から依頼があったクエストをやるんだけど、モンスターと戦う訳じゃないから安心して、今日は孤児院のお手伝いをするだけだから。」
「あぁそう言うことね、それなら安心ね。子供達って結構パワフルだったりするから頑張ってね!じゃあ私はあそこでキャベジ隊長が睨んでるからそろそろ行くわね。」
「うんファリンも頑張って来てね。」
そう言うとファリンは走ってキャベジ隊長の元に向かっていく。
ちなみに、バファもそちらで待っている。
きっと一度家に送ってく予定なのだろう。
ファリンは少しお節介な所はあるが私の事を思っての事だから仕方ない。
ファリンを見送った後は、私はゴディ神父の元に行き、声を掛ける。
「ゴディ神父今日はよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。みんな良い方達ですね。」
「えぇ、まだ出会ってからの日は浅いですけど、家族みたいに思っています。」
「良い巡り合いに神に感謝をします。では、孤児院には私が案内しますので着いてきてください。」
ゴディ神父には昨日、是非とも孤児院の手伝いをして欲しいと直接言われた。
見目麗しい姿をしているので、子供達もジャンヌの事を簡単に好きになってくれるはずだと言われた。
私としても冒険者ランクを上げたいので、いつかは町のお手伝い的なクエストをやろうとは思っていたので、それを早く受けるだけなので了承した。
報酬自体は雀の涙程度の額なのだが、冒険者ランクを上げる為には、一度はお手伝い的なクエストを受ける必要がある。
冒険者ギルドの評判を良くする為の処置である為、そこに属している以上はジャンヌもそれに習う必要があるのだ。
孤児院は教会から近くの場所にある為に直ぐ着いた。
孤児院では子供達が引率している先生が、見守るなか遊んでいるのが見える。
孤児院も教会の管轄の為、引率している先生も教会の関係者が行っている。
先生の元に行くと、ゴディ神父が私を紹介する。
「クオン先生、こちらが昨日話していたジャンヌさんになります。今日は冒険者ギルドのクエストを受けて頂いたので、孤児院のお手伝いをして頂きます。」
そう言うとクオン先生と呼ばれた人物は、私を見て目を見開き驚いた。
そう言った反応も慣れてきたので、最近はお決まりのパターンだなと感じつつある。
「クオンと言います、ジャンヌさん今日はよろしくお願いします。」
「ジャンヌで結構ですよ、今日はよろしくお願いします。」
「それではジャンヌと呼ばせて頂きますね、今日は子供達の相手をして貰うだけで大丈夫なんですが、少し、元気が余りまくっていると言うか、もしかしたら大変な事もあるかもしれませんが、何か分からない事があれば何でも聞いてください。」
「そうですか、実際に接して見て困った事があれば聞きますので、至らぬ所もあるかもしれませんが頑張って働きますね。」
クオン先生は、緑色のショートヘアをした女性で、身長はジャンヌと同じぐらいで、目が二重でクリクリとしている。
「それでは私はこれで失礼させていただきます。クオン先生に任せておけば問題無いかと思いますが、私は教会に居るので、もし何かあればお呼び下さい。」
そう言ってゴディ神父は孤児院を後にした。
残された私はクオン先生のご指導の元、子供達の相手をすることになった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
私はジャンヌと会った時に、神の使い、もしくはそれに準ずる者だと思った。
この美しさは人から生まれて来るとは到底思えなかった。
もし、神の使いなら神は私に何を求めているのか、私はそれを確かめる必要があると思い、ジャンヌとの関係を色濃くする為に、ジャンヌにクエストを依頼した。
ジャンヌの中身は普通の少女で、今のところ神との接点は感じられないが、いつか彼女には神から使命を受けるようなそんな気がしたのだ。
これからも、ジャンヌの動向に注意し、彼女を見守って行こうと誓った。
◇◆◇◆◇◆◇◆
この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。
名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。




