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史上最弱と言われる幻術魔法でも私が使えば最強の魔法  作者: 森レモン
街娘編

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12/28

第11話 ファンサービスは結構好きでした

 毎日21:10より投稿します。

 よろしくお願いします。

 ファリンから事の経緯を説明してもらったのだが、はっきり言って嬉しい誤算だったと言える。

 さすがにツーショット写真がこんなにプレミアム化するとは思っていなかったが、お金が思ったより手に入るなら助かるのは確かだ。

 今回は五人だけだが今後もやらないと、事態が収拾がつかないと思ったらしい。


 ファリンからしたら、もうやるとしか言えないような状況だった。

 五人しか撮れないと言う話しから、勝手に警備隊員の中で話しが一人歩きし、ツーショット写真を取る権利として多く値段を払った者に権利があるとなり、値段が高騰し過ぎてしまった。

 私もファリンも当初は、金貨一枚でも、ボッタクリの様な気分だったのだが、隊員達の様子からそれは安過ぎた様だった。

 ただ、このままの値段では流石に高過ぎるので、値下げをしないと、犯罪に手を染めてでも金を作るような連中が出て来そうだったので、今は金貨三枚が妥当だと考えて、その値段に落ち着いたらしい。

 だからか、ジャンヌの同意も得られないままに話しを進めてしまったので、ファリンは申し訳なさで泣きながら懇願したと言う話しだった。


 今後もこの活動をして欲しいと言われたが、ギルドでクエストを受けるよりも簡単に金が手に入るのだからこちらとしても願ってもないことだ。

 ただ、活動と言っても貴重な紙を使う以上は、どうしても次の撮影に時間が掛かってしまい、予定も立てられないので、そこに不満が爆発して、五人しか写真を撮れない事に対してみんなが文句を言って集まって居た所に私が来たらしい。

 その為に、この事態を収拾する為にも、ファリンとキャベジ隊長は、私に写真以外でも何かあいつらの為にしてあげて欲しいと言ってきた。

 そう言われて私は最初、先程思いついた握手会でもしようかと思ったのだが、彼らはこの世界では初めての私のファンだと言える。

 正直それほど、私の事を好きになって貰えて嬉しい気持ちでいっぱいだし、何か他にも私に出来る事は無いだろうかと思案したところ、そうだ、基本的なファンサービスを失念していた事を思い出した。

 

「今思いついたのですが、私の直筆のサインなんてどうでしょうか?私だけの書き方をするので私以外では書かないものですし、写真には劣るのですが、少しは納得して貰えると思うんです。」


 そう言うとキャベジ隊長が反応を示す。


「サインですか?それはジャンヌさんの名前をどこかに書くと言う事ですか?」


「はい、書く場所は本人に選んでもらうつもりですが、例えば服とかに私の名前と相手の名前を書いたりすれば、その人専用の服になったりします。後、書いて欲しい言葉があれば望んだ言葉を書こうと思っています。」


「なるほど、確かに写真よりは劣っても、それでひとまず納得してもらえるかもしれないですね。」


 キャベジ隊長の反応を見るに、なんとか納得して貰えそうだ。

 そうなるとジャンヌのサインをまだ考えた事が無かったので簡単に出来るサインを直ぐにでも決める必要があるけどまぁ何とかなるだろう。

 と思っているとファリンがまた一つ懸念される問題点を言う。


「そうなると値段の設定をどうするか決める必要がありますね。」


「え?このぐらい無料でしようかと思っていたのですが?」


 前の世界ではこの程度の事はファンサービスの一環としてやっていた。

 写真などは事務所から営利目的の為に止めらていたが、サインなどは特に言われなかったので、プライベートで声をかけて来る人にも応じていた。


「それはダメ!無料なんかにしたら応募者が後を絶たなくなってさらに混乱しちゃう!」


「そうなっちゃうんですね…」


 この世界での認知度なんて無いに等しいと思っていたし、前の世界なら確かに混乱する事もあったかもしれないけど、日本ではみんな遠慮してか、プライベートでは騒ぎにはなったりしなかった。

 まぁ確かに海外だとボディーガードも居てあまりファンに近づけさせないようにされていたし、この世界の人達も歯止めが無いと危険なのかもしれない。


「これって殆ど経費も掛からないんですけど、どのぐらいの値段で受けたら良いですかね?」


 そういうとファリンもキャベジ隊長も頭を悩ませる。

 二人が言うには全財産を支払っても良いと言う奴らが出て来るかも知れないそうだ。

 そんな事になったら、その後の生活が困窮してしまい、警備隊全体の能力が著しく下がってしまう可能性だってあるからだ。

 写真を撮るまでのちょっとした娯楽程度で良いので手を出しやすい金額にしたいとの事だった。

 それから三人で話し合ってサインは銀貨一枚で受ける事にした。

 この世界の給料事情を考えたらこのぐらいが妥当だと思えたからだ。

 そうと決まれば話しは早かった。

 それからみんなの前で事情を説明して、今後の活動方針も伝えた。

 

「最後に私からお願いがあります。決して犯罪には手を染めないで下さい。生活に無理のないようにして下さい。その約束が守れないならこの活動はここで止めます。」


 そういうとみんなは青ざめた顔になり、それだけは勘弁して欲しいと言って騒いでいた。

 ここまで来たら私はもう、教祖に近い存在になってしまったのではないかと、どこか宗教じみた気分になったがみんなが約束を守ってくれるならそんな存在でも良いと思った。

 騒ぎが収まったので、まずは撮影会から行う事にした。

 最初に選ぶ五人だが今回はくじ引きをして選ぶ事にした。

 次回からはこちらに任せて欲しいとキャベジ隊長が言っていたので、何かいい案でもあるのだろうと思い、こちらとしては誰でも良かったので全て任せる事にした。

 くじ引きをして選ばれた五人をみんなが恨めしそうに見えている。

 もしかしたらここで騒ぎが起きるかもと思ったが騒いで活動休止なんてなったら元も子もないと気づいたのだろうお利口にしている。

 撮影会は始まってしまえば呆気ないほどに無事に終わった。

 ファリンが魔力の使い過ぎでしんどそうにしているので、今回の報酬は多めにしたい。

 最初の取り決めよりも収入が増えたのでもう一度話し合う必要がありそうだ。

 それにキャベジ隊長にも色々と動いてもらって迷惑も掛けているので報酬を渡した方が良いだろうと考えている。


 撮影会を行った五人は凄く幸せそうにしていた。

 写真を撮った事が無かったからだろうか、カチコチな表情でいたので、笑顔笑顔と言ってポーズの仕方もレクチャーした。

 前の世界でもたまにプリクラなどを撮りに行って流行りのポーズをしたもんだ。

 芸能の世界に携わっていると、若い子達からも良く話しを聞いたりしてたので、常に情報をアップデート出来ていた。

 ただ、教えてもらうとちょっとやりたくなったりするので、写真でポーズを練習したりもしていて自分もそれなりにハマってた気がする。

 前の世界だとピースがダメな国があったりしたがこの国だとどうだろうか?ジャンヌの記憶にも無いので今度ファリンに確認してみようと思う。

 今回はツーショットなので、顔に手を当てて二人でハートを作ったり、猫のポーズをしたり、腕を曲げてライオンが威嚇している風にガオーとするポーズなどもした。

 やってるうちに楽しくなって来たし、五人の人達もあんな写真一枚で、金貨三枚もしたのに満足そうで良かったと思う。

 写真の裏にはサインを書こうと思っていたのでjehanneと書いた。jの点の部分をハートにしてeの書き終わりの所にもハートを入れて可愛くして置いた。

 アルファベットは筆記体で書いているので、サインを書く時間は直ぐに終わる。

 みんなはそれを見て凄く喜んでくれた。

 これだけ喜んでくれると私も嬉しくなってしまうのだった。

 この物語は異世界の話しでありパラレルワールドの話しです。

 名称などの実在の地名、企業名、人名、商品名、団体名などとは関係ありません。

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