第16話 弟・ゆうたのダンジョン見学
―― 週末の朝、自宅リビング ――
週末の朝、リビングでゆうたが俺に飛びついてきた。
「兄ちゃん! 今日パーティーの練習見に行っていい!?
絶対見たい! 凛おねえちゃんの回復とか剛お兄ちゃんの盾も!」
ゆうたの目がキラキラ輝いている。
母の恵子さんが心配そうにキッチンから声をかけた。
「健太、ゆうたを連れて行くなら絶対に安全なところだけよ?
危ない時はすぐに帰ってくるのよ」
俺は笑って頷いた。
「大丈夫だよ。お母さん。安全エリアで見学するだけだから」
花に連絡すると、すぐに「ゆうた君来るの!? 楽しみ!」と返事が来た。
こうして、家族で見学に行くことになった。
―― 午後、廃墟ダンジョン安全エリア ――
廃墟ダンジョンの入口近く、安全エリアに到着した。
ゆうたは俺の手を握りしめながら、目を丸くしている。
「わあ……本物のダンジョンだ!」
花がゆうたを見て笑顔で手を振った。
「ゆうた君、こんにちは! 今日はよろしくね」
剛が盾を軽く叩いて笑った。
「よし、兄ちゃんの弟! 今日は俺がカッコいいところ見せてやるぜ!」
凛も静かに微笑んで、ゆうたに軽く頭を下げた。
「…ゆうた君、こんにちは。危ないところは絶対に来ないでね」
俺はみんなに言った。
「安全エリアで軽く練習するだけだから、みんな気をつけて」
4人で軽い練習バトルを始めた。
剛が盾を構えてスライムを受け止め、花が流星剣で素早く切り裂く。
凛が癒しの光で剛をサポートし、俺が指揮を入れて全体をまとめる。
ゆうたは安全エリアの柵の後ろから目を輝かせて見ていた。
「兄ちゃんすげえ! 凛おねえちゃんの光、キレイ! 剛お兄ちゃんの盾カッコいい!」
恵子さんは少し離れたところで心配そうに見守っている。
練習が一段落したとき、突然空気が歪んだ。
小さなゲートが安全エリアの少し離れたところに開き、スライムが数体溢れ出した。
「えっ!?」
ゆうたが驚いて後ずさった瞬間、スライムの一体がゆうたに向かって飛びかかった。
「ゆうた!」
俺は即座に全力で駆けつけた。
努力の結晶が限界まで回転する。
息が上がる。心臓が激しく鳴る。
「まだ……いける……!」
俺は石を投げてスライムを引きつけ、体を張ってゆうたを庇った。
花が流星剣でスライムを切り裂き、剛が盾で残りを弾き飛ばす。
凛が癒しの光で俺の傷を即座に回復した。
「…ケンタさん、大丈夫ですか?」
スライムを全滅させた後、俺はゆうたを抱き上げた。
「大丈夫か、ゆうた?」
ゆうたは少し震えながらも、俺の胸に顔を埋めて言った。
「兄ちゃん…かっこよかった……」
恵子さんが駆け寄ってきて、俺とゆうたを抱きしめた。
「健太……ありがとう。本当にありがとう……」
その瞬間、俺は改めて思った。
家族を守るためにも、もっと強くなりたい。
―― 事件後、安全エリア ――
事件が収まった後、ゆうたが凛に近づいて言った。
「凛おねえちゃん、さっきの光、すげえキレイだった!」
凛が少し照れくさそうに微笑んだ。
「…ありがとう、ゆうた君」
剛がゆうたの頭を軽く撫でた。
「次は俺がお兄ちゃん役で守ってやるぜ!」
花がみんなを見て明るく言った。
「今日は少し危なかったけど、みんな無事でよかったね」
俺はみんなの顔を見て、心の中で誓った。
(家族も、パーティーも、絶対に守る)
この出来事が、俺たちをさらに強く結びつけた。




