第14話 部内大会予選! 連携の進化
―― 大会当日、学校裏のEランク小ダンジョン入口 ――
大会当日、学校裏のEランク小ダンジョン前は人で溢れていた。
クラスメイトが地面に座ったり、木陰に立ったり、スマホを構えて動画を撮ったりと、まるで本物の大会会場のような賑わいだ。
高橋先生が拡声器を手に、声を張り上げた。
「よし、部内大会予選スタートだ!
参加チームは5チーム! トーナメント形式で勝ち上がれ!
優勝チームには俺がおごりでファミレスだぞ! みんな、応援よろしく!」
クラスメイトたちの歓声が一気に爆発した。
俺たちはゲート前に並び、深呼吸をした。
花がみんなの手を順番に握って言った。
「みんなで勝つよ! 絶対に! 私たちならできる!」
剛が盾を叩いて大声で笑った。
「兄貴! 俺が全部守るから、好きに暴れろ! ファミレスでハンバーグ大盛り食い放題だぜ!」
凛が静かに、でも力強く頷いた。
「…弱点は私が全部共有します。みんなを信じています」
俺は胸に熱いものがこみ上げて、みんなに声を掛けた。
「よし、予選突破だ! みんな、行くぞ!」
―― 1回戦、他クラスチームとの対戦 ――
1回戦の相手は剣士2人+ヒーラー1人のチーム。
ダンジョン内に入ると、すぐに強化スライム3体+ゴブリン群5体が出現した。
凛が解析の眼を起動し、冷静に共有した。
「スライムの弱点は核部分、ゴブリンは頭部です。
相手チームは剣士が前衛、ヒーラーが後衛にいます。剣士の攻撃パターンは左右交互です」
俺は指揮の鼓動を最大に発動。
「剛、正面で引きつけて! 花、右から回り込んで剣士を狙え! 凛、タイミングを教えて! 俺は援護と全体指示!」
剛が鉄壁の盾を構えて前に出る。
「うおおお! 来いよ!」
剣士の一人が剛に斬りかかるが、盾で完全に受け止める。
剛が突進の咆哮を上げ、相手の前衛を押し返す。
花が軽やかステップで右側に回り込み、流星剣を連発。
「はあっ!」
青い軌跡が剣士の左腕を切り裂き、相手の前衛が崩れる。
凛が癒しの光を剛に降らせ、影の守護で全体に薄いバリアを張った。
「…剛さん、HP70%。剣士の次の攻撃は右から来ます」
俺は石を投げてゴブリンを牽制し、回避しながら指示を飛ばす。
「花、剣士の右側を! 剛、耐えて! 凛、回復を剛に集中!」
相手の剣士が剛に集中攻撃を仕掛ける。
剛のHPが半分以下に落ちた瞬間、凛が一瞬迷った。
トラウマの残り香がよぎる。
「…あ……」
でも、俺の声が響いた。
「みんなで守る! 凛さん、今だ!」
凛の目が焦点を取り戻した。
彼女は深呼吸をして、影の守護を最大に展開。
バリアが全員を包み、剛のHPを癒しの光で回復。
花が「今だ!」と叫んで流星剣を叩き込み、相手の剣士を倒す。
剛が盾で最後の突進を決め、ゴブリン群を一掃。
相手チームが降参した。
【経験値獲得】
【レベルが13に上昇しました】
【努力の結晶 Lv3.4に上昇。共有効果微増】
―― 予選突破後、学校裏 ――
予選突破の瞬間、クラスメイトが大歓声で駆け寄ってきた。
「おめでとうー!」
「すげえ連携だったぞ!」
「凛ちゃんのバリア神!」
「剛の盾固すぎて笑った」
「花の剣カッコよすぎ!」
「健太の指揮ヤバいなあ」
「探索部優勝だろ!」
「俺も入部したい!」
「次は決勝見に行くぞ!」
「ファミレス楽しみだな!」
みんながハイタッチを求めてくる。
俺たちは汗だくで笑い合い、ハイタッチを繰り返した。
花が俺の隣で息を整えながら、そっと言った。
「ケンタくん…みんなで守ってくれて、ありがとう。
ケンタくんがリーダーじゃなかったら、こんなに楽しくなかったよ」
その言葉に、心の中で温かいものが広がった。
剛が大声で叫んだ。
「次は決勝だぜ! 絶対優勝!」
凛が静かに微笑んだ。
「…みんなと一緒なら、怖くないです」
俺はみんなの顔を見て、胸がいっぱいになった。
「うん。決勝も、みんなで勝とう」
予選突破の喜びが、学校全体に広がっていた。
決勝への道が、開かれた。
―― 予選後、部室での休憩 ――
部室に戻ると、先生が拍手をしながら迎えてくれた。
「予選突破おめでとう! あの連携は見事だったぞ。
決勝は観客が増えるだろうから、もっと派手にいけ!」
剛が汗を拭きながら笑った。
「先生、ファミレスでハンバーグ大盛り確定ですね!」
花がみんなにジュースを配りながら言った。
「みんな、疲れたよね。少し休憩しよう。
凛さん、さっきのバリア、ほんとに助かったよ」
凛が紅茶を手に、少し照れくさそうに答えた。
「…みんながいてくれたから、迷わずに動けました。
ケンタさんの声が、背中を押してくれた」
俺はみんなの顔を見て、改めて思った。
この4人なら、決勝もきっと勝てる。
―― 夜、自宅リビング ――
家に帰ると、ゆうたが飛びついてきた。
「兄ちゃん、大会どうだった!? 予選勝ったって聞いたよ!」
俺は笑ってゆうたを抱き上げた。
「ああ、みんなで勝ったよ。決勝も頑張る」
母の恵子さんがキッチンから声をかけた。
「健太、怪我はない? みんなと一緒に楽しそうね」
俺は頷いた。
「うん。みんながいるから、楽しいよ」
夜、ステータス画面を開いた。
【努力の結晶 Lv3.4】
共有効果微増
決勝への期待が、胸を熱くした。




