第13話 学校探索部「部内大会」開催決定
―― 学校の朝、ホームルーム ――
朝のホームルームが始まると、高橋先生がいつもの熱血スマイルで教室に入ってきた。
「みんな、いいニュースだ! 探索部で『部内大会』を開催することにしたぞ!
他のクラスも参加OK、優勝チームは俺がおごりでファミレスだ!」
教室が一瞬静まり返り、次の瞬間、どっと沸いた。
「マジすか!?」
「探索部って本気で大会やるんだ!」
「優勝したらファミレス無料!? 俺も出たい!」
「佐藤たち、優勝候補だろ?」
「凛ちゃんの回復と解析がヤバいって聞いたぞ」
「剛の盾も強そう…凡人だった佐藤が今やリーダーかよ」
「花ちゃんの剣技もカッコいいしな」
「探索部、最近めっちゃ話題じゃん!」
「俺、入部したいかも…」
「大会見に行こうぜ!」
クラスメイトたちの声が次々と飛び、視線が俺たち4人に集中した。
俺は少し照れくさくなりながらも、隣の花と目が合った。
花が小さく微笑んで親指を立ててくる。
剛が後ろの席から身を乗り出してニヤニヤした。
「兄貴! これはチャンスだぜ! 俺の盾で全部守ってやる!」
凛は窓際の席で静かに微笑み、ノートに何かメモを取っていた。
先生が手を叩いて締めくくった。
「詳細は放課後、探索部室で説明する! 参加希望者は部室に来い!」
ホームルームが終わると、クラス中が大会の話題で持ちきりになった。
―― 昼休み、学校屋上 ――
昼休み、花が凛を誘って屋上に上がった。
二人でお弁当を広げ、花が明るく声を掛ける。
「凛さん、大会楽しみだね! 凛さんの解析があれば絶対勝てるよ。
優勝したら、どんなデザート食べたい? 私はストロベリーパフェ!」
凛が紅茶を一口飲んで、少し照れくさそうに答えた。
「…私はアップルパイがいいかも。
花さん。明るく引っ張ってくれて、ありがとう。
最近、みんなの動きが予測しやすくなってきて…私も、もっと頑張れそう」
花が凛の手をそっと握った。
「凛さん、最近笑顔が増えたね。本当に嬉しいよ。
大会でみんなで勝ったら、もっと笑顔になれるよね」
凛の目が少し潤み、初めてはっきりとした笑みが浮かんだ。
「…うん。みんなと一緒なら、勝てる気がする」
二人の会話は穏やかで、屋上の風が優しく髪を揺らした。
―― 放課後、探索部室 ――
放課後、部室に4人が集まった。
高橋先生がホワイトボードに大会スケジュールを書きながら説明した。
「予選は明後日、学校裏のEランク小ダンジョンで実施。
参加チームはすでに5チーム集まってる。他クラスからもかなり来てるぞ。
予選はトーナメント形式、決勝は観客の前でやるからな!」
剛が拳を握って叫んだ。
「よっしゃ! 俺の盾で全部守ってやるぜ! ファミレスでハンバーグ大盛り食い放題だ!」
花が目を輝かせて言った。
「みんなで優勝しよう! ファミレスでみんなでデザート食べたい!
凛さん、解析データまとめてくれてありがとう!」
凛がノートを広げて冷静に言った。
「相手チームのデータは私がまとめておきます。
剣士中心のチーム、魔法使い+ヒーラーのチーム…弱点は全部洗い出せます。
みんなの動きに合わせて、タイミングを調整します」
俺はみんなの顔を見て、声を張った。
「よし、作戦会議だ。
俺は全体の指揮を、凛は解析と回復、花は攻撃の要、剛は盾でみんなを守る。
みんなの力を合わせて、絶対優勝する!」
4人で意見を出し合い、作戦を固めていく。
剛が盾を叩きながら言った。
「俺は正面で全部受け止める! 兄貴の指示通り動くぜ!」
花が笑顔で言った。
「私は右から回り込んで剣撃連発! 凛さんのタイミングで一番効果的に!」
凛が静かに頷いた。
「…みんなの動きが、どんどん予測しやすくなってきた。
これなら、大会でも勝てると思います」
その言葉に、部室が温かい空気に包まれた。
―― 大会前日、廃墟ダンジョン入口近く ――
大会前日の夕方、4人で軽く練習するために廃墟の安全エリアに来た。
スライム数体を相手に本番さながらの連携練習。
俺は指揮の鼓動を全力で発動し、みんなの動きを強化。
「剛、耐えて! 花、右から回り込んで! 凛、タイミングを!」
剛が鉄壁の盾でスライムを受け止め、酸性の体液を弾く。
「うおおお! 来いよ!」
花が軽やかステップで横に回り込み、流星剣を連続で放つ。
青い軌跡がスライムを切り裂く。
凛が癒しの光で剛の傷を即座に回復。
「…タイミング、完璧です」
俺は回避しながら指示を飛ばし、長時間動き続ける。
汗が額を伝い、息が上がる。
でも、努力の結晶が体の中で全力回転した。
「まだ……いける……!」
練習が終わると、みんなで息を整えながらハイタッチした。
花が俺を見て、少し頰を赤らめて言った。
「ケンタくん、みんなを引っ張ってて…かっこいいね」
剛が大笑いしながら言った。
「兄貴、明日絶対優勝だぜ!」
凛が静かに、でも力強く頷いた。
「…私も、みんなと一緒に頑張ります」
俺は胸に熱いものがこみ上げてきた。
「うん。明日、絶対勝とう」
夜空の下、4人の影が長く伸びていた。
大会の幕が、明日に迫っていた。




