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婚約破棄された私の追放先は、断罪学園と呼ばれる楽園でした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第8話 繰り返される断罪と、二人の本音

 そこには大勢の学生たちが輪になって

集っていた。


そして輪の中心にいるのは、

一人の男子学生と二人の女子学生。


一人は男子学生の傍にピタリと寄り添い、

二対一で対峙している。


「こ、これは……もしかして……」


見覚えがある! 

あれは……まさに……!


「恐らく断罪劇だろうね」


私が口を開くより早く、

エドワードがポツリと口にする。

もはや彼は顔面蒼白になっていた。


「そ、そうですね……」



今から約一月前。


私はまさに今のような状況に追いやられていた。

何だか自分が断罪されている気持ちになってくる。


大勢のギャラリーの前で、

容赦なく断罪は続いている。


「何故ですか!? ケビン様!

一体私が何をしたというのです!?」


男子学生と対面している赤毛の女子学生が

必死に訴えた。


すると……。


「ハッ! とぼけるつもりか!?

俺が何も知らないとでも思っているのか!?

だが俺は知ってるぞ!

お前はその醜い嫉妬心から、

俺が愛するニーナの命を狙ったということをな!」


おおっ!

私が言われた台詞と全く同じことを言っている!


複雑な気持ちになって見つめていると、

隣に立つ女子学生が男子学生にすり寄る。


「ケビン様、怖いです。

アリス様が私を睨んでいます」


「よしよし、可哀そうに……大丈夫だ。

安心するがいい。俺がついている」


その様子を集まっている学生たちが、

真剣な表情で見つめている。

誰一人として口を開く者はいない。


「何て恐ろしい学園なのだろう。

誰も止めようとしないなんて」


眉をひそめて呟くエドワード。


「……そうですね」


私も同意する。


「けれどここで断罪されたら、

次はどこへ行けばいいのでしょうね?」


「あ、確かにそうだね。

ここが断罪の行き着く果てなのに……」


「本当ですよね」


相槌を打ちながらも、

私は学生たちの姿に注目していた。


全員濃紺に金糸の模様が装飾された、

揃いの服を着ている。

ひょっとすると、あれが制服なのだろうか。


「エドワード様。……あの制服、

ちょっと素敵なデザインだと思いませんか」


それどころではないのに、

なぜか制服に目が入ってしまった。


「え?  そ、そうだね」


面食らった様子でエドワードが返事をした

その時。


「お二人とも」


突然、副理事長が背後から声をかけてきた。


「「ひっ!!」」


思わず揃って引きつった声を上げて

振り返る。


「お楽しみのところ申し訳ありませんが、

そろそろ理事長の元へ参りましょう」


ニコニコ笑みを浮かべる副理事長の言葉に、

背中が寒くなる。


「「お、お楽しみ……?」」


もはや私とエドワードは一心同体とでも

言わんばかりに、

言葉が綺麗に重なる。


「はい、また目にする機会はありますから」


「目にする……」


「機会……ですか?」


私に続き、エドワードが声を震わせる。


「はい、近いうちに必ず。

では、参りましょう」


意味深なセリフを言う副理事長。

すぐに背を向け、スタスタと歩き始める。


「い、行こうか? アメリア」


「そ、そうですね。エドワード様」


副理事長に尋ねたいことは山ほどあったが、

怖くて尋ねることも出来ない。


二人並んで、

一定の距離を置いて副理事長の後を追う。


「……アメリア」


歩きながらエドワードに話しかけられた。


「はい、エドワード」


「……笑わないで聞いてくれるかい?」


「もちろんです。

今は笑える気分ではありませんので」


大真面目に頷く。


「あぁ、良かった。なら聞いてくれるかな?

実は……副理事長には聞きたいことが山ほど

あったのだけど……

怖くて何も聞くことが出来なかったんだよ。

情けないだろう?」


エドワードの言葉に、私は首をブンブンと振る。


「いいえ、情けなくなんかないですよ。

だって私も聞きたいことが星の数ほどありましたが、

怖くて聞けませんでしたから」


「本当かい? 良かった。

僕たち、気が合いそうだ」


笑顔で見つめてくるエドワード。


「そ、そうですね。気が合いそうです」


ドキドキしながら頷き……

理事長室で、さらに私はドキドキすることになる――

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