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婚約破棄された私の追放先は、断罪学園と呼ばれる楽園でした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第7話 恐怖の定例会と、婚約破棄の叫び

 私たち三人は中庭が見える、

大理石で作られた回廊を歩いていた。


庭には美しい薔薇が咲き乱れている。

なんて奇麗なの……。


「エドワード様、

断罪者たちばかりが集まる学園なのに、

美しい中庭だと思いませんか?」


隣を歩くエドワードに小声で話しかける。

副理事長は私たちの数歩先を歩いているので、

会話に気付かれないはず。

……多分。


「エドワード様、じゃなくてエドワードだよ」


こそっとエドワードが耳元で囁いてくる。

彼の吐息が耳に当たり、

思わず顔が熱くなる。


「そ、そうですね。エドワード」


私の心臓はドキドキと早鐘を打っている。

……きっと学長に会う緊張のせいだろう。


エドワードは中庭をじっと見つめ、

再び小声で囁いてきた。


「確かに美しい薔薇だよ。

だけど、それこそがこの学園の

象徴そのものなんだよ。

きっと」


「象徴……ですか? この薔薇が?」


え? 一体どういうこと?


「いいかい、美しい薔薇には棘がある」


「はい、確かに棘がありますね」


「そして、悪女。

もしくは悪漢に薔薇はつきものだ」


大真面目な顔で語るエドワード。


「薔薇……ですか?」


私は元・婚約者と、

お相手の女子学生の姿を思い浮かべる。

言われてみれば、

確かに二人とも薔薇が似合いそうだ。


「はい、確かに薔薇は

欠かせないかもしれませんね」


「うん、つまりそういうことだよ。

この学園は断罪者たちばかりが

集う場所だからね」


「なるほど、ですね」


考えてみれば、先ほどから私たちは

この学園に対して随分酷いことばかり

語り合っているかもしれない。

これから通う学びの場になるのに。


……副理事長に声が届いていませんように。


深刻な表情を浮かべたエドワードの

語りは続く。


「薔薇が似合う彼らは、

例えばああいう場所で集まって、

排除する者を断罪するのだろうね」


エドワードは前方に見える

円柱型の大きな建物を指さした。


白い石壁に青い屋根が何とも言えず美しい

建造物が見える。


「あの建物……一体なんでしょうね?」


「さぁ。僕には分からないけど、

きっと怪しい建物に違いないよ」


「そうですね。

美しくも怪しい建物なのでしょうね」


二人でコソコソと話をしながら、

ジョージ副理事長の後をついて歩く。


やがて怪しげな建物が徐々に近づいてきた。

その時――


「お前のような女とは婚約破棄だ!!」


突如として、

鋭い声が円柱の建物の中から響き渡った。


「「え!?」」


二人で同時に飛びあがる。

すると前方を歩いているジョージ副理事長が

足を止めて振り返った。


「あぁ、そういえば今日は定例会の日でしたね」


「「て、定例会……?」」


私とエドワードの声が綺麗に重なる。


「はい、そうです。

ちょっと覗いてみましょうか?」


ジョージ副理事長がスタスタと円柱の建物へ

近づいていく。


「ど、どうしますか……?」


震え声でエドワードに尋ねる。


「ど、どうするも何も……僕たちだけでは

理事長室に辿り着くことは出来ない。

だから、ついていくしかないだろうね」


若干エドワードの顔が青い。

でもきっと、私の方がもっと青い顔かもしれない。


「そ、そうですね……い、行きましょうか」


「うん、行こう。大丈夫、僕たちはずっと一緒だ」


「は、はい」


ずっと一緒……。

不謹慎ながらときめきを感じつつ、

私たちは副理事長の後を追った。


そして……驚愕の光景を目にすることになる――

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