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婚約破棄された私の追放先は、断罪学園と呼ばれる楽園でした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第6話 地獄へ続く? 第一歩

ギィイイイイ~


重々しい音を立てて、

ゆっくりと鉄の大扉が開かれる。


ついに『フレデリック学園』……

別名、『断罪学園』の全貌が

明らかになった。


「す、すごいわ……」


目の前に広がる光景に、

私は目を見開いた。


そこは想像していた「地獄」とは全く違う。

息をのむほどに豪華絢爛な世界だった。


馬車が何台も並んで走れそうな、

幅広い石畳の馬車道。


石畳は正面へと真っすぐ伸び、

そのはるか先には白亜の宮殿のごとく

立派な3階建ての建造物が見える。


青空に向かって何本もの尖塔が伸び、

壁に施された精巧な金色の装飾が

太陽の光を浴びて眩いほどに

きらめいている。


馬車道の両脇には美しく整えられた

緑の芝生の絨毯が敷き詰められ、

青い空に良く映えた。


左右には大理石で作られた円形の噴水が

勢いよく水を噴き上げ、

水しぶきがあたりをキラキラと輝かせている。


天国というものが本当に存在するのなら、

おそらくこういう世界なのだろう。


きっと……いや、多分。


「地獄、のはずだよね……?」


向かい側に座るエドワードが、

完全に魂の抜けたような声で呟く。


「はい……。

どう見ても極悪人が囚われているような

場所には見えませんね……。

むしろ、私には天国のように見えます」


『この島は最高だよ。

住めば天国だ。

充実した生活を楽しむといい』


ふと、

船を降りたときの船乗りの言葉を

思い出す。


「うん、そうだね。

僕も錯覚を起こしそうだよ。

ここは本当に地獄なのだろうかって。

でも油断大敵。

気を引き締めていこう」


エドワードが真剣な眼差しになり、

私はコクリと頷く。


「そうですね、油断大敵……ですね」


不安な気持ちの私たちを乗せた馬車。

速度を落とすことなく

ガラガラと石畳の上を走り続け、

ついに学園の正面口に到着した。


ガタン!


軽い音を立てて馬車が止まる。


「着いたね……」


「はい、とうとう

着いてしまいましたね……」


エドワードの言葉にコクリと頷く。

妙な緊張感が馬車に漂い……。


キィ~


音を立てて扉が開き、

ジョージ副理事長が笑顔で現れた。


「到着いたしました。

どうぞ、降りてきてください」


「「は、はい!!」」


二人同時に返事をし、

エドワードに続き馬車から降り立った。


「すごい……」


改めて間近に見る『断罪学園』、

別名『フレデリック学園』に息を飲む。


まさに白亜の城と言っても

過言ではないほどに豪奢な石造りの校舎だった。


アーチ形の青い巨大扉には、

この学園の紋章だろうか?

ユニコーンが刻まれている。


ジョージ副理事長が馬の手綱を

校舎のリングに括り付けているのを待つ間、

隣にいるエドワードに小声で話しかけた。


「本当に豪華な建物ですね、

まるでお城みたいです。

あ、でもお城には一度も行ったことは

ないのですけどね。

私たちのような断罪された者たちが

通うにはもったいないくらいです。

エドワードも、そう思いませんか?」


「え? あ……そうだね。

僕もそう思うよ」


エドワードは神妙な顔つきで

校舎を見上げている。


そこへ馬を繋ぎ止めたジョージ副学長が

声をかけてきた。


「お待たせいたしました。

まずは理事長の元へご案内いたします」


「「はい……」」


ニ人で同時に頷く。


いよいよだ……。


ここの学園長であり、

創設者のフレデリック理事長に対面する。


「では、参りましょう」


ジョージ副理事長が前を向くと歩き出す。


「い、行こうか。アメリア」


強張った顔でエドワードが声をかけてきた。


「はい、エドワード……様」


私とエドワードは、

地獄へ続く第一歩を踏み出した――


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