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婚約破棄された私の追放先は、断罪学園と呼ばれる楽園でした  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第22話 断罪学生には聞くな!

「あ、あの! お待ちください! 

定例会って、そもそも何のことでしょうか!?」


「そうですよ、理事長!

それに彼女が主役とは一体どういうことですか!?」


私とエドワードは、藁にもすがる思いで

必死に尋ねた。


「あぁ、定例会と言うのはね……」


フレデリック理事長が思わせぶりに口を開きかけた、

その時。


――コンコン


静かな部屋に、

タイミング悪く扉をノックする音が響き渡った。


「入りたまえ」


理事長が優雅に口元をナプキンで拭きながら応じると、

重厚な扉が開かれ、

先ほどのジョージ副理事長が厳しい表情で

姿を現した。


「失礼いたします、理事長。

例の姉妹校からの来客がお見えになっております」


「「えっ!? 姉妹校!?」」


私とエドワードの驚愕の声が、

またしても綺麗に重なる。


(し、姉妹校……!? 

この恐ろしいフレデリック学園の姉妹校だなんて、

一体どれだけ凶悪な悪党の巣窟だというの!?

もしかして、他所の島からもっと

恐ろしい人物を呼び寄せたのかしら……!)


恐怖で震える私。


「おお、もうそのような時間か」


カタンと椅子を鳴らして理事長が立ち上がると、

私たちを振り返った。


「私は来客の対応の為、

もう行かなくてはならないが……

君たちはゆっくり残りの食事を

楽しんでいくといい。

九時になったら迎えの者が来るので、

それまではこの部屋で大人しく

待っているといいよ」


「えっ!?」


「こ、ここでですか……!?」


そんな! 

まさか、この理事長室で待てというの!?

いつどんな恐ろしい人物が訪ねてくるかも

知れない、この部屋で......!


エドワードも私と全く同じ恐怖を抱いたのか、

その顔がみるみる青ざめていく。


「それでは、引き続き良い朝食を」


理事長は笑顔でひらひらと手を振ると、

案内役の副理事長と共に

部屋を出て行ってしまった。


――パタン


重々しい扉が閉じられ、

完全に隔離された空間に取り残された瞬間。


私とエドワードは、

弾かれたように同時に互いの顔を見つめ合った。


「エドワード……! ど、どうしましょう!

私……つ、次の定例会とやらで、

見せしめの主役に抜擢されてしまいました……!!」


恐らく今の私の顔は、

血の気が引いて真っ青になっていることだろう。

ガタガタと震えが止まらない。


「アメリア……! だ、大丈夫だ。

落ち着いて。多分……そう、

多分そんなにすぐ定例会とやらが

開催されることはないよ。

きっと何かの間違いか、

ただの脅しに決まっているよ」


「そ、そうでしょうか……?」


すがるような気持ちで問い返す私の声は、

情けないほど震えていた。


「そうだよ。だって考えてもみてごらん。

僕たちは、この学園に転校してきたばかりだ。

そんな学園の右も左も分からないような人間に、

いきなり定例会の主役なんていう

重要そうな大役をやらせるとは思えない」


エドワードは自分自身にも言い聞かせるように、

必死な面持ちで言葉を重ねる。


「だからアメリア、まずは様子を見るんだ」


「よ、様子……?」


「そう、様子だよ。

少しずつ学園の情報を集めて、

その定例会とやらがどういうものなのか、

こちらから探りを入れるんだ」


冷静さを取り戻そうとするエドワードの言葉が、

徐々に熱を帯びてくる。


「でも、どうやって探りを入れるんですか?」


「そうだな……まずは学園の先生に

『定例会とは何でしょうか』と、率直に尋ねてみよう。

教師なら学生よりは信用できる。

だけど学生たちに聞いては絶対に駄目だ。

彼らは全員、百戦錬磨の『断罪学生』たちだからね。

僕たちのような新入生に、

正直に答えてくれるとはとても思えない」


「そうですね……私もエドワードと同じ考えです」


私はコクリと深く頷いた。


(ついにエドワードも、この学園の生徒たちを

明確に『断罪学生』と言い切ったわ。

やはり彼は頼もしい私の戦友だわ……!)


こうして私とエドワードは、

教師の迎えが来る九時までのわずかな時間。


冷めかけた超豪華な朝食を震えながら口に

詰め込みつつ、

決死の作戦会議を練り続けるのだった――

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