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転生聖女ー運命に抗う姫と三人の皇子ー  作者: 日昇
第二章 三人の皇子との同居生活

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四、玲莉の行方

道が悪いせいか馬車が揺れるため、玲莉(リンリー)は馬車酔いしそうになっていた。

(田舎の道でもこんなに揺れないわよ。コンクリートの道路って素晴らしいものだったのね)

玲莉はそんなことを考えながら、この状況を打破することができないか考えていた。

(そういえばこの前は私の力を見た人たちの記憶も消せたし、眠らせることもできていた。試してみるか)

玲莉は心を落ち着かせて集中した。

玲莉は頭の中に自分の望む結末のイメージを思い浮かべた。

(頼むよ、王玲莉(ワンリンリー)

玲莉は屋敷で練習している時よりも強い力の流れを感じた。

玲莉が目を見開いた瞬間、玲莉を中心に淡い光が広がっていった。

外では人が倒れるような音がしていた。そして、馬車が急に止まった。

(成功したの?)

玲莉はなんとか口を塞いでいた布をずらし、口の中の布を吐き、大きく深呼吸した。

玲莉は膝を立てて座り、足を前に出し、お尻を引きずるようにして、馬車の外へ出た。

玲莉が馬車の周りを見渡すと、男たちはその場で倒れ、眠っていた。

「私、よくやった」

玲莉は男たちから解放されたことを喜んでいたが、手足が縛られているので、思うように動けなかった。

見渡すかぎり背の高い木々が生い茂っており、自分がどこにいるか全くわからなかった。

(ここはどこ?これからどうしよう・・・)

玲莉は男たちがいつ起きるかもわからなかったので、とりあえず、この場から離れることにした。




「あの光は何だろう?」

ある男は少し遠く離れたところに淡く輝く光を目にした。しかし、その光が見えたのはほんの一瞬だった。

男は好奇心にかられ、光の方へ足を運んでいった。




寒松(ハンソン)を先頭に冬陽(ドンヤン)劉翔宇(リウシャンユー)李義(リーイー)白庭(バイティン)は馬で駆け抜けてた。

寒松は時々止まりながらも、迷いなく進んでいた。

劉翔宇たちは大丈夫なのかと思いながらも、今は寒松の嗅覚に頼るしかなかった。

寒松は冬陽に何か合図をしていた。

「翔宇殿下、皇太子殿下、玲莉お嬢様に近づいているようです」

劉翔宇と李義はお互いに顔を見合わせ、笑みを浮かべ頷いたが、好敵手になぜ笑顔を向けているのだと互いに思い直し、無表情になり、顔を背けた。




玲莉はぴょんぴょんとウサギのように跳ねながら、敵が眠っている場所からなるべく離れようと必死に進んでいた。

(もうさすがにここまでくれば大丈夫かな)

玲莉後ろを振り向きつつ、前に跳んだ瞬間、足が滑って、崖から滑り落ちてしまった。

「痛たたたた・・・」

そこまで高低差のない崖だったため、手足に切り傷ができたものの、無事だった。

(本当は叫んで助けを求めたいけど、私をさらった人たちに聞こえても困るし。どうしよう・・・)

玲莉は力を使いすぎたせいか、急にめまいがし、意識が朦朧としていた。

(寝たらだめよ、玲莉。眠ったら・・・)

玲莉はそう言い聞かせていたが、目の前が霞んできていた。

はっきりと見えないが声をかけながら近づいてくる男の姿が見えた。

(誰?早く逃げないと・・・)

男は玲莉に大丈夫か?と声をかけていたが、声に反応することはなかった。

(息はある。この服は・・・どこかの令嬢か?誘拐でもされたのか?とりあえず、家に連れて帰って手当てをしないと)

男は玲莉の手足の縄をほどき、玲莉を背中におぶって、家まで連れて帰った。




急に雨が降りだしていた。

「まずいですね」

冬陽は眉間にしわを寄せ、険しい顔をしていた。

「冬陽、どうしたのですか?」

「皇太子殿下、大雨になると厄介です。雨によって玲莉お嬢様の匂いがかき消され、寒松であっても捜索が難しくなってきます」

玲莉を捜す頼りの綱は寒松だけだったため、一刻も早く玲莉を見つける必要があった。

寒松は急に立ち止まり、馬から降りて、匂いを嗅ぎはじめた。

周りの匂いを嗅いでは、考え、ひたすらそれを繰り返していた。

「どうやら玲莉お嬢様は、ここからどこかに行ったようですが・・・」

皆で周りを探っていると、何か見つけたのか、李義が崖を下りはじめた。

李義が下った先には縄が二本落ちていた。

李義に続いて、他の者たちも崖を下った。

寒松は縄を手に取り、嗅ぎはじめた。

寒松は冬陽に向かって頷いて、指をさした。

「玲莉お嬢様はここで誰かに助けてもらったか、もしくはまた連れ去られたか・・・。寒松、玲莉お嬢様の匂いはまだわかるか」

寒松は頷き、指をさした方向へ走り出した。

「寒松の後に続きましょう」

冬陽と劉翔宇は寒松の後に続いた。

「白庭、おそらく玲莉はさらった奴らから逃げ出したのだろう。そいつらはまだ近くにいるはずだ。お前はそいつらを捜せ。見つけたら、殺せ。玲莉を誘拐する者など生かしておけるか」

「御意」

白庭は見ただけで全身が震えてしまうような李義の怖ろしい顔つきに、必ず見つけて殺さないと自分が殺されると萎縮しつつ、駆けだしていった。

李義は白庭に指示を出すと冬陽と劉翔宇の後を追いかけていった。

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