↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退魔の巫女は吸血乙女と血で結ばれる  作者: ムタムッタ
1章 限界巫女は血に恋されて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/23

第5話 お姉さんと朝チュン(すごかったですよ、何がとはいいませんケド)


 横になったお姉さん、ハリのある胸が主張だけ残してますよ。なんてデッッッ……


「どうしました? お好きにどうぞ?」

「え~~~~~~~~~っとぉぅ……」


 凝視しているのがバレたのか、お姉さんが笑う。

 お姉さん慣れてません? これが大人の余裕か? 落ち着けぇ白神朝緋ぃ~、とにかく落ち着けぇ! 深呼吸、こういう時は深呼吸をするんだ。Be Cool…………!


 吸っては吐いてを繰り返し、必死に胸のドキドキを抑えてるのに、お姉さんは私を見てクスッと笑う。 

 

「初心なこと……可愛い」

「なっ!」

「冗談です。婚前交渉にしても、まだお返事も聞いていませんし」

「む、むぅ…………!」


 もしかしなくても、からかわれただけーっ⁉︎

 くぅ〜! 乙女心を弄びやがってぇ。揉めばいいのか? そのデッ! なふたつを揉めばいいのか⁉︎


「さすがに逸ってしまいましたね、ふふ」

「ぬぅ〜〜〜ぉぅ?」


 歯軋りする私へ、お姉さんはゆっくりと腕を回して抱きしめちゃった。ちょうど胸元辺りで受け止められちゃったんですケド、ええまぁすごいですヨ。


「相性が良すぎると酩酊したようになるなんてこともありますが……まさか、ここまでとは。ごめんなさい」

「むごごごご」


 すっごく自然に噛み跡を撫でられてるんだけど、思考が回らない。フワフワした感じでぼやぼやしてる。


「大丈夫、すぐに慣れます」

「んっ〜〜〜ッ!」

 割と強めに抱きしめられたまま、弱点を作った張本人にいいように可愛がられてる内に、私の意識は次第に落ちていきました。めでたしめでた……くない!



 ◇ ◇ ◇



 次に起きた時には、午前四時。何かずっと掴んでいた気がするけど、ベッドには私だけ残ってた。


「…………………………………………………………は」


 うぉっー恥ずかしいィッ!! 今までこんな扱われ方してこなかったからなすがままだったー! なんだよあの撫で方ぁっ! 反則だろうがぁっーーーーー!


「あぁ、穴があったら入りたい……」

「わたしも同席よろしいかしら?」

「ぬわぁ⁉︎」


 暗い部屋の中で、くつろぐ影が一人。普段なら気配くらいすぐ分かるけど、お姉さんの存在は独特過ぎる。


「シャワー、お借りしました」

「ま、まだいたんだ……てっきり帰っちゃったのかと」

「あのまま一緒に寝ても良かったのですけど、朝緋の求め方があまりにも強過ぎて……」


 わざとらしくお姉さんは悶えてみせる。特に、胸のあたりを両手で抱えて。どうやら気のせいじゃなかったらしいね、夢の中の私。ちょっとうらやましい……!


「あ、あはは……そりゃどうも」


 改めて首筋に触れると、噛み跡は治っていた。さすがの回復力だ、妙な感じもない。お姉さんの能力なのかな? …………吸血鬼なのに、ひと晩何もしないなんて……やっぱり変なの。まぁその前にがっつり吸われましたけど。


 ふと、意識は嗅覚に集中される。およそ自分の部屋では絶対にしない食べ物のいい匂い……プロテインバー一本しか食べてなかったからお腹にくるぅ!


「ふふ、可愛いお腹の虫ね。すぐ食べられるかしら?」

「そりゃもう! ……って、お姉さんが作ったの?」

「えぇ。吸血鬼でも人間の食事は作れるの」


 薄暗い中をお姉さんはコンロの方へ向かう。ほんっとに変わった吸血鬼だなぁ……人間のこと生でいっちゃう奴が多いのに。こういう生活長いのかな?


「口に合うといいのだけど……」


 あくまで電気はつけないようなのでお姉さんに合わせることに。夜目が利いてきたのか、薄暗い中で目視したのはサンドイッチだった。厚めの焼いたベーコンにオムレツ、それにトマトが挟まっているボリューミーな内容。食べ盛りのお腹にはクリティカル……我慢できるわけないよね!


「いっただきまーす!」


 ひとくちガブリ。余計に味をつけてないのか、シンプルなおいしさ。思ったほど脂っぽい感じもなくあっという間に食べっちゃった。


「あ、なくなっちゃった」

「おかわり、食べられるかしら?」

「もちろんっ!」


 どうやら想定内だったらしく、三人前用意されていて……全部食べちゃうよね。早朝からとんでもないカロリーな気もするけど…………女子高生だから大丈夫だよね。女子高生は無敵だから実質カロリーゼロだ。


「お姉さんの分は?」

「わたしは朝緋の血でお腹いっぱいだから大丈夫。それに、特定の血液以外は基本的に受け付けないので」

「そこは他の吸血鬼と変わらないんだね」


 そうね、とティーパックの紅茶が入ったマグカップを差し出される。お姉さんも併せて紅茶だけ啜る。…………お茶は大丈夫なんだ。


「それにわたしは、好きな人が美味しそうに食べているところを見るのが好きなの」

「好きって……私の血でしょ?」

「あら、理由はどうあれ朝緋が好きになったことは本当よ」


 真っすぐ見つめてくるその赤い瞳に揺らぎはなくて…………こんなどストレートに伝えられたらこっちが恥ずかしいんだけど! まーたお姉さんのペースに流されるのは癪だから話題を変えよう。


「朝ごはんのお金いくら? 払うよ」

「気にしないで。わたしがしたくてしたことだから」


 うーむ、このお姉さんできる…………至れり尽くせり過ぎて逆に怪しくもある。何か企んでるんじゃない? と思ったけど、吸血鬼でした。企むどころか昨日の夜はお楽しみ…………


「うわぁぁぁぁぁぁぁ恥ずかしいぃっ!」

「朝緋?」

「忘れて! お姉さん昨日のことは忘れて!」

「それはちょっと……あんな情熱的な夜は…………」

「だぁっー! だからそれを言わないでってば!」


 あぁ、さらば普通の恋。私はちょっと大人の階段を登ったよ。しばらく思い出して悶えそうだよ。なんなの。どうしちゃったの私。

 変わった夜明けを過ごしていると、お姉さんが窓の外を一瞥して、それから立ち上がった。


「……そろそろお暇します」

「やっぱり朝日はダメなんだ?」

「あなたなら大歓迎なのですけど」


 さらっととんでもないことを言うよこの人。ダメだ、結局相手に主導権を握られちゃってる! 手ごわい!


「そういえば返事って今した方がいいの?」

「いえ……また今度にしましょう。今晩はわたしが我慢できなくて来ただけですし。それに言ったでしょう? 同じ獲物を追っていれば――」

「そのうち会える…………」

「そういうこと。わたしにはやるべきことがあるので……ではまた、いずれ」


 ものすっごく自然に、お姉さんは私の頬にキスをして部屋から消えていった…………


「もぉ……なんなのぉ。不意打ちじゃん………………」


 今まで、戦いの中で吸血鬼に遅れをとったことはなかった。お姉さんにだって最初はリードしてた感じだったのに、いつの間にか相手のペースに飲まれてる。朝緋、一生の不覚っ! このままで終わると思うなよぉ!


「はぁ………………寝よ」


 色々ありすぎた……学校行くまでまだ時間あるし、寝て落ち着こ。

 …………もう変な感じもしないし!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。