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【79】 海斗「お城と一緒に暮らしたい」
数日後、奈美の家。
奈美は家族の今後について、ひとつの方向を打ち出していた。
奈美(やりなおそう。今からやり直そう。すべて過去を忘れ、過去を捨てて、誰も知らない所で海斗と二人でスタートしよう)
奈美(日本でここから一番遠い所で。どこへ行っても知ってる人に絶対合わない、そんな所。沖縄か北海道かな。どっちがいいだろう? 海斗に決めてもらおう)
奈美「ねえ、海斗」
海斗「うん、なに?」
奈美「海に潜るのと雪合戦するのと、どっちが好き?」
海斗「旅行するの?」
奈美「ここを出て、どこかへ引っ越そうかと思ってさ」
海斗「引っ越すの?」
奈美「嫌?」
海斗「ううん、引っ越したい!」
奈美「じゃぁ、どっち?」
海斗「お城と一緒に暮らしたい」
奈美「お城?」
海斗「お城は、眺めもいいし、誰も攻めてこないから」
奈美「わかった、考えるわ」
奈美はひとり風呂に入って考えていた。
奈美(意外だったわ。海斗が『お城』が好きだったなんて。そうか、埼玉県に有名なお城なんてひとつもないものね)
奈美(『誰も攻めてこないから』って言ってたけれど、海斗、学校でいじめられているのかな?)
奈美(日本だと、お城でどこが有名なの?)
奈美(大阪? 姫路? 名古屋?)
奈美(いやだなぁ。いい所だけれど人が多すぎて、住むにはどうかなぁ。私には、)




