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【46】 張り込み

 数日後の金曜日、夜6時、太井健一は、松島奈美の家の前で張り込みをしていた。男性が現れるとしたら、金曜日の夕食どきが、確率が高いからだった。太井は車の中で、リクライニングシートを倒し、寝ながら松島奈美の部屋のドアを見張っていた。

 そこに現れたのが、美浦市役所国民健康保険課の坂口大輔だった。


太井(あれっ! 健康保険課の坂口さん?)

 目を疑った。そして注視した。

太井(やっぱり坂口さんだ!)

 部屋のドアが開いて、何も話もなく、スッと中に坂口が入った。

太井(えっ! すんなり入った!)

 太井が驚いた。


太井(何も声をかけずに部屋に入って行くぞ。そう言う仲なんだ)

太井(まさか、男が市役所職員だったとは!)

太井(松島さんの方が、坂口さんよりいくつか年上だろう? しかもお子さんも居るわけだし、)

太井(いったい、どういう関係で、どこで知り合ったんだ?)


太井(内縁の夫か? でも松島さんは、失踪した夫の籍にまだ入っているはずだぞ)

太井(これはちょっと問題だな。色々調べる必要があるぞ)


 それから2時間ほど張り込みを続け、坂口大輔が出て来ないのを確認し、太井はその場を去って行った。


     ◇


 週明けの月曜日太井が、松島奈美の家に出入りしていた男は市役所の坂口大輔だと、子ども家庭課の課長石丸智子(いしまる・ともこ・55歳)に報告した。


石丸「そう、そうでしたか、」

 そう言って考え込んでしまった。

石丸「とにかく、お疲れ様でした。席に戻って結構よ」

太井「はい」

 太井が席に戻った。

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