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43/87

【43】 主人と別れた方がいいのかな?

奈美「主人と別れた方がいいのかな?」

 奈美が大輔の胸から言葉をかけた。

大輔「ご主人さんの負担を軽くするってことですね」

奈美「うん」

大輔「どうなんでしょう?」


奈美「こうやって、あなたと寝ていること自体、変よね」

大輔「確かに」

奈美「私、これって、二股かけていることになるのかしら?」

大輔「それは、考え過ぎじゃないですか?」

奈美「私、なんだかあなたを好きになりそう」

大輔「それは、僕も同じですが、」

奈美「『ですが』なに?」


大輔「まだ、奈美さんは、妻という立場ですし、これって不倫になるのかな? と」

奈美「それこそ、考え過ぎじゃない?」

 奈美が大輔の上に這い上がり、大輔にキスをした。大輔はされるがままにした。


大輔「ご主人さんが居なくなって何年でしたっけ?」

奈美「海斗が6歳の時だから3年」

大輔「その間、一度も手紙も電話も無いの?」

奈美「一度もないわ」


 奈美が大輔の耳元で、

奈美「ねぇー、」と、ささやいた。


 そのときだった。家の電話が鳴った。

『ルルルルル、ルルルルル』

 奈美と大輔がドキッとした。息をひそめた。

『ルルルルル、ルルルルル、ルルルルル』

 奈美が起きて、電話の方へ歩いて行った。

『ルルルルル、ルルルルル』

 奈美が電話に出た。


『ガチャッ』

奈美「切れたわ」

 奈美が出るのと切れるのと同時だった。奈美はその足で窓際に座り、カーテンの端から外を見渡した。

奈美(誰か居るのかしら?)

 だが、誰も見当たらなかった。


 奈美は再び電話の前に30秒ほど立っていた。しかし、もうかかって来なかった。奈美は元の布団へと戻って行った。

 奈美が戻ると、大輔が奈美の耳元で、

大輔「盗聴されている?」

奈美「まさか?」


 小声で言った。奈美が横を向いて大輔に抱きついた。大輔もその奈美の背中を強く抱きしめた。二人は、不安のまま、眠りについた。

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