【24】 ロッテワールドスケート場
なんとかロッテワールドに着いた松島奈美と土江順子の二人。ひと通り外にあるアトラクションに乗った後、二人はスケート場に立っていた。
奈美「なんで韓国まで来てスケートしなきゃならないのよ」
順子「ここだから滑りたいのよ」
奈美「せっかく休みをとって来たのよ」
順子「いいじゃないの」
奈美「2泊3日しかないのよ」
順子「2泊3日もあるんだし」
奈美は文句を言いながらも、そんなに怒った様子はない。
後方から男性2人組が、何か揉めながら滑って近付いて来た。松島博之と北井洋次である。
博之「なんで韓国まで来てスケートしなきゃいけないんだ」
洋次「このリンクで、ぜひ滑っておきたいんだよ」
博之「日本で滑ったって同じだろ?」
洋次「いや、それが違うんだな。ここは世界でも最も有名なリンクのひとつなんだ」
博之「『有名なリンク』ねぇ~?」
洋次「中央が吹き抜けで、天井が物凄く高いんだ。それと、アイスリンクの周りには、韓国料理、日本料理、中華料理などの食事ができるフードコートがあるんだ」
博之「へぇ~、でも日本料理・中華料理を、なんでスケート場で食べなきゃいけないんだ?」
前を滑っていた女性2人の耳に、その会話が聞こえて来た。
順子「ほら、ここで滑りたいってひとが他にもいたじゃない」
奈美「でも、ここで日本料理・中華料理を食べる理由はないわよねぇー。どこにでも変な人間っているのね」
順子「『変な人間』って、聞こえちゃうわよ」
博之「聞こえてますよー」
順子と奈美が後ろを振り向いた。
順子「あっ、さっきはどーも」
奈美「あっ、どーも」
二人が頭をピョコンと下げた。
博之「どーも、どーも。スケート場に来てたのですか?」
奈美「はい。彼女が『どうしても滑りたい』って言うものですから」
奈美が順子を指さした。
博之「僕らもこいつが『どうしても滑りたい』って言って、」
博之も同じように洋次を指さした。
洋次「ここで滑るのは当然ですよね」
順子「はい当然です。滑っておかないと一生後悔しますよ。韓国では有名なアイスリンクですし、夏冬関係なく一年中滑れますからね。こんなにきれいなアイスリンクは滅多にないですよ」
奈美「そんな大袈裟な」
博之「そうだよ、大袈裟だよ」
洋次「いえ大袈裟ではありません」
奈美「おやっ、こちらの方と順子は気が合いそうね」
洋次の方を手で指して言った。
洋次「洋次と言います。『ヨウジ』と呼んでいただいて結構です」
博之「じゃぁ、順子さんと洋次さんで、スケートの上手な者同士滑って、我々はちょっと休みませんか」
奈美「いいですね! ちょうど休みたかったんです。ぜひ」
博之「じゃぁ、そう言うことで」
博之は奈美の手を引っ張ってリンクの外へと滑って行った。順子と洋次は、まだしばらくリンクの中で滑っていた。




