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【23】 韓国ロッテワールド ~奈美、夫との出会い~

【回想の始まり】


 2002年、韓国ソウル。


 飛高奈美(ひだか・なみ・22歳、『飛高』は松島奈美の旧姓)と、友達の土江順子(つちえ・じゅんこ・22歳)が韓国ソウルを旅行していたときのことだった。

 奈美と順子は、韓国の地下鉄『市庁駅』で、『地下鉄路線図表示板』の前に立っていた。


奈美「韓国ロッテワールドに行くのに、どこの駅で降りるのかしら?」


 二人は、ずっと地下鉄路線図を見ているのだが、韓国語で『ロッテワールド』らしき単語が見つからなかった。


順子「まったく見つからないわね」

奈美「ほんとう」

順子「韓国じゃ、聞くに聞けないものね」

奈美「ジェスチャーは?」

順子「ムリムリ。ディズニーランドへ行くのなら、ミッキーの大きな耳の形を、指でなぞるかも知れないけれどね」

 順子が、笑いながら言った。


 それを聞いて、奈美がすぐさま自分の耳の所で、ミッキーの耳の形を、指で空中になぞった。そして両目を中央に寄せた。

順子「ははははは。やめてよ、こんな所で。恥ずかしいから」


 そんな時、後ろから現れたのが、今の奈美の夫、松島博之(まつしま・ひろゆき・25歳)とその友達、北井洋次(きたい・ようじ・25歳)だった。

 博之は、遠くから歩いて来る内に、『ロッテワールド』という単語が聞こえて来て、

博之「ロッテワールドへ行かれるんですか?」

順子「ははははは。今のジェスチャーで『ロッテワールド』とわかったんですか?」

博之「いえいえ、歩いている内に、『ロッテワールド』という単語が聞こえて来たものですから」

奈美「なぁーんだ」

順子「そうなんです。でも、どの駅で降りたら良いのかわからなくて」


博之「それなら『チャムシル(蚕室)』です」

順子「チャムシル?」

博之「ほら、あそこ。『かいこ(蚕)』という漢字と、教室の『室』という漢字があるでしょう?」

順子「あっ、あった、あった!」


奈美「『かいこ(蚕)』という漢字がわからないわ」

順子「韓国語の前に日本語が問題ね」

博之「ははははは」

洋次「ははははは」

 博之と洋次が同時に笑った。


奈美「えへっ」

順子「天気の『天』に、下が『虫』よ」

奈美「あー、あった、あった。図の右の方ね。最初から『てんむし(天虫)』と言ってよぉ~、また恥かいちゃった」

博之「あれで、『チャムシル』と読みます」

順子「『チャムシル』ね」

博之「表示板で緑の線になっているから、2号線の緑色の電車に乗ると良いですよ」

順子「ありがとうございます」

奈美「ありがとうございます」

博之「僕達は、ミョンドン(明洞)に寄ってから、ロッテワールドに行きますので、ひょっとしたら、また会うかもしれませんね」


 そう言うと、松島博之と北井洋次は去って行った。

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