【19】 心臓がバクバクしています
奈美「良かった」
大輔「良かった?」
奈美「だって少しは私に魅力があるってことでしょ?」
大輔「少しじゃなくて、かなり」
奈美「良かった」
大輔「……」
大輔は、下半身を奈美の体にピッタリくっつけた。
奈美「あったかい」
大輔「そうですか」
奈美「うん、とてもあったかい」
大輔「良かった」
奈美「生きているのを痛感するわ」
大輔「はい」
奈美「やっぱり二人の方があったかいのね」
大輔「そうですね」
奈美「それにピッタリくっついて隙間がない方があったかい」
大輔「はい。あなたの胸の鼓動が伝わってきます」
奈美「ドキドキしているんです」
大輔「とてもそうは見えませんけど」
奈美「慣れているとでも」
大輔「いえ、そんなとんでもない。とても冷静に見えるし、いや冷静にしゃべっているから」
奈美「あなたの方がよっぽど」
大輔「いえ私はだめです。心臓がバクバクしています」
奈美「……」
大輔「こんな経験ないし、」
奈美「本当に、」
大輔「本当です」
奈美「……」
大輔「私この髪の香り好きです」
奈美「良かった、嫌われなくて」
大輔「やわらかい」
大輔が奈美の髪を撫ぜた。
奈美「……」
大輔「少し落ち着いてきました」
奈美「良かった」
大輔「落ち着いたら肘が痛くなってきちゃった」
奈美「ごめん。無理な態勢続けさせちゃって」
大輔「ううーん」
奈美「ねぇ良かったら私の上に乗ってみる?」
大輔「え、えーっ」
奈美「ごめん、私変なこと言っちゃったわね」
大輔「いや、気を遣ってくれているんだよね」
奈美「この敷き布団、柔らかいよ」
大輔「そうだね」
大輔がゆっくりと奈美の上に体を重ねた。
大輔「でもやっぱりダメ」
大輔がすぐに降りた。
大輔「あなたがつぶれちゃう」
二人は横に並んで寝た。大輔が奈美の手を握った。奈美も握り返した。しばらく沈黙が続いた。気付くと安心したのか奈美は寝息を立てて眠っていた。大輔もつられるように眠りに入った。




