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メアリス、聖女時代を語る

「新しい領主様が良い方で良かったですね」


 ホラン君が帰った後、ミーシャがそんな事を言った。


「でも、侯爵家に婿養子に行ったのは知らなかったよ~、会うのも8年振りだし」


 私が聖女と認定されたのは10歳の時、それ以来王都の神殿にずっといた。


「連絡もしていなかったんですか?」


「外部とのやり取りは身内以外は禁止だったのよ。 一応国の重要人物だった訳だし」


「厳しかったんですね、相当窮屈だったんじゃないですか?」


「そうでもないわよ、監視の目を掻い潜って王都の街にも出かけていたし」


「えぇっ!? 勝手に出かけたんですか」


「ずっと神殿にいるのは暇だったのよ、お祈りだけで後はやる事は無いし、だから変装してこっそり遊びに出掛けた事があるのよ」


 変装と言っても服を変えただけだけど、でも意外とバレなかった。


「街で話題のスイーツ屋さんに行ったりして楽しかったわ、まぁ後でバレてお叱りは受けたけど」


「そりゃそうですよ……」


 ミーシャは呆れたように言った。


 まぁ反省も後悔もしてないけどねっ!


「王太子様とはコミュニケーションは取っていたんですか?」


「いや、そもそも私と王太子様が婚約していたのは追放される時にはじめて知ったし王太子様に会った事も無いのよねぇ」


「え、婚約していたなら普通は会ったりするんじゃないですか?」


「全く、手紙もプレゼントも無かったわ。多分最初から私の事は好きじゃなかったのよ」


 まぁ、だから追放とか婚約破棄とか言われても全くダメージは無かったんだよね。


 

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