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幕間 町の噂

「最近変わったよなぁ」


「うん、確かに」


 無縁墓地の近くの町でそんな話がヒソヒソと聞こえてくるようになった。


 そもそもこの町は至って普通の町だが無縁墓地がある影響で余り人が立ち寄らなかった。


 曰く、真夜中に死者のうめき声が聞こえる。


 曰く、どこからかすすり泣く声が聞こえる。


 曰く、家の中の物が勝手に落ちる。


 そんな噂のせいか町中で噂され中には無縁墓地を壊す話も出ていたがやはり祟りが怖くて手を出せなかった。


 が、ある日を境にそんな噂が消えた。


「なんか知らんが雰囲気が明るくなったんだよなぁ」


「変な物音も聞こえなくなったし野良犬も大人しくなったし」


「1番はあのクソ領主が捕まったのがデカいだろ、まさか誘拐もして殺人も犯していたんだからなぁ」


「あぁ、匿名の通報があったんだろ?」


「なんでも墓守が通報したらしいぞ」


「墓守ってあの若い女の子か、見た目と違って度胸があるなぁ」


「あの子、なんでも王都にいたらしいが王族の都合で墓守をしているらしい」


「はぁ~、言っちゃあ悪いが見る目が無いね、彼女、無縁墓地を改装する為に色々動いているみたいだぞ」


「うちの店で大工道具や木材を買っていったぞ」


「うちで花の種を買っていった、なんでも花壇を作るそうだ」


「あの子はもしかしたらこの町を変える救世主になるかもしれないな」


 メアリス本人のいない所で彼女の好感度は鰻登りに上がっていた。


 そんな町の噂を事情を知っている司祭はにこやかに聞いていた。


(流石は聖女メアリス、知らず知らずに人心を把握するとは……、まさか聖女の加護を受けている、とは思っていないでしょうね)


  

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