メアリス、訳あり同僚を歓迎する
教会からの手紙が来てから数日後、荷物を持ってその人物はやって来た。
「本日よりお世話になるミーシャと申します、よろしくお願いします」
「メアリスよ、よろしくね」
ミーシャと名乗ったその少女は灰色の髪に目は紅色、所謂美少女である。
「貴女もしかして前に騎士様に同行していたフードを被っていた……」
「覚えておりましたか? えぇ、あの時の死霊士です」
うん、声に聞き覚えがあったので聞いてみたらビンゴだった。
しかし、あの時とは違いミーシャの格好は教会の見習いシスター服になっていた。
(これは私みたいに追い出されたのね)
「とりあえずまずは荷物を置いて、それから仕事のやり方を教えるから」
「はい、わかりました」
そう言うとミーシャは荷物を小屋の隅に置いた。
「荷物はそれだけなの?」
「他にも色々あったんですが没収されてしまったんです。危険物と判断されたみたいで」
「危険物?」
「死霊士しか扱えない物なので没収されても痛くも痒くも無いし、逆にありがたいですよ。アレはかなりの力を消費するので……」
う〜ん、色々気になるけどまだまだ深い部分を聞くには関係が浅いからなぁ。
私はミーシャを連れて墓地の中へ入った。
「前に来た時より空気が清々しいですね」
「そうかしら?」
「はい、墓地は大体この世に未練を残した魂が彷徨っているので淀んでいる筈なんですが……」
ミーシャは周囲を見渡しながら言った。
「此処には魂がいません。みんな成仏していったんでしょうね」
「私が毎日祈りを捧げていたからかしら?」
「それはあるかもしれません、良かったです。此処だったら私の力は使わなくていいみたいですね」
そう言ってミーシャは安心したようにニッコリと笑った。
……なんだろ、色々気になる。




