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同じ場所

俺達は再び、あの病院の前に立っていた。


この建物を何回見ても現実味が湧かないのは、自身の罪悪感が故だろうか。


隣で立つ旭の呼吸が、微かに荒くなっている。


緊張と悔恨が入り交じったこの感情を、何と呼べばよいのだろう。


俺達は今日、ここに昨日の出来事を話しに来た。


仇を討ったこと。


だが、これは勝手に俺達が行った罪滅ぼしだ。


許してもらえるなんて思っていない。


そう思っていたはず――


「ごめん。」


やはり、病室に入って最初に出た言葉は"それ"だった。


最初に口を開いたのは、またしても壮志郎だった。


それに続き、俺達は次々と謝罪の言葉を口にする。


下げた頭を上げることができず、俺の視界には真っ白な病室の床だけが広がっていた。


「もう、謝らないで。」


告げられたその言葉は、鋭く、冷たかった。


それは完全な"拒絶"だった。


その言葉だけで十分だった。


俺達と湊の間に、修復不能な断絶が生まれたのだと理解するには。


息を吸う音が聞こえる。


これから浴びせられるかもしれない、どんな罵声にも耐え抜こうと覚悟を決めた時だった。


「謝られれば謝られるほど、僕は皆を責めちゃう。」


先ほどとは違う、いつもの優しく、温かい声。


湊は自分のことを見捨てた奴らのことを、責めないようにしていた。


俺はその寛大さに目頭が熱くなる。


湊は、途切れかけた俺達の間に橋を架けようとしてくれていた。


だがよく聞くと、その声には嗚咽が混じっている。


泣いているのだろうか。


顔を上げられない俺には、表情はわからない。


だが、そこから泣いていることだけは読み取れる。


「だからもう、謝らないで。その代わり――」


湊は一度言葉を止める。


その先を聞こうと、俺達は思わず顔を上げる。


「今度は助けて。」


湊は涙を浮かべながら、笑顔でそう言う。


「……っ!」


俺は耐えきれなくなり、涙を流してしまう。


こいつは、俺達のことをまだ信じてくれている。


一度裏切ったにも関わらず。


俺達の距離はずっと、離れてなんかいなかった。


そう感じていただけで、湊は、俺達はずっと同じ場所にいた。


「ありがとう……、本当に……。」


「ごめん」は言わない。


その代わりの言葉が「ありがとう」だった。


「仇、討ってくれてありがとう。」


病室には俺達のすすり泣く声だけが残った。

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