玖話 準備
3か月が経過した。
少しずつフラッシュバックや手の震えもなくなってきたがそれでもまだ3か月。
カウンセリングの先生曰く「回復は早い方だがまだまだかかる」そうだ
少しづつ友人とも会えるようになってきていた。
というか美香がいつも通り過ぎて普通に話してたけどメンタルのダメージあんなにあるやつに堂々と殴り込むか普通。
そうして安定してきたころに聞かされた話なのだが
俺が入院したのは倒れているところを発見され通報されたかららしい
これがなんと驚きで学校で発見されたわけでもなく見つかったのは学校から2kmほど離れた公園
体調は問題がなかったものの原因不明の昏睡によりしばらくの入院をしていたというわけだ。
配慮してくれたのか警察の方とは直接話すことはその代わりカウンセラー先生の負担がえげつないことになっていたらしい、南無
そんで俺になんで先生がついているというと、まぁ初日にやらかしたよね。
というかなんでメンタルぼろぼろの俺にあんな調子できたんだあいつ、いかれてんのか。
そして当の風山さんはというと
「眠い…」
おもっくそのんびりしていた!
嫌だってしょうがないじゃんお外怖い。
茶化してるけど死ぬ思いしたんだよ?しょうがなくない?
看護師さんも気を使ってくれてるのか寝てる間に飯置いてくれるし。
というかなんで起きる直前を察知しておいてくれてるんだ…?
お陰で飯ホッカホカだからいいっけど、看護師さんすげ〜
「さて…そろそろやるかぁ…」
そういうと隣のバックからノートパソコンを取り出し目の前の机に置く
パスワードを打ち込み、検索エンジンを開く
「異世界…行き方…」
入力すると出てきた適当なウェブを開き読み進める。
読み終わると別のウェブを開き読む
これを繰り返す。
「ぁあ…まぁ…そりゃそうか」
どれも同じような方法でまぁ、コメントを見ると出来なかった、嘘乙などのコメントばっかり
「まずできたらコメントかけねえだろ成功できました!なんてコメントあったほうが怖いわ。生存者バイアスってやつか?」
横になってネックレスを見る
「トート達元気かなぁ…」
無意識にネックレスと指輪を重ねてみている。
というかあの指輪使えば死ななかったのか?
わからん。というか渡すタイミング死亡フラグ過ぎだろ
まぁそれは置いといてそれくらいあの生活は短かったのに自分の理想のような生活だったのかもしれない。
今では実在したのかもわからないあの世界を考えてはあの痛みを思い出し鼓動が早くなるのを感じる。それの繰り返し。
「もう一度…行きたいのかなぁ…行きたいんだろうなぁ」
ベットの隣の机のカレンダーを見る。
退院日 2031 4月 16日
「明日…かぁ」
静かにため息をつく
これからどうするか。
またあそこに行って生きる術を探すのか
そもそもなぜあんなことになったのか。
何もわからない。
「それでも知った以上、日常に戻るより」
それでもあの過ごした日常はたった数週間
心に何かを残すには十分な時間
もう一度挑戦する方法を探してみるのも悪くないのかもしれない。
「進んでみるか!」
「…」
「もう一か月ぐらい入院したら?」
「美香ァ!」




