42話 後悔と進み方
医療室に訪れ眠っている三人の顔を見る。
三人とも衣服が水色の入院着に変わっている、入院着も有ったんだこの世界
やはりトートとリンの二人は外傷はない。だがランだけは顔の一部が爛れ体中に包帯が巻かれている。
かっこいいあの時の顔が台無しだ⋯いや全然可愛いしカッコいいわ。
「⋯ごめん」
ランの前に立ちかなり時間が流れる。
いまだ変わらず静かな寝息を立てて眠っている。
ふと足を撫でるような感覚で目を下ろす。
「尻尾⋯?」
そういえば獣人と言っていたと思い出す。
髪色と同じで綺麗な淡水色の尻尾だ。
ところどころ燃えてしまったのかチリチリになってしまってい根本が見えてしまったりしている。
ドレスに隠れていたがリンにもあったのだろうか。
多分、俺が居なければ彼女はこんなことにはならなかったんだろう。
申し訳なさと後悔が溢れ出してくる。それを必死に抑える。
何よりも自分が、こんなことをしてしまった。
偽物では有っても自分は自分。
ユメさんは多分、こういうことを言いたかったんだろう。
そんなにしおれた顔してたのかな。
わからない、でもランは今苦しそうな顔だ。
少しランの顔に手を伸ばそうとする。
「来てたの」
「⋯ミーア。」
「あまり関心しない行動なの」
手を引っ込めボロボロの自身のジャンバーのポッケに手を突っ込む⋯そこで気付く。
自身の白色のジャンバーは黒く汚れ、ところどころ穴が空いている。その他は中の紺色のシャツや黒のレザーズボンであったおかげか目立ったダメージはなさそうだ。
ミーアに目をやると4つ設置されているベットの余った一つに座っている
「なんでいるんだ?」
「治療のために呼び出されたの。」
「シャンリは?」
「寝てるの」
ずっと寝ているシャンリは放って置いて、ミーアをここに自由にさせておくのはどうなんだという気持ちもあるが治癒魔法が使えるミーアを牢に放って置くのがもったいないという判断なんだろう。
でも未だに心配は残る。
「⋯」
「⋯」
気まずい沈黙だけが残る。
「ちょっと来るの」
「何だよいきなり」
「座るの」
言われた通りにミーアの座っているベットに行き隣りに座る。
そして何かを発する前に頭が引っ張られ強制的に横になる。
引っ張られた頭に柔らかい感覚が当たる。
「そんな泣きそうな顔していると患者に悪いの」
「⋯」
頭をゆっくり撫でられる。
そのたびに抑えていたダムにヒビが入っていくのを感じる。
抑えていた感情が溢れ出す。が、不思議と言葉が出ない。
「いいの。慣れてるの。」
「⋯」
「ゆっくり吐き出せばいいの。よく頑張ったの」
情けない。
自身より何周りも小さい女の子に膝枕されながら頭を撫でてもらっている。
その上、声を殺して泣いている。
辛かったのかもしれない。
ここだけのことじゃない。アルサイトやディルムの時から自分を殺して戦っていた。
わからない。でも、辛かった。
「よしよし⋯いいこなの」
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「ありがとう」
「目が腫れてる以外はいい顔になったの」
「泣いたことは内緒でね?」
すこし、いい顔になった友人を見送りドアが閉まるまで待つ。
打算はあった、でもそれより多分泣きそうなあの顔を、助けたかっただけなのかもしれない。
「起きてるのは知ってるの。」
「バレちゃってた!?」
「見えないように隠してはいたけど、尻尾がずっと暴れてたの」
ランに対して私はそういう答える。
ランは勢いよく起き上がると私に向かってピースをしてくる。
たぶん彼に起きていたことを伝えるのは辛いだろう。
「いつから起きてたの」
「ん〜⋯最初からかな!」
「風山も運がないの」
友人を同情しながら立ち上がりランを再び寝かし治癒魔術をかける。
「ランは⋯風山をどうおもうの?」
「ん〜?好きだよ?」
「⋯やっぱり天然なの。それとその好きはどっちなの?」
「どっちって?」
答えを返す必要はなさそうだ。
リンはこの子に恋愛を教えたのだろうか。
でも、彼がこの子に望む形で好かれるのは無理そうだ。
「同情するの。」
「どうじょ〜!」




