43話 儚く魅せた模索さえ
「スマホ⋯代表的な物を上げて考えよう」
カメラ、ライト、時計、検索、連絡、ネット購入、地図
そんなところだろう。
現在分かっているだけでも連絡、位置情報この2つだけ。
なぜそれが選出されたのかわからない能力だ。
考えながら歩く、行動しなければ何も始まらない。
それだけではない、この城にきてからのこと全てを整理して考えろ。
問題点は2つ
俺の偽物
アルケー・サーリア
この際アルサイト・ディメルバの存在は除外して考える。
俺の偽物が残した爪痕がデカすぎる。
トート・リン・ランが戦闘不能
戦闘できるやつを三人も失ってしまった。
ランが俺を庇った事さえなければ多分、俺が行動不能になっていた。
⋯疑問が残る
ユメさんは俺とランが一緒にいるタイミングを見ていない。
その他のタイミングの可能性はアテネが気付いていないことから無いだろう。
トート・リン・ランの話をしたときに顔に出た可能性もあるだろうがだとするならランに絞れない。
そう考えるとユメさんが「あの時の顔。」をいつを刺していたのがが大事だが、ユメがいなかったタイミングであることは確かだろう。
ここから考えられること⋯城内のことを把握していた。
アルケー・サーリアに関してはアルサイトが追っている。
なら俺はこの疑問を払おう。
そんなことを思いながら歩いていると。
東側の2階、最奥の部屋。
ユメさんの部屋に
「ユメさん、居ますか?」
「ええ、どうされました?」
ユメがドアを開けてくれ、部屋に入る。
部屋は簡素でこじんまりとしており。
ベットが広い以外は借りている客室とほぼ変わらない部屋であった。
「お座りください。」
「あ、ありがとうございます。」
「それで、どうされました?」
ユメの案内に従い部屋の中央の椅子に座る。
「ユメさんってさ、城内のこと。どれくらい把握できてる?」
「全て、ですかね。」
「全て?本当に全て?」
「えぇ、人や物の数から配置、出来事そして行動まで全てです。」
疑問が消えて増えた。
ならあの三人の侵入や俺が二人いたことを把握しているはずだ。
「敵が居たのも知っていたんですよね?」
「えぇもちろん。」
「なんで、教えてくれなかったんですか。」
偽物がいること、あの三人の件もしかしたら全員死んでいた可能性だって合った。
実際あの三人に奇跡的に俺が見つけられていなければ俺は死んでいた。
あの三人の性格次第では見つけられたとて終わっていた。
「私の城の問題で。皆様はお客様。まず一番にリン、ランに対応してもらうつもりでしたのですが。トート様の対応と敵の位置をリンが把握できないという問題も重なって遅れてしまった。」
「でもそれはっ」
「えぇ、最善がみなさんに助力してもらうことなのは分かっています。ですが⋯ここからは見栄のお話だったりするのです」
「そう⋯ですか。」
理由も意味も分かった、理解も出来た。
でも納得はできない。
「ですので、これからは協力をお願いしますね?」
「⋯こちらこそ」
「ふふ、納得はしていただけませんよね。」
笑顔のユメの笑顔が少し⋯少しだけ儚く見えた。
この人も王族という苦悩に悩まされている。
色々言いたいことはあるのだろう。そこは自分でもわかっている。
でも、酷なのかもしれない。これ以上彼女を追い詰めるのは。
「そうですね⋯少し、休んできたらどうです?」
「そんな疲れたように見えます?」
「えぇ、泣いた跡がはっきりみえますよ。」
目元をとっさに抑える。
いつまで残っているんだよ。いやついさっきのことだけどさ。
「私も少しお休みしますので。」
「アルサイトが来るまで?」
「えぇ、来たら風山さんにも働いて頂きますからね?」
少し、いつもの笑顔が違って見えた。




