36話 困窮状態
「と、いうことだ。」
「わかりましたわ。3人の処遇はこちらで決めさせてもらいます。」
「頼んだ。」
「一番の問題は⋯」
二人は陰鬱な顔をしながらお茶に手を付ける。
殺し屋が自分に対して向けられているという現実が重苦しい空気を作り上げている。
「「「アルケー・サーリア」」」
「実際の話しどうするの?一回雇われてる時点でまた雇うよ多分?」
「その可能性は高いですわね⋯嫌ですわね。だから暗殺業を禁止したというのに⋯」
「OKだった時期があるの????????」
そこはもう日本との差異ということで納得しておこう。
でもそれは絶対に裏目に出るだろ。今より王族に暗殺者来るぞ。
「探し出すしか無いでしょう⋯リン」
「かしこまりました。」
「どこからでてきたの?????」
いつの間にか俺の後ろにったってお茶菓子と紅茶のおかわりを運んでいたリンが両手のポットとお菓子の乗った皿を机に置くと礼を一度して部屋から退出する。もはや怖い。
「リンで思い出したけどえ〜っと⋯ランかな?ランさんは?」
「あ。」
「忘れてたね???その反応忘れてたね??」
不憫なランさん関わったこと無いけど。
というか考えるとリンさんが二人いるようなものなのか⋯そりゃ城のメイド二人でいいわ。
「というわけで、お前はお前で部屋で休んでいいぞ。」
「ここ俺が借りてる客室なんだわ!」
「あらあら、王族のうら若き女性二人を部屋に呼んで何するつもりだったのですか?」
「そっちから来たのに当たり屋が過ぎる!」
やっぱりこの人クレイジーだぜ!
最悪俺があの三人と一緒のところに行く可能性も出してきやがる。
ディルム、アルサイト天国ではいじめないでくれよ。
「それでは私たちは失礼しますわ」
「あ、行くんですね」
「あら?引き止めて女子会に入りたいのですか?もしかして女装にでも興味がお有りで?」
「ヒキトメテマセンオカエリクダサイ」
そう言うとユメは楽しそうに笑いながらアテナを連れて部屋を去ってった。
天邪鬼とドSを反復往復してるみたいな人だったよマジで。
「でもやることないんだよなぁ⋯能力で遊ぶか」
目を閉じてゆっくり意識を鎮める。
使い方はあまりうまくわかってないがそれでもぼんやりと明かりが暗闇に見えてくる。
地下に3つ、2階東廊下を通ってるのが2つ、1階西側に1つ、上に1つ
上⋯上????
「真上だよな??」
部屋の隅においてある棒⋯多分カーテンバトン?
で部屋の先程座っていた位置の上を叩く。
「お呼びでしょうか」
「ヒャッハァ!?」
「?」
やべえ驚きすぎて喜んじまった。
いきなり真後ろにリンが立ってる⋯なんで?天井這ってたの?
「いや…どこから出てきたのかなって⋯」
「それでしたら抜の魔法で天井から。他にありますか?」
「ありません?ありがとうございました???」
するとリンは一度礼をすると扉から普通に出ていった。
天井に行くのになんか回り道すんのかな。大変そう。
気になりもう一度目を閉じ場所を観察してみる。
光はもうすでに上にあり、自身の真上から少し離れていた。
戻るのはっや。
「はぁ〜あ。他スマホって何ができるっけ。」
写真?あ〜ありかも、あとネットショップ?できるなら便利だな。
後…時計⋯⋯そうじゃん!時計あるじゃん!よっしゃ使お!
「どう使うんだ?????」
やべえ、全くわからねぇ。
時計といえば何だ⋯?どう使うんだ?
俺が時計と言って真っ先に思いつくもの⋯腕?
左腕の手首を確認する。
が、特に何かあるわけでもなく。
「使い方がわからねえ⋯そう考えるとショップの買い方もカメラもシャッターの切り方もわからねぇ⋯」
電話の時はどうしたっけ?たしか⋯アテネ思い浮かべて話したんだよ。
てことはこっちも時計思い浮かべる?もしくは位置情報みたいな感じ?
少し考え直し、落ち着いてから左腕を凝視する。
「違う違うっぽいな。そうじゃないっぽい。」
目をつぶり時計を思い浮かべる。
がこっちも特に何かあるわけでもない。
「諦らめよ、もういいや」
諦めると、机から立ち上がりベットに思いっきりダイブする。
柔らかい感覚が体を包み込みもはやここは極楽浄土。
布団に包まれ桃源郷。
そうして俺はふて寝するのであった。




