33話 無言も最大の敵だわ 参拾参話 情報
「ふぁ〜…今何時だ…」
外を見るともう真っ暗闇。何時かすらわからないけれど多分夜。一応机のスマホで時刻を見る。
大体で合わせてあるから分かるはず⋯3時、もうちょいで朝か…
いつの間にか寝てしまっていたようでかなり体に倦怠感が残る。
軽く浴室?みたいなところで顔を洗おうとする。
「これどこから出るんだ…?」
とりあえずレバーを軽く捻る…
「ボバァ!?」
天井からお湯が大量に出てきて馬鹿みたいに頭から濡れる。
顔を洗いたかっただけなのに全身びしょ濡れだ。
壁にかけてあったタオルで軽く服と頭を拭く。
「ん…?」
突然ドアが叩かれる音がなる。
首からタオルをかけると浴室から出て出入り口に向かう。
「どちら様ですか?」
「ユメですわ。開けてもらっても?」
「あ、すみません」
急いで出入り口の鍵を開ける。
するとドアが開き昼のドレス姿と違い全身がもこもこの水色ボーダー服をまとったユメさんが居た。
「あがりますね。」
「そうぞどうぞ」
許可をもらうとユメ…もといユメノミはリビング?部屋の椅子に座ると軽く髪を整える。
それに続き自分も反対側の椅子に座る。
「それで…ユメノミさん」
「どうぞ。ユメとお呼びください」
「あ〜…でもユメノミさ「ユメ、とお呼びください」
……
「ユメノ「ユメとお呼びください」
「ユメn「ユメとお呼びください」
「……」
「ユメとお呼びください」
さっきからニコニコしてるけどどんどん圧が強くなっていく…
そろそろ弄るのやめてあげて話し続けるか。
「…ユメさん」
「はい。どうされました?」
「あの、要件について聞いてももよろしいですか?」
とりあえず初期のド◯クエにある永久問答を終わらせる。
実際要件もわかっていないのでさっさと話を聞いた方が吉だ。
「いえ?ないですけど…?」
「え…?」
本当にどういうこと?トートといいこの人といいどうして王族はこんな気安く知らない不審者に遊びに来るのか…
「ただ、あなたがどういう方か気になりまして。少しお話しに来たんです。」
「な…なるほど?」
こんな深夜…深夜だよね多分?に来るってさては相当暇だな。
にしても話題なんて無いけどどうしよ。
そんなことを考えているとユメが唐突に立ち上がり机の引き出しからティーセットと小さい板?を取り出す。
ティーポッドのお茶と魔法で水を入れ板の上に置く…
「まった今詠唱せずに魔法出さなかった????」
「えぇ、詠唱したときより威力は下がりますがこういう時には丁度良いんですよ。」
「そうなんだ…」
そうだよな、詠唱はあくまで魔法の選択なんだから無詠唱でも脳内で選択したりも出来たりするはずなんだよな。いや…わからんな…そんなもんなのか?
考えてるうちにティーポッドが沸き立ちカップに注いでもらう。
「…」
「…」
話すこともなくお互い無言の時間がすぎる。
ちなみに俺は次失言したらアテネに殴られそうだから俺から話すつもりはないぞ。
惚れそうで一アウト取ってるしね。多分次はない。
「…」
「…」
部屋に無言の時間だけがすぎる。
あるのはたまに紅茶を飲む音と空になったポッドに紅茶が注がれる音がなるだけ。
「お、おいしいですね」
「ありがとうございます」
流石に無言の時間に耐えかねてこれだけ言って置く。
でもこれ以上は会話は続かない。マジで辛い。
「…」
「…」
もう少しずつ外が明るくなっている。
が、以前会話は無くお茶も空になってしまった。
「すこし良いですか?」
「どうしたんですか?」
やっと向こうが話してくれた。いつの間にか寝起き直後が原因の倦怠感は消えていた。
頭も回転するようになってきている。これでしっかり話せる
「一度死んでもらえませんか?」
「マジで言ってます?」
「マジで言ってます」
えぇ〜そんなカジュアルに死ねって言われるんだ。
まだせめて言葉を濁してほしかったわ。もう少しこう⋯合ったと思う。
「ちなみに理由の方は?」
「お昼にアテネさんから聞いたのです。死んでも生き返ることとその際持っていた道具によって能力が変わると。」
「好奇心ってことで?」
「はい、そうです。」
バッサリ言い切ったぞこの人。
そんな好奇心で死ねって言えるぐらいのメンタルあるんだ。
やっぱりそれくらいなきゃ王族ってできないのかなぁ⋯
「まぁ⋯一度ぐらいなら⋯?」
「⋯いいんですか!?」
「まぁ…一回だけなら。」
まあどうせ一回だけだしね。しゃーねえべ。
苦しまなければなんとか逝ける。
「苦しまなければ…まぁ」
「ありがとうございます!」
うっきうきでお湯を沸かす。
そして俺のカップになんか白い粉をいれる。
たぶんというか明らかに絶対毒、飲みたくねぇ⋯
まぁ飲むんだけど。
「私が言うのもなんですが良いんですか?」
「良いんだよ…まぁうん、良いんだよ⋯もう慣れたから」
「なんというか苦労してるんですね」
苦労⋯まあ行き帰りのたびにこれしないとなのは確かに苦労か…
そんなこんなで速攻お湯が沸き立つ。
そしてお湯を注ぐ。
「はぁ…よし」
「頑張ってください!」
一気に飲み物を飲み干す。
瞬間軽くあった眠気が一気に強くなる。
持ちこたえる気はサラサラ無いが一応倒れないように机に腕を枕代わりにして頭を置く
「あ!迎えはランにさせるので大丈夫です!」
「ン・・・ありがと⋯」
そろそろ顔が上がらないさらに瞼がくっそ重い。
「んじゃぁ⋯おやすみ⋯なさい⋯」
「はい!おやすみなさいませ!」
この人絶対好奇心で猫を殺すタイプの人間だろ
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そんなこんなで現実に戻ってきた。
目覚めた場所は⋯
「え?家?」
珍しいパターンだ。基本公園や学校、保健室やそのへんの道路に投げられることが多いのにピンポイントで家につくとは思っていなかった。
これだけは本当に飛ぶ条件がわからない。
とりあえず靴を脱ぎ一階に降りる。
さっさと向こうに戻りたいし学校に行こう
「行くか。」
先ほど抜いだ靴を玄関に投げ靴を履き直す。
そして外に出ると鍵を締め玄関の植木鉢の下に隠す。
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学校についてが今日が休日なこともあり誰も居ない。
あ、サッカー部は走り込みしてる。
⋯折角だし図書室辺り寄っておくか。
何個か調べておきたいこともあるし、異世界で役に立つことだし。
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本棟の三階に駆け上がる。
こういうのは走ったほうが疲れないってどっかで聞いた。
突き当りまで歩き図書室に入る。
やっぱりというかなんというか人は居な⋯
居たわ。
「よ、なにしてんの?」
本を眠そうに読んでいる学生服の男に声をかける。
「ぬぇ⋯?あ、お前か」
「何見てんだよ」
その男⋯有田 隼人の肩に手を置き本を覗き込む。
「料理?」
「そうそう、モテる男になりたいじゃん。」
「お前モテんだろ」
有田は顔が馬鹿みたいに良い。
が、性格は残念、成績も残念、さらに運動音痴
が、顔だけは良いので一部の層からモテる。
ファンクラブも合ったりするらしい
「なんだか珍しいな、最近は色んなところから出たり消えたりしてるのに」
「まぁ⋯いろいろ事情がな」
「そのせいで影でお前のあだ名忍者になってるぞ」
「まじかよ」
まあ確かに⋯それはそうだけど。
にしても忍者⋯忍者かぁ⋯
もうちょいなんかあるでしょ⋯いや変なのじゃなくてよかったよ。
「というかなにしに来たの?巻物でも盗みに?」
「忍者じゃないぞ。何冊か科学の本をな。」
「場所は⋯まぁわかるか。ヘビーユーザーだもんな」
慣れた様子で地図も見ずに科学図書のゾーンに行く。
そのまま科学図鑑をい幾つか手に取りその場で読み始める。
「机で読めや」
「それもそうか」
「ほら、お前の席」
本を幾つか抱え隣に座り読み始める。
あった、粉塵爆発。
可燃性の粉塵:そもそも燃える性質の粉であること。
浮遊:粉が地面に積もっているだけでなく、空気中にキリのように舞い上がっていること。
酸素:周囲に十分な酸素があること。
高濃度:空気中の粉の密度が、爆発を起こすのにいい濃さになっていること。
火種:静電気やタバコの火など火花などのきっかけがあること。
まぁ⋯うん。ギリギリ条件達成してた感じっぽいな。
でもまた起こすはかなりきつそうだなぁ⋯ん、多分無理
他になんかあるかなぁ⋯
駄目だな。うん。無理だ。
じゃあいいか…粉塵爆発が見たかっただけだし。
粉塵爆発下限濃度が一番難易度きついし。
「んじゃあ俺は行くわ。」
「おけ、まぁ頑張れよ。」
「じゃあな。」
そう言いながら例の廊下に向かう。




