31話 異世界犬
「えっと…ランさん・・?」
「そう!ランだよランは!」
この俺のスポーン地点に出待ちしていたメイドの片方の方⋯トートをお菓子で餌付けしていたほうがランさんらしい⋯なんというか。リンさんと全く同じ見た目なのに違う⋯
向こうは猫でこっちは大型犬だ…
「というかそっち行くまでに3日かかるのにランさん早くない?」
「ランでいいよ!さん付けはなんかムズムズする!でね!でね!それは魔法でびゅ〜んと来たの!」
「移動系の魔法もあんのか⋯便利だな」
というかこの世界で竜車以外の乗り物見ないのそれが原因な気がする。
そりゃ魔法で移動できるならわざわざ乗り物なんて開発することは少ないか。
「じゃぁ⋯俺持って移動できるの?」
「できるよ!できるよ!でも疲れた!休みたい!」
「あぁ〜まあいいか。」
向こうに行くのが遅れてもある程度は大丈夫でしょとは思う。
まあ問題事が起こって⋯王が隣国の王の友人毒殺した問題は思いっきりあるな。
とりあえずランを自室に連れて行く。このままベッドでパーティだぜ。
「動きたくない〜!連れてって〜!」
「うん、ごめん」
「?」
この大型犬純粋すぎるよ。一瞬でも不埒に思った俺は反省したいところ。
そんなこんなでランを背中におんぶして運ぶ、この子くっそ軽いな。ちゃんと食べてる?休めてる?おじさん心配だよ。
「寝てないからかテンションおかしいな⋯深夜テンションってやつか。」
「しんやてんしょん〜!」
「そうそう深夜テンション」
別に今真っ昼間なんだけどね。
軽く歩いてると自室が見える。
そうして部屋に入るとベットに丁寧にラン犬を投げる。
「キャ〜!」っと楽しそうな声を出しながらベット速攻で潜り込む。
「そういえばさ、あの⋯リンさんか、とは似てるけど姉妹?」
「そうだよ〜!ランはリンのお姉ちゃんなのです!えっへん!」
「なんというか⋯こっちが姉なんだ。」
姉のカバーに追われてそうだよなこの調子だと。リンさん⋯お疲れ様です。
そういや兄貴もリンさんみたいだったな⋯苦労してたんかなぁ
そんな物思いにふけってるうちにいつの間にか左隣の声が止み小さな寝息しか聞こえなくなる。
多分寝たかな?そう思い布団を見るとランを投げた時は丁寧に整えられていたベッドがグッチャグチャになっていた。
というか誰が丁寧にしてたんだろ。デュークさん?
「だったらデュークさんに申し訳ないなぁ」
「ほう、私にですか?」
「音もなく後ろに回るの辞めてくれませんか?」
本当に心臓に悪いよこの人。癖になってるのか知らないけどかなりの確率で後ろに回ってくる。
「で、その方は?」
「あ〜、なんか迎えに来てくれた人。らしいけど疲れて寝てます。」
「そうでしたか」
そう言いながらデュークさんが丁寧に布団をかける。やっぱりイケメンだよこの人。
それを横目に戸棚からティーセットを取り出し小鍋でお湯沸かす。
「しばらく俺は動けないし。お茶でもどうですか?」
「えぇ、ぜひお願いします。」
「わかりましたよ。少々お待ちを。」
ティーポッドに茶葉と湧いたばっかりのお湯を入れる。
正直入れ方なんて適当だからこれ出会ってるかわからない。
次戻ったときにでも誰かに聞いてみようか。
机にティーポッドとカップを置く、お菓子は無いが⋯まあ良いだろう。
というかお菓子って必須か?よくセットにされてるけど。
そしてカップにお茶を注ぐ、2,3分しかお湯入れてから立ってないけど大丈夫でしょ。
多分⋯
「では頂きます。」
「どうぞ、召し上が⋯ん?召し上がれは違う気がする⋯まぁいいか」
デュークさんが皿ごと持ち上げカップに口をつけ飲む。
この人ホントなやっても絵になるな⋯
「そんな顔しなくても美味しいですよ」
「良かったです⋯」




