23話 夕暮れの始まりを俺達に
「やほ〜アテナ」
「よく生きてたな。あの後また見つからないから心配したぞ。」
いや死んではいるんだけどね?何なら三回。
ぼろぼろになった城を見渡しながらアテナと歩く。
「あの後兵たちと合流して捜索したがお前も残党も居ないからスパイ疑惑が出ていたぞ。」
「マジかよ…え〜ちょっとショックもうちょい信頼稼いでおくんだった。」
というか最初から兵を呼んどけば幾つか楽になったと思うんだけど。
あの石もだけど手札隠しすぎじゃない?まあいいか。結局終わったし。
「というか修繕作業もう始まってんの?」
少し歩くと壁に対して土魔法やら模様掘ったりやら。何人かが作業している。
てかこの世界あんなデニムみたいな作業服有ったんだ。あ、目合った。手ふっとこ。
「悪かったな色々。巻き込んでしまって。何度も死にかけただろう…」
「まあ何度か死んだけどそこは清らかな心で許します。」
「は?」
あれ?死んでるの説明しなかったっけ?
あやっべ、してねえわ。逃げようかな。でも行くところなくなるなぁ。
「アテナさん目で圧をかけないでください。肩掴まないでください強すぎます。割れます!肩割れます!」
「私の部屋に来い」
うげぇ…トラウマ部屋。やだよ俺あそこ行くと吐き気しそうだもん。
まあ良いや、説明責任を果たしたら自室に逃げよ。
「かぜやま〜」
「あ、トート無事だった…いや当たり前か」
そりゃトート殺したら王様居なくなるもんな。
殺されるわけねえわ。そこら辺はしっかり考えてたんだよな。
あいつら同時にこれば勝ってたんじゃねえの?
やっぱ考えてねえなさては。バーカバーカ
「お前こそ無事で何よりだよ」
「無事よ無事。なんなら今帰ったばっかだからダメージ0まである。」
トートが首を傾げる。頭に?マークが浮かんでそうな動きだな。
説明めんどいから良いや。
「トート風山になにか用が?」
「あ、キレてる。何もないっすよ。持ってっちゃってください」
「トートォ!」
秒速で売りやがった。お前後で覚えとけよマジで。
全力で睨んでおこ。
「じゃあ姉貴…俺逃げ…復旧手伝ってくるから!」
逃げやがったあの野郎。
「じゃあ俺も手伝いに…「駄目に決まっているだろう?」」
全力で逃げ出す。流石に負傷アテナより俺のが早い。
理由もなく普通に捕まって引きずられております。
「痛い痛い!!首根っこ捕まんといて!」
「……」
「無言が一番怖い!」
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こってりアテネに絞られた後ですどうも。
それはそれとしてやることもなく彷徨っております。
テラスで休むか…
「やっぱりさぁ…こういう時ってノスタルジーに浸りたいものなのかもな。」
「のすたるじー、ですか?」
「あ、デュークさん。」
ひっさびさに見たけどイケおじすぎるなこの人。
なんというかあれ着てほしい。タキシード。
「なんというか…過ぎ去った過去に対して、強い懐かしさや憧れを抱く感情のことですよ。そういうのデュークさんにはありませんか?」
「懐かしい…ですか。トート殿とアテナ殿が生まれたタイミング。もう18年と15年前になりますかね」
「デュークさんってそんな頃から二人見てたんですね。」
「えぇ…懐かしい…本当に」
やっぱり、あのとき逃げないでよかったな。
そうじゃなきゃデュークさんのこんな朗らかな顔は見れなかった。
まあデュークさんに限った話じゃないけどこういう顔は、見ていて好きだ。
「成長していましたね。一ヶ月前より」
「?」
さては見ていたな。
この人は話聞いただけで判断する人じゃないし。
「見てたんですか?」
「最後だけですがね。遠くからですが。」
まぁ、助けてほしかったりと思うけど。
そこはしょうがないか。かなり向こうも大変だったろうし。
「もう夕暮れか…向こうでも見たけど良いな。」
「えぇ。やはり見ていて美しさに見とれてしまいます。」
学校生活と、異世界生活。
両方楽しめるだけ楽しんで。
生きていこう。
「デュークさん、ありがとう」
「えぇ、受け取るだけ受け取っておきます。」




