弐拾弐話 種明
公園に寝っ転がる。
いや、本意じゃないんだけどさ。
あのときキッチンで使った能力
透霞清化
アテネの言い方から見て死ぬたびに呪効が変わると思ってたけど正解だった。
そして多分その能力は最後に持っていたもので決まる…と思う。
まあでも種は簡単だ。土魔法で空気が入ってくるだけにに固定して漏れそうなのはすべて塞ぐ。
そんでもっての粉塵爆発。粉が足りないんじゃないかってヒヤヒヤしたわ。
あとシャー芯投げたときの光も想定外。
真面目に科学やってなかったせいで覚えてなかったわ。
目がくらくらしたよ。焦った。
もう少し、寝とくか。
「ママ-アソコデネテルヒトナニ-!」「アレハヒナタボッコシテルンダヨ」
子どもも元気そうだ。朝っぱらから高校生が公園で横になってるのはどうなんだ?
まあ良いや…今はただ…ちょっとつかれた。
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「ん…」
気づけば夕暮れ。子どもはみな帰っていく。
少しあったかい風に煽られながら顔を上げる。
きれいな空だ。まだ青が空を満たし少しずつ暁色がそれを塗りつけている。
たまにはこんなふうにのんびりするのも良いかもしれない。
向こうではどのくらい過ぎているだろう多分5分とかそのくらいだろう。
なら、まだ寝ていても良いのかもしれない。
ただ、今まで見ていなかっただけの物が美しく感じる
ただの夕日を楽しむなんて何年ぶりだろう。
異世界から帰ってきて。また行って。死んで。
そんなことまで懐かしく感じる。
この景色を後何度見れるだろう。
いつかこんなことをしていたら見れなくなるかもしれない。
それでもだ、またあそこに行って傷つくのも悪くはない。そう思う。
あの世界を誰かに打ち明けるのは気が引ける。これと言って理由はないけど。
危ない場所に友人を連れていきたくないのかもしれない。
実際に言っても信じないだろうし、いつか小説として残したりするのも良いかもしれない。
もちろん全部無事に終わったらだけど。
……いつかね
起きるか。
歩こう、また歩こう。
いつもなら何もない通学路。
でも今日は違う。
雑草に紛れて咲いている花がある。
曲がった先に猫が休んでいる。
子どもが駄菓子屋でお菓子を見ている。
ただそれだけだ。でもそれ以上。
今日で帰ってくるのは3度目、まだまだ戦いがあるかもしれない。
それでも今日だけはそんな気持ちで居ても
良いのかもしれない。
学校についた。みんな部活頑張ってんなぁ。
靴を脱いで上履きに履き替える。
おもえば俺向こうに毎回上履きで行ってたのか。
今回は靴を持ってこう。
上履きをロッカーに戻し靴を持って歩く。
そろそろ履き替えるか。
礼の廊下で靴を履き替える。
進もう。
目を閉じる、未だに行く条件はわかってない。
でもきっと行ける。
行ってきます。




