銃部。
銃部。銃について勉強したり遊んだりする部らしい。
元々3人の男子生徒が所属していたこの部に、さっそうと降り立った私カリーナちゃん。と、付き添いのディア君。
そんな銃部で私は何をするかと言えば――
「で、こいつがその獣王国のガロウ将軍をもノしたドワーフ式最新銃、リボルバーってワケ」
「す、すごい! 連発式だなんて……!」
「ドワーフ製で使用者登録さえなければ試射させてもらいたかった……!」
「ひょー! ここが回転して、少しでもズレたら暴発しそうなのに機構で解決されてる! 凄い!」
――マイ銃の自慢である!!!
そう、この銃はアイシアの故郷、ドワーフの里にて作られたリボルバー銃で、他国にては激レアすぎる一品なのだ!!
一応私のメイン武器である! 他に武器は使わないので。魔法は使うけど。
「ホホホ、そら、持つくらいはしても良いぞ。ホレホレ」
「あ、あ、あ、す、すごい。手に吸い付くような持ち心地……!」
「次、次お願いします! 触らせて下さい!!」
「その次お願いしますカリーナ様ァ!」
いやぁ、最新銃でモテモテだねぇ!
気分良いわぁ。これがサークルの姫……いや姫かコレ? 普通に珍しい新型アイテムを自慢してるだけだな私が。
「一応ヴェーラルドで手に入れた単発マスケットもあるよ」
「お、これはこれで中々いい銃」
「頑強で船上においても錆びにくいようコーティングされている。海賊の銃だ」
「これはこれですばらしいですぞ! いよっ、期待の新人!!」
いやぁめっちゃ褒めてくれるじゃんコイツら。
気に入った、五大老に頼んでデリンジャーでも作ってもらってやろう。手の中に握り込めるくらいの小さい拳銃。単発式のなら既存の銃と大差あるまいて。
五大老のみんなも物作りの息抜きに物作りしたいだろうしね!!
「なんと! お知り合いにドワーフの銃鍛冶師がいるので!?」
「専門じゃないけどなんでも作れるからねー。ミニサイズの銃くらい作れるさ」
「ぜひぜひぜひ! お代はお支払いいたします!」
「逆に小さい方が作るの難しいのでは?」
ふぉっふぉっふぉ。いいよねデリンジャーも。小さくて可愛い。オモチャのような銃だ。
「だめですよ?」
「ひゃい」
すまん、ディア君がダメっていうからやっぱなしで。
「ディアちゃん、いいじゃないか銃の一丁や二丁や三丁くらい!」
「そうだそうだ! いくら美少女だからって我々を止める権利はなーい!」
「可愛いけど銃は欲しい!!」
「暗器となり得る銃を所持するのは、国家騒乱罪に該当する可能性があるので」
「法律では仕方あるまい」
「そうだな。逮捕はされたくないものな」
「長いものには巻かれないとな」
あっさりと諦めてくれた模様。
うーん、法律じゃ仕方ないよね。
「しかたねぇな。じゃあお前らの股間の銃くらいのサイズの銃を作ってもらおうか。ほら、サイズ言ってみな」
「あの。ツッコミどころが非常に多いですが、待ってくださいお姉さん。それでは自己申告の数字ではデリンジャーとやらを作ってもらうのと何ら変わらないのでは……」
「……自分、18cmで」
「じゃあ20cm」
「23cm」
はっはっは、この見栄っ張りの欲張りどもめ! はっはっは!
「というわけで問題なさそうだよディア君」
「い、いや、そのくらいだと思う次第で!」
「小さすぎると法律で捕まっちゃうかもだから大きめにね、ね!?」
「そうそう。法律がね、法律が」
「……え、ええ……」
しまった。ちょっと下ネタが過ぎたな。ディア君に引かれてしまった。
まぁそんな感じで、部活は部活で楽しめそうである。
でも翌日、本当に銃を持って行ってやった。口にしたことはやるカリーナちゃんである。
とはいえ、殺傷能力はないナーフされた銃だ。さすがに本物の銃を学校の部活に持ち込むのは違うと思ったので……ナーフの語源もオモチャの銃の名前なので丁度いいってね?
というわけで五大老が手慰みに3分で作ってくれました。
魔道具ですらなくバネでパチンパチンと弾く、日本なら縁日でも売っているようなBB弾を撃つモデルガンである。弾が一応金属だから銀玉鉄砲の方が近いか。
しかも1発1発を手でセットする必要がある単発式。横からセットはできるけど結構手間だ。
……最初は持ち手のところにマガジンを差し込む、連射可能な自動拳銃を作ってもらおうと提案してたんだけど、隣で聞いてたディア君が「普通にダメですよ? 何作ろうとしてるんです?」と止められた。
自動拳銃はオモチャといえど一般人にプレゼントするにはオーバースペックすぎるらしい……
まぁうん。だよね。ドワーフの最新銃でもリボルバーだもんよ。時代を100年進めちゃうよね。
「ほほう、殺傷能力のない玩具銃ですか」
「子供でも騎士を殺傷出来得る銃という武器を、あえて絶対に殺さない方向にさらに弱めた銃の形式……新しい!」
「しかも魔道具ですらない……これは銃人口を増やす玩具として最適にちがいないぞ!」
と、大好評である。銃のオモチャ、いままで弾が出るタイプのものはなかったらしい。
なにせ弾の出る銃は魔道具だ。高価でオモチャにするなんてとてもとても。というわけでオモチャになるのは魔道具ではない銃の模型だ。
ただ構えて遊ぶだけでは木剣と比べてはつまらないだろう。木剣は本当に攻撃ができて打ち合いができるので。
「これなら撃ち合っても死なないでちょっと痛い程度だし、サバゲーしようサバゲー」
「サヴァゲ? とは?」
「サバイバルゲーム。撃たれたら死ぬという設定で、生き残りをかけたゲームってことさ。あ、目に入ったら流石に危ないからそこはゴーグルを付けようね」
「楽しそうですな!」
「やりまぁす!!」
銃好きのお前らならそう言ってくれると思ったよ。部活楽しいねぇ!!
あ、ディア君は危ないから見学してて……え、ディア君もやる? はいゴーグル。気を付けてね!
ん? というかこのオモチャの銃、売れるのでは?
そういや私商人だったわ! これ売っちゃうかなぁー! 五大老の皆に自動生産ライン作ってもらおうかなー!








